建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

最終更新日:2026年7月28日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)・令和7年2月1日施行分対応済み

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では検索される方のわかりやすさを考慮し、旧名称も併記しています。

結論:内装仕上工事業の建設業許可が必要かどうかは、「内装かどうか」ではなく「1件の請負代金が500万円(税込)以上かどうか」で決まります。

そして許可を取るときの最大の関門は、営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保と、内装仕上工事業という業種の線引きです。大工工事業・建具工事業・電気工事業・板金工事業・熱絶縁工事業との境目を誤ると、許可を持っていても無許可営業になりかねません。

「内装工事に建設業許可は要らない」——結論から言えば、この線引きは間違いです。

許可の要否を分けるのは、工事が内装かどうかではありません。1件の請負代金が500万円(消費税を含んだ金額)以上になるかどうか、その一点です(建設業法第3条第1項ただし書、建設業法施行令第1条の2)。

内装は1件あたりの単価が小さいという印象があります。しかし店舗の内装一式、オフィスのフロア改修、マンション1棟のクロス・床の全面貼り替えとなれば、500万円は決して遠い数字ではありません。

実際、国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」によると、内装仕上工事業の許可を持つ業者は92,608業者で、許可業者全体(483,823業者)の19.1%を占めます。29業種のうち6番目に多い業種です。

しかも前年から2,063業者(2.3%)増えています。小規模事業者の母数が大きい一方で、許可を取って受注の幅を広げている会社もそれだけ多いということです。

この記事でわかること:

  • 内装仕上工事業の定義と、国土交通省が示す9つの例示(インテリア・天井仕上・壁張り・内装間仕切り・床仕上・たたみ・ふすま・家具・防音)
  • 500万円(税込)の判断基準と、手間請け・分割契約の落とし穴
  • 大工工事業・建具工事業・電気工事業・板金工事業・熱絶縁工事業との線引き
  • 営業所技術者等(旧:専任技術者)になれる資格一覧と、実務経験10年ルートの証明方法
  • 申請手順・費用・審査の流れ(埼玉県の手引き 令和8年4月版に基づく実例)

目次

内装仕上工事業とは?国土交通省が示す9つの例示

内装仕上げの材料サンプル(壁紙・床材・ボード)が並ぶショールームで見本帳を確認する内装職人

内装仕上工事業は、建設業法で定められた29業種のひとつです。告示による工事の内容は、「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」と定義されています。

そして国土交通省の建設業許可事務ガイドライン(最終改正 令和7年2月1日 国不建第161号)は、内装仕上工事の例示として次の9つを挙げています。

  • インテリア工事
  • 天井仕上工事
  • 壁張り工事
  • 内装間仕切り工事
  • 床仕上工事
  • たたみ工事
  • ふすま工事
  • 家具工事
  • 防音工事

この9つは、行政庁が業種を判断するときの出発点になる公式の例示です。自社の工事がどれに当たるかを言葉で説明できるようにしておくと、申請時のやり取りが格段にスムーズになります。

現場の呼び名と例示の対応

ガイドラインの例示 現場でよく使う呼び方・具体例
壁張り工事 クロス貼り(ビニルクロス・織物クロス)、壁面の化粧板張り、壁紙の貼り替え
天井仕上工事 軽量鉄骨天井下地(軽天)+石膏ボード張り、システム天井、吸音板の張付け
内装間仕切り工事 LGS下地+ボードによる間仕切り壁、可動間仕切り、パーティション
床仕上工事 ビニル床タイル・長尺シート、タイルカーペット、フローリング張り、置き敷き床
たたみ工事 採寸・割付け・畳の製造加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事
家具工事 建築物への家具の据付け、家具の材料を現場で加工・組立てて据え付ける工事
防音工事 建築物における通常の防音工事(ホール等の音響効果を目的とする工事は含まない)
インテリア工事 内装仕上げ全般をまとめて請け負う内装工事
ふすま工事 ふすまの製作・張替え・建込み(建具工事の例示にも掲げられている)

ガイドラインは、いくつかの例示について「区分の考え方」で追加の定義を置いています。実務で効いてくるのは次の3点です。

【要チェック】ガイドラインが明記する3つの定義

「家具工事」とは、建築物に家具を据付け、又は家具の材料を現場にて加工若しくは組み立てて据付ける工事をいう。=家具の製造・販売そのものは建設工事ではありません。

「防音工事」とは、建築物における通常の防音工事であり、ホール等の構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれない。=スタジオ・ホールの音響設計を伴う工事は同じ「防音」でも扱いが変わります。

「たたみ工事」とは、採寸、割付け、たたみの製造・加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事をいう。=敷きこみだけの請負は、この定義には当てはまりません。

「内装だから許可は要らない」が通用しない500万円の壁

閉店後の店舗内装現場で天井下地とボードを施工する作業員|500万円以上の内装一式工事のイメージ

建設業の許可が不要なのは、いわゆる軽微な建設工事だけを請け負う場合に限られます。建築一式工事以外の建設工事では、1件の請負代金が500万円未満(消費税を含んだ金額)の工事がこれに当たります。

内装仕上工事は建築一式工事ではなく専門工事ですから、判断ラインは500万円です。建築一式工事の1,500万円や「延べ面積150平方メートル未満の木造住宅」という別枠は、内装仕上工事には適用されません。

金額判定でつまずきやすい4つのポイント

論点 正しい取扱い
税込か税抜か 消費税を含んだ金額で判断する。税抜480万円でも税込で500万円を超えれば許可が必要
手間請け(材料支給) 注文者が材料を支給する手間請けの形をとった場合、材料費を含んだ額が請負代金の額とされる
契約の分割 一つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、それぞれの契約の請負代金の合計額で判定する
一式工事の許可があれば足りるか 建築一式工事の許可があっても、500万円以上(税込)の専門工事を単独で請け負うことはできない

とくに危ないのが手間請けです。内装は元請から材料を支給されるケースが多く、「自分の請求は400万円だから許可は不要」と考えてしまいがちです。

しかし材料費を含めた額が500万円を超えていれば、それは許可が必要な工事です。軽微な建設工事の判断は、請求書の金額だけを見ていると簡単に外れます。

元請が許可の有無を確認してくる背景

近年、ゼネコン・工務店・店舗施工会社が下請の許可の有無を確認する動きが強まっています。理由は単純で、無許可業者に500万円以上の工事を出せば、元請側もコンプライアンス上の説明ができなくなるからです。

建設業界は、いまだに紙とFAXと電話で回っている現場が主流です。デジタル化が遅れている業界だからこそ、許可・社会保険・CCUSといった「書面で示せる資格」を先に揃えた会社に仕事が集まる構造になっています。

許可は根性や人脈で取るものではなく、受注できる工事の上限を引き上げるための仕組みです。やる気の問題にせず、要件を一つずつ潰していく作業と割り切ったほうが早く終わります。

あわせて、無許可営業の罰則にも触れておきます。許可を受けずに500万円以上の工事を請け負うと、建設業法違反として処分の対象になり得ます。

最大の落とし穴|大工・建具・電気・板金・熱絶縁との線引き

軽量鉄骨の間仕切り下地越しにボード張りと電気配線が並行する内装現場|業種の線引きのイメージ

内装仕上工事業でもっともつまずくのが、隣接する業種との区分です。ここは推測で判断せず、建設業許可事務ガイドライン(最終改正 令和7年2月1日)の別表と「区分の考え方」に当てはめて考えます。

業種 ガイドラインの内容・例示 内装仕上工事業との線引き
大工工事業 木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事/例示:大工工事、型枠工事、造作工事 木下地の造作は大工工事業。その上に張るボード・クロス・床材の仕上げが内装仕上工事業
建具工事業 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事/例示:金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事 ドア・サッシ・シャッターの取付けは建具工事業。ふすま工事は双方の例示に掲げられている
電気工事業 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事/例示:構内電気設備(非常用電気設備を含む)工事、照明設備工事、ネオン装置工事 天井を張るのは内装仕上工事業、そこに納める照明の配線・接続は電気工事業
板金工事業 「建築板金工事」とは、建築物の内外装として板金をはり付ける工事をいい、具体的には建築物の外壁へのカラー鉄板張付け工事や厨房の天井へのステンレス板張付け工事等である 飲食店の厨房でステンレス板を天井・壁に張る工事は板金工事業。同じ「内装」でも別業種
熱絶縁工事業 工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事/例示:冷暖房設備等の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事 ウレタン吹付け断熱は熱絶縁工事業の例示。内装仕上げと同じ工程で出てくるので要注意
ガラス工事業 工作物にガラスを加工して取付ける工事/例示:ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事 ガラスパーティションのうち、ガラスそのものの加工・取付けはガラス工事業
左官工事業 区分の考え方:ラス張り工事及び乾式壁工事については、通常、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである 左官仕上げの下地としての乾式壁工事は左官工事に含まれる。仕上げがボード・クロスなら内装仕上工事業

なお表の右列「内装仕上工事業との線引き」は、ガイドラインの内容・例示を前提とした実務上の整理です。大工工事業のようにガイドラインに「区分の考え方」が置かれていない業種もあるため、判断に迷う契約は申請先の行政庁に確認してください。

【最重要】「ふすま工事」は内装仕上工事と建具工事の両方に例示されている

ガイドラインを読み比べると、ふすま工事は内装仕上工事の例示にも、建具工事の例示にも掲げられています。どちらか一方だけが正解という書き方にはなっていません。

実務では、和室の内装仕上げの一部としてふすまを納めるのか、建具の取付けとして納めるのかを、契約書・仕様書の記載と工事の主たる目的から判断します。

迷ったら、申請先の行政庁に工事内容を示して事前に確認するのがもっとも確実です。「たぶんこっち」で申請書を作ると、補正でやり直しになります。

内装一式を任されたときの考え方

店舗やオフィスの内装を「一式」で任される場面では、ボード・クロス・床のほかに、電気の配線、空調の吹出口、断熱、サインの取付けなどが混ざります。

このとき使えるのが附帯工事の考え方です。許可を受けた業種の工事に附帯する工事は、本体工事と併せて請け負うことができます(建設業法第26条の2第2項)。

ただし、その附帯工事を実際に施工するには、その業種の許可を受けた建設業者に下請に出すか、自社で施工するならその業種の技術者を自ら置く必要があります。「附帯工事だから何でもやってよい」わけではありません。

実はこれ、知らないまま何年も請け負っている会社が珍しくない論点です。契約前に、見積書の項目を業種ごとに色分けしてみるだけでもリスクの所在がはっきりします。

営業所技術者等(旧:専任技術者)になれる資格と実務経験

畳の縁を手縫いする畳職人の手元|技能検定(畳製作)による営業所技術者等の要件のイメージ

内装仕上工事業の許可で最大のハードルが、営業所技術者等の確保です。営業所ごとに専属で、かつ常時勤務する技術者を置く必要があります(営業所技術者等の要件はこちら)。

内装は無資格の職人が現場を支えてきた業種で、実務経験ルートで要件を満たす会社が中心になります。まずは資格ルートを確認し、該当者がいなければ実務経験ルートに進む、という順番で考えます。

一般建設業の営業所技術者等(内装仕上工事業)

区分 具体的な内容
国家資格(施工管理技士・建築士)
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)※種別が建築・躯体の場合は取得後5年以上の実務経験が必要
  • 一級建築士・二級建築士
技能検定(職業能力開発促進法)
  • 畳製作・畳工
  • 内装仕上げ施工(カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工を含む)
  • 表装・表具・表具工
  • いずれも2級は合格後3年以上の実務経験が必要(平成15年度以前の合格者は1年以上)
登録基幹技能者 登録内装仕上工事基幹技能者の講習修了者
実務経験 内装仕上工事に関し10年以上の実務経験
指定学科卒業+実務経験
  • 大学・高等専門学校(建築学又は都市工学に関する学科)卒業後、実務経験3年以上
  • 高等学校・中等教育学校(同上の学科)卒業後、実務経験5年以上
  • 専修学校専門課程(同上の学科)卒業後、実務経験5年以上(専門士・高度専門士は3年以上)

資格の対応は、国土交通省の「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」で確認できます。指定学科の範囲は埼玉県 建設業許可申請の手引き(令和8年4月版)第6章の一覧が具体的です。

この一覧では、技士補にも道が用意されています。1級建築施工管理技士補は取得後3年、2級建築施工管理技士補は取得後5年の実務経験を加えることで、内装仕上工事業の営業所技術者等になれます。

第一次検定の合格者を抱えている会社は、この年数要件も確認しておくと選択肢が広がります。

ここで押さえておきたいのが、内装仕上工事業の指定学科が「建築学又は都市工学に関する学科」である点です。土木系の学科は含まれないため、土木工学科の卒業では短縮ルートが使えません。

特定建設業の営業所技術者等(内装仕上工事業)

特定建設業許可は、元請として一定額以上の下請契約を締結する場合に必要です。内装仕上工事業の要件は次のとおりです。

区分 具体的な内容
国家資格
  • 1級建築施工管理技士
  • 一級建築士
指導監督的実務経験 一般建設業の要件に該当し、かつ発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の内装仕上工事について2年以上の指導監督的実務経験がある者

ここは内装業者にとって有利な点があります。指導監督的実務経験による特定建設業の技術者は、指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)では認められませんが、内装仕上工事業は指定建設業に含まれません。

つまり、1級の資格者がいなくても、元請としての実績を積み上げれば特定建設業の道が残されているということです。将来の受注規模を見据えるなら、この違いは知っておく価値があります。

なお令和6年改正建設業法(令和6年12月13日施行分)により、情報通信技術の活用など一定の要件を満たす場合、営業所技術者等が工事現場の主任技術者・監理技術者を兼務できる特例が設けられました(建設業法第26条の5)。

対象は請負代金1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事で、兼務できる現場は1か所までです(国土交通省「監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例」)。複数現場を同時に回す内装業では活用余地があります。

これとは別に、令和7年2月1日施行の政令改正では金額要件が引き上げられました。特定建設業許可が必要となる下請代金の下限は、4,500万円から5,000万円(建築一式工事は7,000万円から8,000万円)になっています。

あわせて、現場に技術者を専任させる基準も4,000万円から4,500万円(建築一式工事は8,000万円から9,000万円)に引き上げられました(国土交通省 報道発表資料)。

実務経験10年の証明|内装業者がいちばん時間を取られる作業

倉庫の段ボール箱から過去の書類を取り出す経営者|実務経験10年の証明資料集めのイメージ

資格者がいない場合は、実務経験10年で要件を満たします。制度としては明快ですが、証明資料を揃える作業が実務上いちばん重いのがこのルートです。

証明の考え方は「①その期間、内装仕上工事を実際にやっていたこと」と「②その期間、証明者の下で働いていたこと」の2本立てになります。どちらが欠けても年数として認められません。

埼玉県の手引きが求める確認資料

証明する内容 求められる資料の例(埼玉県・令和8年4月版)
工事の実績(証明者が当該業種の許可業者でない場合)
  • 契約書、請求書、注文書等で工事内容が明記されたものの写し
  • その工事に係る入金記録のある預金通帳の写し
工事の実績(証明者が当該業種の許可業者である場合) 許可通知書の写し等で証明期間の許可状況を確認できれば、工事実績資料の提示は省略できる
在籍(勤務)の事実
  • 厚生年金被保険者記録照会回答票(年金事務所またはねんきんネットで発行したもの)
  • 雇用保険の被保険者資格の取得手続が行われたことをハローワークが証明する書類
  • 当時いずれも未加入の場合は、源泉徴収票の写しに加え、給料明細書と給与振込が記録された預金通帳の写しを提示
資料の件数 確認資料の年月と次の確認資料の年月までの間隔が四半期(3か月)未満であれば、間の資料の提示を省略できる

細かい取扱いは都道府県によって異なります。上記は埼玉県 建設業許可申請の手引き(令和8年4月版)第8章の記載であり、申請先が異なる場合は必ずその行政庁の手引きを確認してください。

内装業でとくに気をつけたい3つの落とし穴

①「現場名しか書いていない注文書」は資料にならない。埼玉県の手引きは、工事内容が明記されていないもの(現場名の記載しかない等)は資料として認められないと明記しています。「○○ビル改修工事」だけでは、内装仕上工事の実績かどうかを行政庁が判断できません。

②「人工」での請求は経験として扱われないことがある。埼玉県の手引きは、経営業務の管理責任者の経験について、労務の提供のみを目的とした契約(請求単位が「人工」等)の実績は経験として認められないとしています。常用主体で回してきた内装業者は、工事単位の書類が残っているかを早めに確認しておくべきです。

③2業種を実務経験で取るなら20年が必要。実務経験で2業種以上を申請する場合、1業種ごとに10年以上の経験が必要で、期間を重複させることはできません。「内装仕上と大工を一緒に」と考えるなら、合計20年分の裏づけが要ります。

ここまで読んで「うちの書類、10年分そろっているだろうか」と不安になったなら、その感覚は正しいものです。10年前の注文書と通帳が残っている会社のほうが少数派で、逆にいえば、書類が残っている会社ほど許可取得は早く終わります。

申請手順・費用・審査の流れ

内装工事中の現場で書類を確認する行政書士と内装業者|建設業許可申請の手順相談のイメージ

ステップ1:要件の確認

まず、建設業許可の要件を満たしているかを確認します。埼玉県の手引きでは、許可要件は次の6つに整理されています。

  • 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を備えていること(経営業務の管理責任者等)
  • 適切な社会保険に加入していること(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)
  • 専任の技術者(営業所技術者等)がいること
  • 請負契約に関して誠実性があること
  • 請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用があること
  • 欠格要件等に該当しないこと

社会保険が要件に組み込まれたのは令和2年10月施行の改正建設業法からです。一人親方から法人化して間もない会社は、ここで足止めされがちです。

ステップ2:必要書類の準備

書類名 備考
建設業許可申請書(様式第一号) 申請業種に「内装仕上工事業」を記載
営業所技術者等証明書(様式第八号) 内装仕上工事業の技術者を証明
実務経験証明書(様式第九号) 資格ではなく実務経験で証明する場合(10年分の裏づけ資料が必要)
資格証明書の写し 建築施工管理技士・建築士・技能検定合格証書等の写し
常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書 経営経験を証明する書類
常勤性の確認資料 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入を確認できる書類、住民税特別徴収の書類等
営業所の写真 外観(看板を含む)、郵便受け、内部の状況(別角度で2枚以上)
登記事項証明書・財務諸表・納税証明書 ほか 法人・個人で必要書類が異なる

営業所の写真が求められる点は、自宅兼事務所で営業してきた内装業者がつまずきやすいところです。看板・郵便受け・執務スペースを、申請前に整えておく必要があります。

ステップ3:申請書の作成・提出

知事許可は都道府県の建設業許可担当窓口、大臣許可は地方整備局が申請先です(知事許可と大臣許可の違い)。

埼玉県の場合、提出先は県土整備部建設管理課建設業担当で、正本1通・副本1通を持参で提出します(電子申請を除き郵送受付は行っていません)。受付時間は平日の午前9時〜11時、午後1時〜4時15分です。

ステップ4:費用

申請区分 知事許可 大臣許可
新規申請 9万円(手数料) 15万円(登録免許税)
業種追加 5万円 5万円
更新 5万円 5万円
行政書士報酬(依頼する場合) 10万〜20万円程度 15万〜30万円程度

知事許可・大臣許可の金額は国土交通省「許可申請の手続き」および埼玉県の手引き第7章で確認できます。総額の見通しは建設業許可の費用総額シミュレーションもあわせてご覧ください。

なお埼玉県では、証紙による手数料の支払いが令和6年3月末で終了し、令和6年4月からは原則キャッシュレス決済(クレジットカード・電子マネー・コード決済)になっています。窓口で証紙を買う前提で動くと二度手間になります。

ステップ5:許可通知書の受領とその後

審査を通過すると許可通知書が郵送されます。埼玉県では窓口交付を行っておらず、転送不要扱いで営業所の所在地に送られます。

許可の有効期間は5年間です。更新申請は有効期間が満了する日の30日前までに行う必要があり、埼玉県では満了日の2か月前から受け付けています。

すでに他業種の許可を持っている会社が内装仕上工事業を足す場合は、業種追加(5万円)で申請できます。新規から取る場合の全体像は建設業許可の取り方もご確認ください。

内装仕上工事業の許可でよくあるケースと注意点

室内でクロス(壁紙)を撫でバケで貼り仕上げる内装職人|内装仕上工事業の実務のイメージ

ケース1:クロス職人の一人親方が法人化して許可を取得

戸建て・アパートのクロス貼りを手がけてきた一人親方が、元請の工務店から「店舗改修は許可がないと出せない」と言われて法人化。代表者自身の内装仕上工事の実務経験15年を、注文書と通帳で10年分証明して一般建設業許可を取得しました。

ポイントは、法人化と同時に社会保険へ加入し、常勤性の確認資料を整えたことです。個人事業主のまま許可を取る選択肢もありますが、法人成りの際に許可を取り直す手間を考えると、最初から法人で取るほうが結果的に早いこともあります。

ケース2:軽天・ボード業者が技能検定で要件を満たす

軽量鉄骨下地と石膏ボード張りを専門とする会社が、社内の職長が保有していた1級内装仕上げ施工の技能検定を使って営業所技術者等の要件を充足。実務経験10年分の書類集めをせずに済み、申請までの期間を大幅に短縮できました。

技能検定は、実務経験ルートの書類負担を一気に軽くする現実的な手段です。若手の育成計画に組み込んでおくと、将来の営業所開設や技術者の交代にも効いてきます。

ケース3:建具工事業に内装仕上工事業を業種追加

サッシ・ドアの取付けで建具工事業の許可を持っていた会社が、和室のふすま・間仕切りの内装仕上げまで500万円以上で受注するようになり、内装仕上工事業を業種追加しました。

ふすま工事が双方の例示に掲げられていることを踏まえ、契約内容ごとにどちらの業種で受けるかを整理したうえで、両方の許可を揃えてリスクを解消した形です。

注意点:社会保険とCCUSは許可とセットで考える

元請が下請に求めるものは、いまや許可だけではありません。社会保険への加入とCCUS(建設キャリアアップシステム)への登録を、現場入場の条件にする動きが強まっています。

内装は一人親方と少人数の事業者が多い分野です。「許可は取ったのに現場に入れない」という事態を避けるため、許可・社保・CCUSは同じタイミングで整えるのが合理的です。

公共工事を視野に入れるなら、許可の次は経営事項審査です。学校・庁舎の内装改修は自治体発注の定番案件で、許可がなければそもそも入口に立てません。

よくある質問(FAQ)

Q. 内装工事に建設業許可は必要ですか?いくらから必要になりますか?

1件の請負代金が500万円(消費税を含んだ金額)以上になる内装仕上工事を請け負う場合に必要です(建設業法第3条第1項ただし書、建設業法施行令第1条の2)。

金額は税込で判断します。注文者が材料を支給する手間請けでは材料費を含んだ額が請負代金の額とされ、一つの工事を複数の契約に分割した場合は合計額で判定されます。元請・下請の別、法人・個人の別は関係ありません。

Q. 内装仕上工事業に含まれる工事にはどんなものがありますか?

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインは、インテリア工事・天井仕上工事・壁張り工事・内装間仕切り工事・床仕上工事・たたみ工事・ふすま工事・家具工事・防音工事の9つを例示しています。

告示上の定義は「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」です。クロス貼り、長尺シートやタイルカーペットの床仕上げ、軽天+ボードの間仕切り・天井はいずれもこの範囲に入ります。

Q. 内装仕上工事業と大工工事業・建具工事業はどう違いますか?

大工工事業は「木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事」で、例示は大工工事・型枠工事・造作工事です。木下地の造作は大工工事業、その上のボード張り・クロス・床仕上げが内装仕上工事業と整理できます。

建具工事業は「工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事」で、サッシ・シャッター・自動ドアーの取付けが例示されています。ふすま工事は内装仕上工事と建具工事の双方の例示に掲げられているため、契約内容と工事の主たる目的で判断します。

Q. 内装仕上工事業の営業所技術者等(専任技術者)になれる資格は何ですか?

一般建設業では、1級建築施工管理技士2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)一級建築士・二級建築士が該当します。技能検定では畳製作(畳工)・内装仕上げ施工・表装(表具・表具工)などが認められ、2級は合格後3年以上の実務経験が必要です(平成15年度以前の合格者は1年以上)。

登録内装仕上工事基幹技能者の講習修了者も要件を満たします。特定建設業では1級建築施工管理技士・一級建築士のほか、一般の要件を満たす者で元請として4,500万円以上の工事に2年以上の指導監督的実務経験がある者も認められます。

Q. 資格がなくても実務経験10年で内装仕上工事業の許可は取れますか?

取れます。内装仕上工事に関し10年以上の実務経験があれば要件を満たし、指定学科(建築学又は都市工学に関する学科)を修めていれば大学・高専卒で3年、高校卒で5年に短縮されます。

ただし証明の負担は重く、埼玉県では工事内容が明記された契約書・請求書・注文書等の写しと入金記録のある預金通帳の写し、さらに当時その証明者の下で勤務していたことを示す資料が求められます。現場名の記載しかない資料は認められません。

Q. 内装工事に伴う照明の配線工事や断熱工事は内装仕上工事業の許可で請け負えますか?

請け負えません。照明設備工事・構内電気設備工事は電気工事業の例示、ウレタン吹付け断熱工事は熱絶縁工事業の例示であり、いずれも内装仕上工事業とは別の業種です。

500万円以上の内装一式に電気や断熱が含まれる場合は、附帯工事として扱えるかを検討したうえで、その業種の許可業者に下請に出すか、自社にその業種の技術者を置く必要があります(建設業法第26条の2第2項)。

まとめ:内装仕上工事業の許可は「業種の線引き」と「技術者の証明」で決まる

内装仕上工事業の建設業許可は、クロス・床・軽天ボード・間仕切りといった内装仕上げを500万円以上の規模で受注するために必要な許可です。本記事のポイントを整理します。

  • 許可の要否は「内装かどうか」ではなく1件500万円(税込)以上かどうかで決まる(建設業法施行令第1条の2)
  • 手間請けは材料費を含めた額、分割契約は合計額で判定する
  • ガイドラインの例示はインテリア・天井仕上・壁張り・内装間仕切り・床仕上・たたみ・ふすま・家具・防音の9つ
  • 造作は大工工事業、サッシ・ドアは建具工事業、照明配線は電気工事業、厨房のステンレス板張りは板金工事業、ウレタン吹付け断熱は熱絶縁工事業
  • ふすま工事は内装仕上工事と建具工事の両方に例示されているため、契約内容で切り分ける
  • 営業所技術者等は建築施工管理技士・建築士・内装仕上げ施工/畳製作/表装の技能検定・登録内装仕上工事基幹技能者・実務経験10年で充足できる
  • 実務経験ルートは、工事内容が明記された書類と入金記録、在籍を示す資料の3点セットが要る
  • 手数料は新規9万円(知事許可)、業種追加・更新は各5万円、大臣許可の新規は登録免許税15万円

内装仕上工事業の許可は、要件さえ整理できれば手続き自体は難しくありません。難所は、自社の工事が29業種のどれに当たるかの判定と、10年分の書類を積み上げる作業のほうにあります。

AIがどれだけ普及しても、目の前の注文書を見て「これは内装仕上か、大工か、建具か」を判断する仕事は、法令と運用の両方を知る人間の領域に残り続けます。だからこそ、迷ったまま自己判断で受注を続けるのは得策ではありません。

当事務所は朝霞市・志木市・新座市・富士見市・ふじみ野市・三芳町・和光市を中心に、埼玉県の建設業許可申請をサポートしています。

「この工事は内装仕上で申請できるのか確認したい」「10年分の書類が足りるか見てほしい」「元請から許可を求められたので急ぎたい」——そんなときは、着手前の30分の相談が数か月分の遠回りを防ぎます。要件の確認から書類作成・提出まで一括で対応しますので、まずは無料相談をご利用ください。


免責事項:本記事は2026年7月時点の法令・行政庁の公表資料に基づき、一般的な情報提供を目的として作成しています。法律上のアドバイスを構成するものではありません。

営業所技術者等になれる資格・技能検定の細目、実務経験の確認資料、手数料の納付方法は、申請先の都道府県により異なる場合があります。個別の案件については、行政書士等の専門家または管轄の行政庁にご相談ください。

法令は改正される場合がありますので、最新の情報はe-Gov法令検索(建設業法)でご確認ください。

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