建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

最終更新日:2026年4月27日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)対応済み

「他県に営業所を新設したいが、知事許可のまま運用できるのか」「大臣許可に切り替えると工事範囲は広がるのか」——営業エリア拡大や本店移転を検討する建設業者から最も多く寄せられる質問のひとつが、大臣許可と知事許可の違いです。両者の名称から「大臣許可のほうが上位資格」「大臣許可なら全国どこでも工事できる」と誤解されがちですが、実際の差は1点しかありません。

結論から言えば、大臣許可と知事許可の違いは「営業所を設置している都道府県の数」だけです(建設業法第3条第1項)。2以上の都道府県に営業所を置く場合は国土交通大臣許可、1つの都道府県内のみに営業所を置く場合は都道府県知事許可となります。許可業種・5要件・できる工事の金額や範囲・有効期間(5年)はまったく同じで、ランクの上下関係や施工エリアの制限はありません。

この記事では、大臣許可と知事許可の判定基準から始めて、手数料・申請先・審査期間・必要書類・許可換え新規(区分変更手続)までを実務目線で完全比較します。複数都道府県に展開する事業者、本店移転や営業所統廃合を計画している事業者、新規申請で「自社はどちらに該当するのか」を確認したい方に向けた決定版ガイドです。

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、旧「専任技術者」は「営業所技術者等」へ名称変更されました。本記事では新名称を使用します。改正内容の詳細は国土交通省の建設業法改正 特設ページをご確認ください。

この記事でわかること:

  • 大臣許可と知事許可の判定基準は「営業所の設置都道府県数」のみ
  • 許可種別ごとの手数料・申請先・審査期間・必要書類の一覧比較
  • 建設業法上の「営業所」とは何か——支店・出張所との見分け方
  • 知事許可から大臣許可へ切り替える「許可換え新規」の実務
  • 大臣許可と知事許可のどちらを選ぶべきかの実務的な判断軸

大臣許可と知事許可の違いは「営業所の所在地」だけ

建設業法第3条第1項は、建設業の許可を次のように区分しています。

許可区分 判定基準(営業所の所在地) 許可者
国土交通大臣許可 2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて建設業を営む場合 国土交通大臣
都道府県知事許可 1つの都道府県の区域内のみに営業所を設けて建設業を営む場合 営業所を所管する都道府県知事

ここで誤解されやすいのが「営業所の所在地」と「工事の施工場所」の違いです。許可区分は前者で決まりますが、工事は後者を制限しません。たとえば東京都にしか営業所がない知事許可業者でも、北海道の現場を施工することは何の問題もありません。許可業種の取得さえ済んでいれば、施工エリアは全国どこでも可能です。

許可区分による違いがないのは具体的に次の項目です。

  • 許可業種——29業種すべて、どちらの区分でも取得可能
  • 建設業法上の5要件——常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎、欠格要件、誠実性は同一基準
  • 請負代金の上限——制限なし。上限は一般/特定建設業の区分で決まり、大臣/知事の区分では変わらない
  • 有効期間——5年(更新が必要な点も同じ)
  • 施工エリア——全国どこでも工事可能

つまり「大臣許可のほうが格上」「大臣許可なら大きな現場が取れる」というのは誤解で、両者の差は申請窓口と営業所の物理的な所在地のみです。基本要件の詳細は建設業許可の要件を参照ください。

建設業法上の「営業所」とは——支店・出張所との見分け方

許可区分の判定で核となるのが、建設業法上の「営業所」の定義です。一般用語の「支店」や「出張所」と必ずしも一致しないため、誤った判定を避けるために整理しておきましょう。

国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(令和6年12月改訂)によれば、建設業法上の営業所は次の要件を満たす事務所を指します。

  1. 請負契約の見積り・入札・契約締結等の業務を行っている
  2. 電話・机・各種事務台帳等の事務所として実体が備わっている
  3. 常勤役員等または営業所技術者等が常勤している
  4. 営業所として独立した事務スペースが確保されている
  5. 外部から建設業を営む営業所であることが認識できる表示がある

これらの要件をすべて満たさない事務所は、たとえ会社案内に「○○支店」「△△営業所」と記載されていても、建設業法上の営業所には該当しません。逆に「出張所」「連絡所」と命名していても上記要件を満たせば営業所として扱われ、大臣許可への切替を要する場合があります。

営業所に該当しない例

  • 登記上のみ存在する休眠オフィス(実体がない)
  • 請負契約の権限を持たず、現場連絡や資材保管のみを行う倉庫・現場事務所
  • 常勤役員等・営業所技術者等が配置されていない出張所
  • 本店役員の自宅住所を登記しただけのバーチャルオフィス(独立した事務スペースがない)

営業所判定で迷うケース

典型的な迷いどころは「他県に小規模な事務所を構えたが、契約締結はすべて本店で行っている」というパターンです。実態として契約締結権限が本店に集約されており、他県事務所は連絡所機能に留まっている場合は、知事許可のままで運用可能です。一方、他県事務所で実際に見積書を発行し契約書に押印しているのであれば、大臣許可へ移行する必要があります。判断に迷う場合は、申請先の都道府県建設業課または地方整備局の事前相談制度を活用しましょう。

大臣許可と知事許可の項目別完全比較

申請手数料・申請先・審査期間・必要書類などの実務的な違いを一覧で比較します。

比較項目 都道府県知事許可 国土交通大臣許可
新規申請手数料 9万円(許可手数料) 15万円(登録免許税)
業種追加・更新の手数料 各5万円 各5万円
許可換え新規の手数料 9万円 15万円
申請先窓口 本店所在地の都道府県建設業課 本店所在地を管轄する地方整備局(北海道は北海道開発局、沖縄は沖縄総合事務局)
標準処理期間 約30日(自治体により25〜45日程度) 約120日(4か月)
申請書類の様式 建設業法施行規則別記様式(自治体独自の手引きあり) 建設業法施行規則別記様式(全国統一)
5年更新の手続き先 同じ都道府県建設業課 同じ地方整備局

大臣許可の手数料は「登録免許税」として国に納付するため、納付書での金融機関納付が必要となる点も知事許可(証紙貼付や指定口座振込が中心)と異なります。手数料の取扱いや返還ルールなど費用面の総論は建設業許可の費用相場もあわせてご確認ください。

必要書類の違いはほぼなし

提出書類は両者でほぼ同一です。常勤役員等の経験証明、営業所技術者等の資格・実務経験証明、財産的基礎、社会保険加入、定款・登記事項証明書などの基本構成は変わりません。違いがあるのは次の点に限られます。

  • 大臣許可では各都道府県の営業所ごとに営業所技術者等の配置証明が必要(営業所が複数になるため)
  • 大臣許可では本店所在地を管轄する地方整備局の独自手引きに従って書類順を整える必要がある
  • 知事許可は自治体ごとに独自の追加書類(住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書など)が定められる場合がある

知事許可から大臣許可へ切り替える「許可換え新規」

知事許可業者が他県に営業所を新設し大臣許可へ移行する場合、または大臣許可業者が営業所を1都道府県に集約して知事許可へ戻す場合、いずれも許可換え新規という申請区分で手続きします。

許可換え新規の3パターン

パターン 内容 手数料
知事 → 大臣 他県に営業所を新設し、設置都道府県が2以上になる 15万円
大臣 → 知事 営業所を1都道府県内に集約する(他県営業所を閉鎖) 9万円
知事 → 知事(他県) 本店所在地を他都道府県へ移転する 9万円

許可換え新規は実質的に新規申請と同じ手続きで、これまでの許可番号は失効し、新たな許可番号が付与されます。手数料は新規と同額で、業種追加(5万円)の特例は適用されません。なお5要件は既存許可で実績があるためスムーズに証明できますが、決算変更届の毎期提出が完了していないと受理されないため、未提出分があれば事前に追完しておく必要があります。決算変更届の整備状況は決算変更届の基本をご確認ください。

許可換え新規のスケジュール

知事許可から大臣許可への切替えは、書類準備に1〜2か月、地方整備局の審査に約120日(4か月)かかるため、合計で半年程度を見込むのが現実的です。新営業所での営業活動開始時期から逆算して、早めに準備に着手することをおすすめします。新営業所開設時点で大臣許可が下りていない場合、その営業所では建設業を営めない(500万円以上の請負ができない)点に注意してください。

大臣許可と知事許可、どちらを選ぶべきか——実務上の判断軸

新規申請時または事業拡大時に、大臣許可と知事許可のどちらを選ぶかは、次の3点で判断します。

判断軸1:営業所の現実的な必要性

建設業法上の営業所は、契約締結権限と常勤役員等・営業所技術者等の配置を伴います。他県の営業所を「形だけ」設置することは要件違反となるため、実態として他県で請負契約締結が必要なボリュームがあるかを冷静に評価しましょう。施工現場のみで本店から通勤・出張で対応できるなら、知事許可のまま運用するほうがコスト・管理面で有利です。

判断軸2:営業所運営コスト

大臣許可では各営業所に営業所技術者等の常勤配置が必要となり、人件費が大幅に増加します。営業所技術者等は資格保有者または10年以上の実務経験者でなければならず、要件詳細は営業所技術者等の要件をご確認ください。複数営業所を維持するだけの売上規模・受注見込みがあるかが重要な判断基準となります。

判断軸3:将来の業種追加・経審との関係

業種追加は許可区分にかかわらず1回5万円で複数業種を追加できますが、大臣許可では各営業所での技術者配置が必要となるため、追加コストが膨らみます。経営事項審査(経審)や入札参加資格申請を視野に入れる場合は、評点や有効期限の管理面でも区分の影響を受けるため、経営事項審査入札参加資格の解説もあわせて参照ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 大臣許可と知事許可の違いは何ですか?

違いは「営業所を設置している都道府県の数」のみです。2以上の都道府県に営業所を置く場合は国土交通大臣許可、1つの都道府県内のみに営業所を置く場合は都道府県知事許可となります(建設業法第3条第1項)。許可業種・要件・更新期間(5年)・できる工事の範囲は両者で同一で、取扱い金額や工事エリアの差はありません。

Q2. 知事許可でも他の都道府県で工事できますか?

工事できます。許可区分はあくまで「営業所の設置場所」で決まり、施工エリアの制限ではありません。東京都知事許可の業者が大阪の現場を施工することも、北海道で工事を請負うことも可能です。ただし他県に「営業所」(請負契約の見積・契約締結を行う事務所)を新たに設置する場合は、大臣許可への許可換え新規が必要となります。

Q3. 大臣許可と知事許可で手数料はどう違いますか?

新規申請の手数料は知事許可が9万円、大臣許可が15万円(登録免許税)です。業種追加はどちらも5万円、更新はどちらも5万円で違いはありません。なお手数料は不許可・取下げの場合も返還されないため、申請区分の判定を誤らないことが重要です。

Q4. 知事許可から大臣許可へ変更する手続きは?

「許可換え新規」という申請区分で手続きします。手数料は新規申請と同額の15万円、申請先は本店所在地を管轄する地方整備局となります。既存の知事許可は許可換え新規の許可日に効力を失い、改めて大臣許可として再交付されます。逆に大臣許可から知事許可へ戻す場合(営業所を1都道府県に集約)も同じ許可換え新規の手続きです。

Q5. 大臣許可の審査期間はどれくらいですか?

標準処理期間は約120日(4か月)です。知事許可の約30日と比べて大幅に長く、書類準備期間と合わせると半年程度を見込むのが現実的です。地方整備局への進達を経由する分、補正対応も時間がかかるため、決算変更届の整備や営業所要件の証明資料は申請前にすべて揃えておくことが重要です。

まとめ——「大臣許可=上位」ではなく「営業所の所在地で機械的に決まる」

大臣許可と知事許可の違いは、営業所を設置している都道府県の数だけです。2以上なら大臣許可、1つなら知事許可——この機械的な判定基準が建設業法第3条第1項のすべてです。許可業種・要件・施工エリア・5年の有効期間・請負金額の上限は両者で同一で、上下関係や格付けの差はありません。

実務的に意識すべき違いは、新規申請手数料(15万円vs9万円)・申請先(地方整備局vs都道府県)・審査期間(120日vs30日)の3点に集約されます。さらに営業所ごとに営業所技術者等の常勤配置が必要となるため、大臣許可は人件費負担が増える点も意思決定で見落とせません。

他県進出や本店移転を検討中の方は、まず自社が建設業法上の「営業所」を実態として複数都道府県に持つことになるかを冷静に評価し、必要であれば許可換え新規の申請計画を半年前から進めましょう。書類整備・スケジュール設計に不安がある場合は、行政書士の活用も選択肢です(費用は建設業許可の行政書士費用を節約する方法を参考に)。

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