最終更新日:2026年4月13日|令和6年改正建設業法(2024年12月施行)対応済み
「建設業許可を取りたいけれど、費用はどのくらいかかるのか?」——建設業許可の取得を検討する事業者にとって、費用は最も気になるポイントの一つです。当事務所にも「全部でいくら用意すればいいのか」「行政書士に頼むといくらかかるのか」というご質問が頻繁に寄せられます。
結論から言えば、建設業許可の費用は大きく「行政庁に支払う申請手数料」と「行政書士への報酬」の2つに分かれます。知事許可の新規申請の場合、申請手数料9万円+行政書士報酬10万〜20万円で、トータル約19万〜29万円が相場です。
この記事では、建設業許可にかかる費用について、申請区分ごとの手数料・行政書士報酬の相場・自分で申請する場合のコスト・費用を節約する方法まで、わかりやすく解説します。
この記事でわかること:
- 建設業許可の申請手数料の一覧(新規・更新・業種追加)
- 行政書士に依頼した場合の報酬相場
- 自分で申請する場合にかかる実質コスト
- 建設業許可の費用を節約する5つの方法
- 申請区分ごとの費用比較表
建設業許可の費用の内訳
建設業許可の費用は、以下の2つの要素で構成されます。
| 費用の種類 | 内容 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 申請手数料(法定費用) | 行政庁に支払う手数料。金額は法令で定められており、全国一律 | 5万〜15万円 |
| 行政書士報酬 | 行政書士に書類作成・申請代行を依頼する場合の費用。事務所ごとに異なる | 10万〜20万円 |
このほか、登記事項証明書(600円)・納税証明書(400円)・住民票(300円)など各種証明書の取得費用が数千円程度かかります。ただし、これらは合計でも5,000円前後ですので、全体の費用に大きく影響するものではありません。
申請手数料はいくら?申請区分ごとの一覧
行政庁に支払う建設業許可の申請手数料は、申請区分(新規・更新・業種追加など)と許可の種類(知事許可・大臣許可)によって異なります。以下の表にまとめました。
| 申請区分 | 知事許可 | 大臣許可 |
|---|---|---|
| 新規申請 | 9万円 | 15万円 |
| 更新 | 5万円 | 5万円 |
| 業種追加 | 5万円 | 5万円 |
| 般特新規 | 9万円 | 15万円 |
| 許可換え新規 | 9万円 | 15万円 |
※知事許可の手数料は収入証紙または現金納付(都道府県による)、大臣許可の手数料は登録免許税(新規申請のみ15万円)または収入印紙で納付します。
新規申請の手数料:知事許可9万円・大臣許可15万円
初めて建設業許可を取得する新規申請の場合、手数料は知事許可で9万円、大臣許可で15万円です。
知事許可は1つの都道府県にのみ営業所がある場合に必要な許可で、大臣許可は2つ以上の都道府県に営業所がある場合に必要です。ほとんどの事業者は知事許可に該当しますので、申請手数料は9万円と考えてよいでしょう。
なお、この手数料は一般建設業・特定建設業の区分にかかわらず同額です。また、複数の業種を同時に申請しても手数料は変わりません。たとえば、「とび・土工工事業」と「内装仕上工事業」の2業種を同時に新規申請しても、手数料は9万円のままです。
更新の手数料:5万円
建設業許可の有効期間は5年間です。許可を維持するには、期間満了日の30日前までに更新申請を行う必要があります(建設業法第3条第3項)。更新の手数料は知事許可・大臣許可ともに5万円です。
更新手続きの詳細については「建設業許可の更新とは?手続きの流れ・必要書類・費用を徹底解説」で詳しく解説しています。
業種追加の手数料:5万円
すでに建設業許可を持っている事業者が別の業種の許可を追加する場合、手数料は5万円です。一度の申請で複数の業種を追加しても手数料は5万円のままですので、追加したい業種が複数ある場合はまとめて申請するのがお得です。
業種追加の詳しい手続きや要件については「建設業許可の業種追加とは?手続きの流れと必要な要件を解説」をご覧ください。
行政書士に依頼した場合の費用相場
建設業許可の申請は書類が多く手続きも煩雑なため、行政書士に依頼する事業者が多数です。行政書士の報酬は各事務所が自由に設定するため事務所ごとに異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
| 申請区分 | 行政書士報酬の相場 |
|---|---|
| 新規申請(知事許可・一般) | 10万〜20万円 |
| 新規申請(大臣許可・一般) | 15万〜25万円 |
| 新規申請(特定建設業) | 15万〜25万円 |
| 更新 | 5万〜10万円 |
| 業種追加 | 5万〜10万円 |
| 決算変更届(事業年度終了届) | 3万〜5万円 |
| 各種変更届 | 2万〜5万円 |
※上記は一般的な相場であり、事業者の状況(法人・個人、業種数、営業所数など)や地域によって異なります。
行政書士報酬に含まれるサービス内容
行政書士に依頼した場合、通常は以下のサービスが報酬に含まれます。
- 要件の確認・事前相談:許可要件を満たしているかの診断
- 申請書類の作成:様式に沿った書類一式の作成
- 証明書類の取得代行:登記事項証明書、納税証明書などの代理取得
- 行政庁への申請・提出:窓口での申請手続き
- 補正対応:行政庁からの指摘への対応
事務所によっては、証明書類の取得費用が別途実費となるケースもありますので、見積もりの段階で「報酬に含まれる範囲」を確認しておくことが重要です。
行政書士報酬が変動する要因
行政書士の報酬は、以下の要因によって金額が変わることがあります。
- 法人か個人か:法人の方が書類が多く、報酬が高くなる傾向
- 許可業種の数:業種が増えると技術者の確認作業が増加
- 営業所の数:営業所ごとに営業所技術者等(旧:専任技術者)の確認が必要
- 実務経験での証明:国家資格ではなく実務経験で証明する場合、証明書類の作成が複雑になり追加費用が発生することがある
- 急ぎの対応:通常より短期間での対応を依頼すると割増になるケースがある
自分で申請する場合の費用
「費用を節約したい」「行政書士に依頼するほどでもない」と考え、自分で建設業許可を申請することを検討する事業者もいます。自分で申請する場合にかかる費用は以下のとおりです。
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 申請手数料(知事許可・新規) | 9万円 |
| 登記事項証明書 | 600円 |
| 納税証明書 | 400円 |
| 住民票 | 300円 |
| 身分証明書(本籍地の市区町村) | 300〜400円 |
| 登記されていないことの証明書 | 300円 |
| 合計 | 約9万2,000〜9万5,000円 |
行政書士に依頼しなければ、法定費用の約9万〜10万円だけで建設業許可を取得できる計算になります。行政書士報酬の10万〜20万円を節約できるのは大きなメリットです。
自分で申請する場合のメリット・デメリット
ただし、費用が安いからといって自分で申請するのが必ずしも最善とは限りません。メリット・デメリットを整理しておきましょう。
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 約9万〜10万円 | 約19万〜29万円 |
| 手間・時間 | 書類の作成・収集に数週間〜1か月程度 | 打ち合わせと必要情報の提供のみ |
| 専門知識 | 要件の判断や書類作成に専門知識が必要 | 専門家が判断・作成 |
| リスク | 書類不備による差し戻し・審査遅延のリスク | 不備が少なくスムーズ |
| 本業への影響 | 申請準備に時間を取られる | 本業に集中できる |
特に初めて建設業許可を申請する場合は、建設業許可の5つの要件を正しく判断するのが難しいケースもあり、行政書士に依頼するほうが結果的に効率的なことが多いです。一方、更新手続きのように2回目以降で手順がわかっている場合は、自分で申請して費用を節約するのも現実的な選択肢です。
建設業許可の費用を節約する5つの方法
建設業許可にかかる費用をできるだけ抑えたいという方のために、実務で活用できる5つの節約方法を紹介します。
方法1:複数業種をまとめて申請する
新規申請・業種追加ともに、複数の業種を同時に申請しても手数料は1回分です。たとえば3業種を別々に申請すると手数料だけで27万円(9万円×3回)かかりますが、まとめて申請すれば9万円で済みます。
行政書士に依頼する場合も、まとめて依頼したほうが1業種あたりの報酬が抑えられるケースが多いです。将来的に必要になる業種が見えている場合は、最初からまとめて申請するのが最もコストパフォーマンスの良い方法です。
方法2:更新と業種追加を同時に行う
建設業許可の更新時期に合わせて業種追加を行えば、更新手数料5万円+業種追加手数料5万円の合計10万円で済みます。これに加えて、許可の有効期間を一本化できるため、次回以降の更新手数料も1回分で済むようになります。
更新時期が近い場合は、建設業許可の更新手続きとあわせて業種追加を検討しましょう。
方法3:行政書士への依頼範囲を工夫する
すべてを丸投げするのではなく、自分でできる部分は自分で行い、専門的な判断や書類作成のみ行政書士に依頼する方法があります。具体的には以下のような分担が考えられます。
- 自分で行う:各種証明書の取得(登記事項証明書、納税証明書、住民票など)
- 行政書士に依頼:要件の確認、申請書類の作成、行政庁との対応
証明書類の取得代行を省くことで、数千円〜1万円程度の実費を節約できるケースがあります。依頼前に「どこまで自分でやれば報酬が下がるか」を相談してみるとよいでしょう。
方法4:複数の行政書士事務所から見積もりを取る
行政書士の報酬は事務所ごとに自由に設定されており、同じ申請内容でも事務所によって数万円の差があることは珍しくありません。最低でも2〜3社から見積もりを取り、報酬額だけでなくサービス内容(含まれる範囲、追加費用の有無)も比較することをおすすめします。
ただし、安さだけで選ぶのは禁物です。建設業許可を専門に扱っている事務所のほうが手続きに慣れており、結果的にスムーズに許可が取得できます。
方法5:決算変更届を毎年きちんと提出しておく
建設業許可の保有者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出する義務があります。この届出を怠ると、更新や業種追加の申請時に過年度分をまとめて提出しなければならず、追加の行政書士報酬が発生します。
1年分の決算変更届であれば行政書士報酬は3万〜5万円程度ですが、未提出が数年分溜まると、その分だけ費用が膨らみます。毎年きちんと提出しておくことが、長期的な費用の節約につながります。
申請区分ごとの費用総額まとめ
ここまでの内容を踏まえ、申請区分ごとの費用の総額を一覧表にまとめます。行政書士に依頼した場合と自分で申請した場合の比較にお使いください。
| 申請区分 | 申請手数料 | 行政書士報酬(相場) | 総額の目安 |
|---|---|---|---|
| 新規申請(知事許可) | 9万円 | 10万〜20万円 | 約19万〜29万円 |
| 新規申請(大臣許可) | 15万円 | 15万〜25万円 | 約30万〜40万円 |
| 更新 | 5万円 | 5万〜10万円 | 約10万〜15万円 |
| 業種追加 | 5万円 | 5万〜10万円 | 約10万〜15万円 |
| 新規申請(自分で申請) | 9万円 | 0円 | 約9万〜10万円 |
※証明書類の取得費用(数千円程度)は含んでいません。
建設業許可取得後にかかるランニングコスト
建設業許可は取得して終わりではありません。許可を維持するために継続的にかかる費用があります。長期的な資金計画を立てるために把握しておきましょう。
| 費用項目 | 頻度 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 決算変更届(事業年度終了届) | 毎年 | 行政書士依頼で3万〜5万円/年 |
| 更新申請 | 5年ごと | 10万〜15万円/回 |
| 各種変更届 | 変更の都度 | 行政書士依頼で2万〜5万円/件 |
たとえば5年間のトータルコストを計算すると、決算変更届を毎年行政書士に依頼する場合は年間3万〜5万円×5年=15万〜25万円、これに更新費用10万〜15万円を加えると、5年間で約25万〜40万円のランニングコストが発生します。
許可取得時だけでなく、維持にかかる費用も含めて予算を組んでおくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 建設業許可の申請手数料は分割払いできますか?
申請手数料の分割払いはできません。知事許可の場合は収入証紙または現金、大臣許可の場合は登録免許税(新規)または収入印紙で、申請時に全額を一括で納付する必要があります。
Q. 申請が不許可になった場合、手数料は返還されますか?
申請手数料は返還されません。不許可となった場合でも、納付した手数料は戻ってきません。そのため、申請前に許可要件を満たしているかどうかを十分に確認することが重要です。要件に不安がある場合は、事前に行政書士や行政庁の窓口に相談することをおすすめします。
Q. 一般建設業と特定建設業で申請手数料に違いはありますか?
申請手数料は同額です。知事許可の新規申請は一般・特定ともに9万円、大臣許可の新規申請はともに15万円です。ただし、行政書士報酬は特定建設業のほうが要件確認の作業量が多いため、一般建設業より高くなる傾向があります。
Q. 建設業許可の取得にかかる期間はどのくらいですか?
知事許可の場合は申請から約30日〜45日、大臣許可の場合は約120日が審査期間の目安です。これに加えて、書類の準備期間として2週間〜1か月程度が必要です。行政書士に依頼する場合は、準備期間を短縮できることが多いです。
Q. 個人事業主と法人で費用に違いはありますか?
申請手数料は同額です。ただし、法人は提出書類が多く(定款、登記事項証明書など)、行政書士報酬が個人事業主より2万〜5万円程度高くなる傾向があります。一方、法人のほうが許可要件を満たしやすいケースもあるため、費用だけでなく総合的に判断することが大切です。
まとめ:建設業許可の費用は事前にしっかり把握しておこう
建設業許可の費用について、この記事のポイントをまとめます。
- 建設業許可の費用は「申請手数料」+「行政書士報酬」の2本立て
- 知事許可の新規申請なら、申請手数料9万円+行政書士報酬10万〜20万円でトータル約19万〜29万円
- 自分で申請すれば約9万〜10万円まで費用を抑えられるが、手間とリスクが伴う
- 複数業種のまとめ申請や更新と業種追加の同時申請で手数料を節約できる
- 許可取得後も決算変更届(毎年)や更新(5年ごと)のランニングコストがかかる
- 行政書士に依頼する場合は複数の事務所から見積もりを取るのがおすすめ
建設業許可は、500万円以上の工事を受注するために不可欠な制度です。費用は決して安くありませんが、許可を取得することで受注できる工事の幅が広がり、事業の成長につながる投資と考えることもできます。
「自分の場合、費用はどのくらいかかるのか」「どの業種を取得すべきか」など、具体的な費用や手続きについてのご相談は、建設業許可専門の行政書士にお問い合わせください。許可の要件の確認から費用の見積もりまで、丁寧にご対応いたします。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。