建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「社会保険に入っていないと建設業許可は申請できない」——この理解は、いまや正確です。かつては未加入でも取れた時期がありましたが、制度はすでに切り替わっています。

令和2年(2020年)10月1日施行の改正建設業法で、適切な社会保険への加入が許可の要件に加わりました。新規取得だけでなく更新時にも確認されるため、社保を避けたまま許可業者を続ける道はありません。

ただし「加入義務の中身」は、法人・個人事業主・一人親方で同じではありません。本記事では求められる保険の範囲から、未加入のままだと許可がどうなるか、申請時の確認書類までを整理します。

※令和6年12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では検索される方のわかりやすさを考慮し、旧名称も併記しています。

この記事でわかること:

  • 建設業許可で社会保険の加入が「要件」になった経緯(令和2年10月改正)
  • 対象となる3つの社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)
  • 法人・個人事業主・一人親方で異なる加入義務
  • 社会保険に未加入だと建設業許可はどうなるのか
  • 申請時に必要な社会保険関係の確認書類
  • 未加入から許可取得までの実務ステップ

【先に結論】

  • 令和2年10月から「適切な社会保険への加入」は建設業許可の要件(新規・更新とも)
  • 対象は健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3つ
  • 加入義務の範囲は法人か個人か、従業員数によって変わる
  • 加入義務があるのに未加入なら許可は取得・更新できない
  • 労働者を雇わない一人親方は、国民健康保険・国民年金で「適切に加入」と扱われる場合が多い

建設業許可では社会保険の加入が「要件」になっている

かつては社会保険に未加入でも建設業許可を取得できた時期がありました。しかし、建設業の社会保険未加入問題が業界全体の人材確保・公正競争を阻害しているとして、国土交通省は加入の徹底を進めてきました。その総仕上げとして、令和2年(2020年)10月1日施行の改正建設業法で「適切な社会保険への加入」が許可の要件として明文化されました(建設業法第7条第1号等。社会保険加入の考え方は国土交通省「建設業における社会保険加入対策」も参照)。

これにより、加入義務がある事業者が社会保険に入っていない場合、建設業許可の新規申請も、5年ごとの更新もできなくなりました。社会保険は「入っていればなお良い」ものではなく、「入っていなければ許可業者になれない」必須条件に変わったのです。

対象となる3つの社会保険

建設業許可でいう「社会保険」とは、次の3つを指します。

保険の種類 内容 主な窓口
健康保険 医療保険。協会けんぽ・健康保険組合など 年金事務所・健康保険組合
厚生年金保険 被用者の年金保険 年金事務所
雇用保険 労働者の失業等に備える保険 ハローワーク

ポイントは、「法律上加入する義務があるのに加入していない」場合に要件を満たさないという点です。逆に言えば、もともと加入義務がない事業形態であれば、その保険に入っていなくても要件を満たせます。次章で事業形態ごとの違いを整理します。

社会保険の加入義務は事業形態で変わる

建設業許可で求められる社会保険の加入義務は、「法人か個人事業主か」「従業員が何人いるか」によって変わります。自社がどのケースに当てはまるかをまず確認してください。

事業形態 健康保険・厚生年金 雇用保険
法人(役員のみ・従業員ありを問わず) 強制適用(加入必須) 労働者を雇えば加入必須
個人事業主・常時5人以上 強制適用(加入必須) 労働者を雇えば加入必須
個人事業主・常時5人未満 適用除外(国保・国民年金でも可) 労働者を雇えば加入必須
一人親方(労働者を雇わない) 国保・国民年金で可 対象外

法人の場合

法人は、従業員がいなくても健康保険・厚生年金保険が強制適用です。社長1人だけの会社であっても加入義務があります。労働者を雇用していれば、これに加えて雇用保険への加入も必要です。法人で社会保険未加入のまま許可を申請することは、原則としてできません。

個人事業主の場合

個人事業主は、常時使用する従業員が5人以上か未満かで扱いが分かれます。常時5人以上を雇用していれば健康保険・厚生年金が強制適用になります。一方、従業員が5人未満(4人以下)の個人事業主は健康保険・厚生年金が適用除外となり、国民健康保険・国民年金に加入していれば「適切な加入」と扱われます。ただし、労働者を1人でも雇っていれば雇用保険には加入する必要があります。個人事業主の許可取得全般は個人事業主が建設業許可を取得する方法|要件・費用・法人との違いを解説もご覧ください。

一人親方の場合

労働者を雇わずに自分一人(または家族専従者のみ)で営む一人親方は、健康保険・厚生年金は国民健康保険・国民年金で足り、雇用保険も対象外です。この状態でも社会保険要件はクリアできます。

ただし注意したいのは、行政が「実態として労働者を雇っているのに、一人親方や外注を装っていないか」を確認する点です。実態が雇用であれば社会保険の加入義務が生じます。形式だけ外注にして社会保険を逃れる運用は、許可審査でもCCUSの普及局面でも通用しなくなっています。一人親方を取り巻く環境はCCUSは一人親方も登録すべき?元請けからの圧力・登録メリット・登録しない選択肢の現実もあわせてご確認ください。

社会保険に未加入だと建設業許可はどうなる?

加入義務があるのに社会保険に未加入の場合、建設業許可には次の影響が出ます。

場面 未加入の場合の扱い
新規申請 要件を満たさず、許可を取得できない
更新申請 要件を満たさず、更新できない(=許可が失効するおそれ)
業種追加・各種変更 加入状況が確認され、未加入なら手続きに支障

特に見落とされがちなのが更新です。令和2年10月より前に許可を取った事業者でも、更新のタイミングで社会保険の加入状況が確認されます。「昔は未加入でも取れたから大丈夫」という認識のままでいると、更新の段階で要件を満たせず慌てることになります。更新の流れは建設業許可の更新とは?手続きの流れ・必要書類・費用を徹底解説、更新を逃した場合のリスクは建設業許可の更新忘れで失効したら?再取得の流れと空白期間の業務制限で解説しています。

未加入が判明した場合は、加入手続きを行い、加入を証明できる状態にしてから申請するのが基本です。保険料の遡及(さかのぼっての納付)が発生するケースもあるため、資金面も含めて早めに着手することをおすすめします。許可が下りない原因の整理は建設業許可が下りない10の理由と不承認を回避する完全対策ガイドも参考になります。

建設業許可申請で必要になる社会保険関係の確認書類

建設業許可の申請では、申請書に「健康保険等の加入状況」を記載するとともに、加入を確認できる資料を求められます。代表的な確認資料は以下のとおりです(許可行政庁により様式・運用に差があります)。

保険 主な確認資料の例
健康保険・厚生年金 保険料の納入に係る領収証書、納入証明書、社会保険料納入確認書など
雇用保険 労働保険概算・確定保険料申告書の控えと領収済通知書、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書など
適用除外の場合 適用除外であることがわかる資料(個人・5人未満であることの確認など)

これらは申請の直前に慌てて集めようとすると、年金事務所やハローワークでの取得に時間がかかることがあります。許可取得までの全体像は建設業許可の取り方を完全ガイド|申請の流れ・必要書類・費用・期間を解説、5つの要件の全体は建設業許可の要件とは?取得に必要な5つの条件をわかりやすく解説で確認しておくと、社会保険の準備も逆算しやすくなります。

社会保険未加入から建設業許可取得までの実務ステップ

「これから許可を取りたいが社会保険が未整備」という事業者は、次の順序で進めると無駄がありません。

ステップ1:自社の加入義務を確定する

法人か個人か、従業員数、雇用の実態を整理し、健康保険・厚生年金・雇用保険のどれに加入義務があるかを確定します。ここを誤ると、後の手続きがすべてずれます。

ステップ2:未加入の保険に加入する

加入義務があるのに未加入の保険について、年金事務所・ハローワークで加入手続きを行います。保険料の遡及や、従業員への説明が必要になる場合もあるため、計画的に進めます。

ステップ3:加入を証明できる資料をそろえる

納入証明書や領収済通知書など、加入を客観的に示す資料を取得します。許可申請の確認資料としてそのまま使えます。

ステップ4:他の4要件とあわせて許可申請する

社会保険はあくまで許可要件の一部です。経営業務の管理責任者・営業所技術者等(旧:専任技術者)・財産的基礎・欠格要件など他の要件とあわせて、申請を進めます。

社会保険は「コスト」ではなく人材確保の仕組み

社会保険の加入を「負担が増えるだけ」と捉える経営者は少なくありません。しかし、職人不足が深刻化する建設業界では、社会保険が整っているかどうかが、若手の採用・定着を左右する時代になっています。保険のない現場に、これからの世代は来てくれません。

建設業は他産業に比べてデジタル化や制度対応が遅れがちな業界です。だからこそ、社会保険・建設業許可・CCUSといった「仕組み」を先に整えた事業者ほど、人も仕事も集まりやすくなります。やる気や根性ではなく、仕組みで人材を確保する——これが2026年以降に生き残る建設業者の考え方だと、当事務所は考えています。社会保険はCCUSや経営事項審査とも連動するため、あわせてCCUSは経営事項審査で加点される?最大15点アップを狙うW評価の仕組みもご覧ください。

建設業許可と社会保険に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 社会保険に未加入でも建設業許可は取れますか?

加入義務があるのに未加入の場合は取得できません。令和2年10月の改正建設業法で「適切な社会保険への加入」が許可要件になったためです。ただし、もともと加入義務のない事業形態(個人・5人未満で国保加入、労働者を雇わない一人親方など)であれば、その保険に入っていなくても要件を満たせます。

Q2. 一人親方ですが、社会保険に入らないと建設業許可は取れませんか?

労働者を雇わない一人親方は、国民健康保険・国民年金に加入していれば健康保険・厚生年金の要件を満たし、雇用保険も対象外のため、これだけで社会保険要件はクリアできます。ただし、実態として人を雇っているのに一人親方を装っている場合は、加入義務が生じるため注意が必要です。

Q3. 法人で社長1人だけでも社会保険に入る必要がありますか?

はい。法人は従業員の有無にかかわらず健康保険・厚生年金保険が強制適用です。社長1人の会社(いわゆる一人社長の法人)でも加入義務があり、未加入のままでは建設業許可を取得できません。

Q4. 個人事業主は従業員が何人から社会保険が必須になりますか?

常時5人以上の従業員を使用する個人事業主は、健康保険・厚生年金保険が強制適用になります。5人未満(4人以下)であれば適用除外で、国民健康保険・国民年金で要件を満たせます。なお、労働者を1人でも雇っていれば、従業員数にかかわらず雇用保険には加入が必要です。

Q5. 更新のときも社会保険の加入は確認されますか?

確認されます。新規取得時だけでなく、5年ごとの更新時にも社会保険の加入状況がチェックされます。令和2年10月より前に取得した許可でも、更新のタイミングで未加入だと更新できず、許可が失効するおそれがあります。

Q6. 社会保険に未加入だったことが申請後に発覚するとどうなりますか?

加入義務があるのに未加入であれば要件を満たさないため、加入手続きを行い、加入を証明できる状態にしてから申請し直すことになります。保険料の遡及納付が発生する場合もあるため、申請前に自社の加入状況を正確に確認しておくことが重要です。

建設業許可と社会保険のことなら行政書士へ

社会保険は、建設業許可の5要件の中でも「自社が何に加入すべきか」の判断が分かれやすく、法人・個人・従業員数・雇用実態によって扱いが変わる、つまずきやすい領域です。未加入のまま申請して差し戻されたり、更新直前に発覚して慌てたりするケースは少なくありません。

加入状況の棚卸しから、手続きの段取り、申請に必要な確認書類の準備、経営業務管理責任者・営業所技術者等といった他要件の確認まで、当事務所は一つの窓口で対応します。「未加入だが許可を取りたい」「更新前に社保が心配」という方は、初回相談で加入義務の範囲と取得までの道筋を具体的にお伝えしますので、遠慮なくご相談ください。

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