建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

最終更新日:2026年5月5日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)対応済み

建設業許可を取りたいが、自己資本が500万円に届かない」「銀行の残高証明書で要件を満たせると聞いたが、いつ取ればいいのか分からない」——当事務所に寄せられる相談のなかでも、財産的基礎に関する質問は経営事項審査関連と並んで圧倒的に多いテーマです。

結論から申し上げると、建設業許可の財産的基礎は「決算書の純資産」または「申請直前の銀行残高」のいずれかで500万円以上を示せば足り、借入金や見込みの売掛金は使えません。一般建設業と特定建設業では立証ハードルがまったく違い、特に特定建設業許可の自己資本4,000万円要件は決算が締まってからでは間に合わないため、年度の早い段階で仕組みとして整えておく必要があります。

この記事では、令和6年12月施行の改正建設業法に対応した最新の財産的基礎要件を、現役行政書士の視点から整理します。一般・特定の差、500万円の3つの証明方法、残高証明書の落とし穴、特定建設業の4要件の維持戦略まで、不承認や補正で時間を失わないための実務情報をまとめました。

この記事でわかること:

  • 建設業許可の財産的基礎要件の全体像と法令上の根拠(建設業法第7条第4号・第15条第3号)
  • 一般建設業の「自己資本500万円以上」「資金調達能力500万円以上」「許可継続5年以上」3つの立証方法
  • 特定建設業の財産的基礎4要件(資本金・自己資本・流動比率・欠損比率)の中身
  • 残高証明書の取得タイミング・有効期限・銀行ごとの発行手数料
  • 不承認・補正の典型例5つと回避手順
  • 個人事業主・新設法人が財産的基礎をクリアする実務ノウハウ

目次

建設業許可の「財産的基礎」とは?

財産的基礎とは、建設工事を請け負うにあたって発注者・下請業者・労働者に対する支払いを継続的に履行できる金銭的な体力を、許可申請時点で備えていることを示す要件です。建設業法第7条第4号(一般建設業)および第15条第3号(特定建設業)が根拠条文で、建設業許可の要件とは?取得に必要な5つの条件で整理した5つの許可要件の中でも、もっとも数値で機械的にチェックされる項目です。

「やる気」や「経験」では覆せない定量要件であるため、業績悪化局面で許可を取得・更新したい事業者にとって最大のハードルになります。逆にいえば、申請時点で要件を満たすよう数字を整えておけば、書類審査で不承認になる余地が極めて小さい項目でもあります。

一般建設業と特定建設業で要件が大きく異なる

財産的基礎は一般建設業と特定建設業でハードルが大きく違います。下請として工事を受注する一般建設業は500万円水準で済む一方、元請として下請に大規模発注する特定建設業は4,000万円水準が要求され、ほぼ別物の要件と理解する必要があります。両区分の違いの全体像は特定建設業許可とは?一般建設業許可との違い・要件・取得方法をわかりやすく解説で解説しています。

区分 必要な財産的基礎 立証書類
一般建設業 次のいずれか1つ
・自己資本500万円以上
・500万円以上の資金調達能力
・許可申請直前5年間継続して営業した実績
・直前決算の貸借対照表
・申請日前1か月以内の残高証明書
・既存許可通知書の写し
特定建設業 次の4要件すべてを直前決算で充足
・欠損の額が資本金の20%以下
・流動比率75%以上
・資本金2,000万円以上
・自己資本4,000万円以上
・直前決算の貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・注記表

特定建設業は申請時の残高証明では代替できない点が最大の違いです。決算が締まった時点の数字でしか立証できないため、決算前の準備が成否を分けます。

なぜ「500万円」なのか — 法令上の根拠と趣旨

一般建設業許可で要求される500万円という金額は、建設業法施行規則第7条第3号で具体的に定められています。背景にあるのは、建設業法第3条が定める軽微な建設工事(請負金額500万円未満、建築一式は1,500万円未満かつ延べ150㎡未満の木造住宅)の上限金額との連動です。許可不要の工事規模を超える工事を請け負う以上、最低限その水準の取引を継続できる資金体力が必要、という考え方が根拠になっています。

なお、令和6年12月13日施行の改正建設業法では、軽微な建設工事の上限が引き上げられ、建築一式以外の工事では1,500万円、建築一式工事では3,000万円(または延べ200㎡未満の木造住宅)に変更されました。一方で、財産的基礎の500万円・4,000万円基準は据え置きとなっています(国土交通省の改正建設業法の概要(国土交通省)参照)。改正後の軽微工事ラインの詳細は軽微な建設工事とは?500万円ルールの最新版を解説もご参照ください。

一般建設業:500万円の3つの証明方法

一般建設業許可の財産的基礎は、以下3つの方法のいずれか1つで立証すれば足ります。複数を併用する必要はなく、自社の状況に応じてもっとも提出が容易な書類を選択します。

方法1:自己資本500万円以上(決算書で証明)

自己資本とは、貸借対照表の純資産合計のことです。法人の場合は資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式等を合算した金額で、直前決算の貸借対照表で500万円以上を示せれば要件充足となります。注意点として、過去の繰越損失や役員貸付金は純資産を圧縮する要因となるため、決算前の数字管理が重要です。

個人事業主の場合は、青色申告決算書(または収支内訳書)の貸借対照表における「期首資本金+事業主借勘定+利益留保性引当金+準備金-事業主貸勘定」の合計が純資産に相当します。生活費引き出しが事業主貸勘定として大きく計上されているとマイナス要素になるため、建設業許可は個人事業主でも取れる?要件・手続きを解説で個別の論点も確認してください。

方法2:500万円以上の資金調達能力(残高証明書で証明)

直前決算の純資産が500万円に届かない場合は、銀行の残高証明書で資金調達能力を立証します。新設法人や赤字決算が続いている事業者にとって、もっとも現実的な選択肢です。

具体的な提出書類は次のいずれかになります(都道府県により扱いに差異あり)。

  • 残高証明書:申請日前1か月以内の発行のもの。申請会社(または個人事業主の事業主名義)の口座残高が500万円以上であること
  • 融資証明書:取引金融機関が発行した、500万円以上の融資が可能である旨の証明書
  • 不動産評価額証明書+金融機関の融資見込書:自社所有不動産を担保とする融資を組み合わせるパターン(一部の都道府県で受理)

もっとも一般的なのは残高証明書です。複数の口座を合算して500万円とする扱いも多くの都道府県で認められていますが、役員個人や代表者個人の口座は使えません(申請主体が法人の場合)。法人申請であれば必ず法人名義の口座、個人事業主であれば事業主名義(屋号付き口座を含む)の残高で揃える必要があります。

方法3:許可申請直前5年間継続して営業した実績

過去5年以上、建設業許可を継続して保有していた事業者は、その実績そのものが財産的基礎の充足を裏付けると扱われます。許可更新のたびに財産的基礎を新たに立証する必要がない、ということでもあります。

同様に業種追加の場面でも、既存許可の継続営業が5年以上であれば追加業種の財産的基礎は自動的に充足とみなされます。詳細は建設業許可の業種追加とは?手続きの流れ・必要書類・費用を行政書士が完全解説で整理しています。

残高証明書で500万円を証明する具体的手順

新規取得や決算書では届かないケースで使われるのが残高証明書ですが、有効期限・記載要件・名義の3点で躓く事例が後を絶ちません。実務上の注意点を整理します。

取得タイミング:申請日前1か月以内が鉄則

残高証明書の有効期限は、申請日前1か月以内とする運用が大半です。書類一式(営業所技術者等の証明、経管の証明、各種届出など)が揃いきる目処がついた段階で、最後に取得するのが安全です。早く取りすぎると期限切れで再取得・再手数料となり、余計なコストが発生します。

残高証明書に記載すべき項目

銀行発行の残高証明書には、以下の項目が記載されている必要があります。発行依頼の際には窓口で「建設業許可申請に使う」旨を伝えると確実です。

  • 申請者名義(法人名・個人事業主名)
  • 金融機関名・支店名
  • 口座番号
  • 証明日時点の残高(500万円以上)
  • 発行年月日
  • 金融機関の証明印

銀行ごとの発行手数料の目安

残高証明書の発行手数料は銀行・支店によって異なります。複数口座の合算時は口座ごとに発行される場合があるため、事前に必要枚数と総額を確認してください。

金融機関種別 発行手数料の目安(1通あたり) 発行所要日数
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ) 770円〜1,100円 窓口当日〜3営業日
地方銀行・信用金庫 880円〜1,650円 窓口当日〜1週間
ネット銀行(PayPay銀行・楽天銀行など) 440円〜1,100円 郵送3〜10日

ネット銀行の郵送日数は審査スケジュールを大きくずらす要因になるため、急ぎの申請では窓口対応のメガバンク・地方銀行を選ぶのが定石です。

特定建設業:4要件すべての満たし方

特定建設業許可の財産的基礎は、直前決算で4要件すべてを満たす必要があります。1つでも欠ければ許可は下りません。残高証明書による代替もできないため、決算前の数字管理が最重要となります。

要件 計算式・基準 未充足時の典型対策
欠損の額が資本金の20%以下 繰越利益剰余金のマイナス額 ≦ 資本金 × 20% 増資、利益剰余金の改善、資本準備金の取崩し
流動比率75%以上 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 ≧ 75% 短期借入金の長期借入金への借換え、回収サイトの短縮
資本金2,000万円以上 登記簿上の資本金 ≧ 2,000万円 増資(株主割当・第三者割当)
自己資本4,000万円以上 純資産合計 ≧ 4,000万円 増資、利益剰余金の積み上げ、デット・エクイティ・スワップ

特に流動比率は短期借入金の構成で大きく動くため、運転資金を短期借入で賄っている事業者は要注意です。決算月の3か月前には試算表で当該比率を確認し、必要に応じて借換えや返済繰延を金融機関と協議しておくことをおすすめします。改正建設業法での労務費確保義務化(2024年12月施行)により下請への支払サイト管理が一段と厳格化されたため、流動比率の維持はコンプライアンス観点でも重要性を増しています。

不承認・補正を避ける財産的基礎の落とし穴 5選

当事務所が過去に巻き戻しを依頼された案件から、財産的基礎で不承認・補正となる典型パターンを5つ抽出しました。事前に潰しておけば、書類往復による1〜2か月の遅延を確実に避けられます。

落とし穴1:残高証明書の有効期限切れ

営業所技術者等の実務経験証明書類の整備に予想外の時間がかかり、申請段階で残高証明書が1か月の期限を超過する事例が最多です。申請日のFIX前に取得すると失敗します。

落とし穴2:借入金で「資金調達能力」を主張する誤解

「銀行から500万円借りられるから財産的基礎は満たす」と誤解して申請する事業者がいますが、借入金そのものは自己資本に算入できません。残高証明書(着金後の口座残高)または融資証明書(金融機関発行の確約書)で立証しなければ、書類は受理されません。

落とし穴3:決算書の純資産の見方を間違える

「資本金が500万円あるから大丈夫」と勘違いしているケースも多いですが、判定対象は純資産合計であり、資本金単独ではありません。過去の繰越損失で純資産が500万円を割っていれば、資本金が1,000万円あっても要件未充足です。

落とし穴4:増資のタイミングを見誤る

増資による資本充実は強力な手段ですが、増資の効力発生は登記完了後であり、申請時点で履歴事項全部証明書に反映されている必要があります。決算後の駆け込み増資は登記完了まで2〜3週間を要するため、申請スケジュールから逆算して計画する必要があります。

落とし穴5:個人事業主の事業主借・事業主貸の扱い

個人事業主の青色申告決算書では、生活費引き出し(事業主貸)と個人資金投入(事業主借)が貸借対照表に並びます。事業主貸が大きく計上されていると純資産が縮小するため、決算前の引き出しを抑える運用が肝要です。判断に迷う場合は、不承認回避の観点から建設業許可が不承認になる理由と対処法と合わせてご確認ください。

申請前に整える「仕組み」— 行政書士の視点

財産的基礎要件は、決算が締まってから慌てても間に合わないことが大半です。建設業はデジタル化が遅れている業界と言われますが、許可周りの数字管理こそ仕組みで先回りできれば、競合との差は確実に開きます。当事務所が顧問先に推奨している実務ルーティンを4つご紹介します。

  1. 決算3か月前の試算表チェック:純資産・流動比率・欠損比率を試算し、特定建設業更新の年度は早期にアラートを上げる
  2. 役員貸付金の年度内回収:純資産を実質的に縮小させる科目のため、決算月までに精算する
  3. 運転資金の長期借入化:短期借入で運転資金を回している場合、流動比率改善のため長期借入への借換えを金融機関と協議
  4. 残高証明書取得タイミングの逆算:申請日FIXから1か月以内に必ず収まるよう、書類一式の整備順を逆算スケジュール化する

これらは「やる気」で解決する話ではなく、カレンダーと試算表でチェックする仕組みを作るかどうかの問題です。AIや会計ソフトの普及で数値の可視化は容易になりましたが、許可申請における「使える数字/使えない数字」の判別は、建設業法と都道府県運用ルールを把握した行政書士でなければ正確に行えません。

具体的な行政書士への依頼費用や、自社で進めるか専門家に依頼するかの判断軸については、建設業許可の行政書士費用を節約する7つの方法建設業許可を自分で申請する手順と注意点を併せてご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 建設業許可の財産的基礎で必要な500万円は、自己資金でなくてもよいですか?

一般建設業許可の場合、自己資本500万円以上であるか、500万円以上の資金調達能力を証明できれば要件を満たします。資金調達能力は申請日前1か月以内の銀行残高証明書、もしくは融資証明書(金融機関発行)で立証するのが一般的です。借入金そのものを自己資本に算入することはできず、あくまで純資産合計または銀行口座の残高で500万円以上を示します。

Q2. 残高証明書はいつ取得すればよく、有効期限はどれくらいですか?

残高証明書の有効期限は、多くの都道府県で申請日前1か月以内と定められています。申請日から逆算して書類一式が整う直前に取得するのが安全で、早く取りすぎると期限切れで取り直しになります。発行手数料はメガバンクで770円〜1,100円程度、信用金庫・地方銀行で880円〜1,650円程度が目安です。

Q3. 前期の決算書で純資産が500万円を割っていても、許可は取得できますか?

一般建設業許可であれば、自己資本500万円を満たさなくても申請日前1か月以内の残高証明書で500万円以上を示せば要件を満たします。決算書と残高証明書のどちらか一方で立証すれば足り、両方を提出する必要はありません。ただし特定建設業許可では「自己資本4,000万円以上」が直前決算で必須となり、残高証明書では代替できません。

Q4. 個人事業主でも建設業許可の財産的基礎要件は満たせますか?

個人事業主でも一般建設業許可の取得は可能で、財産的基礎要件は「期首資本金+事業主借勘定+利益留保性引当金+準備金-事業主貸勘定」の合計が500万円以上か、事業主名義(屋号付き口座を含む)の残高証明書で500万円以上を示せば充足します。事業主貸勘定はマイナス要素になるため、決算前の引き出し管理が重要です。

Q5. 特定建設業許可の財産的基礎を満たせない場合、一般のまま事業を続けられますか?

可能です。特定建設業許可は元請として下請に5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事を発注する場合に必要となるため、自社施工または下請発注額が基準未満であれば一般建設業許可のまま継続できます。財産的基礎が悪化した場合は更新拒否となり、許可は一般のみへ縮小されます。受注計画と決算数値を毎年見直し、計画的に資本充実を図ることが重要です。

まとめ:財産的基礎は「決算前から仕組みで整える」要件

建設業許可の財産的基礎は、定量要件であるからこそ、申請間際の追い込みでは間に合いません。一般建設業許可であれば残高証明書で柔軟に対応できますが、特定建設業許可は決算が締まってからでは手の打ちようがありません。経営事項審査スコアにも純資産・流動比率は直結するため、許可申請のためだけでなく経審・入札参加資格の競争力強化にも財産的基礎の早期管理は欠かせません。経審との連動は経営事項審査(経審)とは?評点アップの実務もあわせてご覧ください。

「決算前に試算表を見るだけ」「役員貸付金を年度内に精算するだけ」——これらの仕組みを回しておくだけで、不承認・補正のリスクは大幅に下がります。財産的基礎の判定や残高証明書の取得タイミングでご不安があれば、当事務所の無料相談にてお気軽にご相談ください。許可取得後の更新・経審・業種追加・事業承継まで、行政書士の視点で建設業許可ライフサイクル全体のサポートが可能です。

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