最終更新日:2026年7月29日|改正建設業法(承継認可制度・法第17条の2、第17条の3)および埼玉県 建設業許可申請・届出の手引き(令和8年4月版 第7章・第12章)に基づく
この記事の結論(先に要点だけ):越谷市の建設業許可は、「承継認可」を受ければ許可番号ごと次の代へ引き継げます。取り直しではありません。
期限は類型で違います。事業譲渡・合併・分割は効力発生日の前日までに認可(事前認可)、相続は被相続人の死亡後30日以内に申請です。
提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課 建設業担当。越谷市は中核市ですが、建設業許可の権限は市に移譲されていません。
埼玉県は手引きで「承継の事実発生日の30日前までに申請完了」を求め、持参による受付のみ・郵送および電子申請は不可・申請手数料は無料です。
旧日光街道の越ヶ谷。120年の歴史を持つ古民家を改修した「はかり屋」の蔵と、明治後期から大正にかけて建てられた木下半助商店の店構えが、いまも通り沿いに残ります。
徳川家康が慶長9年(1604年)に越ヶ谷御殿を設けた土地であり、日本橋から数えて3番目の宿場町として人と荷が行き交ったまちです。
その街道筋の建物も、古利根川と綾瀬川に挟まれ元荒川が貫く低平地に広がる住宅も、手を入れ続けてきたのは市内の工務店と職人でした。
屋根を葺き替え、水回りを直し、擁壁と排水を打ち直す。その仕事を次に誰が回すのか——いま越谷の経営者の前に置かれているのは、この問いです。
畳むか、渡すか。判断の前に確かめるべき一点は建設業許可を引き継げるかで、答えは「引き継げます」です。ただし順序と期限を外すとその道は閉じるため、この記事はそこから順に解きます。
この記事でわかること(先に結論):
- 越谷市で承継の相談が動き出す3つの典型場面(代表交代の日取りが先に決まる/個人事業主の急逝/第三者から買収の打診が来る)
- 「許可は取り直し」は誤解——承継認可で許可も許可番号も経営事項審査の結果も引き継げること
- 許可を引き継ぐ3類型(事業譲渡/合併・分割/相続)の違いと、それぞれの必要書類
- 混同しやすい「4つの30日」の書き分け(法定の認可期限/埼玉県の申請完了期限/相続の30日以内/更新の30日前)
- 越谷市の事業者の提出先(埼玉県庁 建設管理課)と、中核市・越谷県土整備事務所という2つの取り違えポイント
- 承継で失敗する典型パターンと、行政書士に依頼して得られるもの・費用の目安
目次
越谷市で承継の相談が動き出す典型場面

越谷市は埼玉県東部の中核市です。市公式の集計では、令和8年(2026年)7月1日現在で341,443人・166,326世帯となっています。
数値は基準日で動くため、最新値は市公式でご確認ください(越谷市公式「人口と世帯数」/総合政策部 政策課統計担当)。
16万世帯を超える住宅都市であることは、そのまま改修・建替え・設備更新・解体の需要が厚いことを意味します。地場の工務店・専門工事業者にとって、これが年間を通じた仕事の土台です。
市の姿をもう少し押さえておきます。越谷市は平成27年(2015年)4月1日に中核市へ移行し、埼玉県から2,000項目を超える事務が移譲されました。
移譲の中心は福祉・保健衛生・環境の分野で、市が独自に保健所を設置しています(越谷市公式「中核市への移行までの経緯」)。
ここが越谷の建設業者にとって最初の落とし穴です。中核市であっても、建設業許可と承継認可の権限は市に移譲されていません。窓口は後述のとおり埼玉県庁です。
まちの歴史の核は、日光街道の宿場町「越ヶ谷宿」です。日本橋から数えて3番目の宿場町として栄えました。
旧日光街道沿いには、古民家を改修した複合施設「はかり屋」や、江戸時代から営業する道具店「木下半助商店」が残ります(越谷市公式「日光街道越ヶ谷宿」)。
交通は鉄道が主軸です。東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)が新越谷・越谷・北越谷・大袋・せんげん台を結び、JR武蔵野線が南越谷・越谷レイクタウンを通ります。
市外の人ほど取り違えますが、南越谷駅(武蔵野線)と新越谷駅(東武線)は別の駅名でありながら隣接する乗換拠点で、いずれも越谷市内にあります。
道路は国道4号と国道463号の2本の国道が市内を走ります。市域は東縁を古利根川に、西縁を綾瀬川に挟まれ、中央を元荒川が貫流する低平地という地形上の特徴を持ちます。
隣接するのは、さいたま市・春日部市・川口市・草加市・吉川市・松伏町です。市内の職人は、この隣接自治体の現場にも日常的に入っています。
つまり越谷の地場業者が抱えているのは、市内の住宅ストックと、広域で入る元請現場の両方です。この二重の受注基盤が、承継の場面で価値になります。
場面1|代表交代の日取りだけが先に決まっている
最も多いのがこの相談です。株主総会の日程や登記の予定は決まっているのに、許可をどう動かすかが決まっていません。
ここで危険なのが、法人の代表者交代と、建設業許可の承継認可を混同することです。この2つはまったく別の手続きです。
同じ法人のまま代表者だけを交代する場合、必要なのは変更届であって承継認可ではありません。逆に、会社そのものを分ける・譲る場合は承継認可が要ります。
後者で登記を先に済ませてしまうと、遡って認可を受けることはできません。日取りが決まった段階での相談が、いちばん選択肢を残せます。
場面2|個人事業主の急逝で、現場が止まりかける
越谷市内には、個人事業のまま数十年続けてきた職人系の事業者が数多くあります。その事業主が急逝すると、期限は死亡後30日で走り出します。
相続による承継認可は事後申請ですが、30日を1日でも過ぎれば認可の道は閉じます。残る道は新規許可の取り直しで、要件の立て直しに時間がかかります。
葬儀と法要のさなかに書類を整える負担は小さくありません。だからこそ、事業主の存命中に「もしもの日の段取り」を紙にしておく価値があります。
場面3|第三者から買収・提携の打診が届く
許可・経営事項審査の実績・取引口座がそろった会社には、同業や異業種から打診が届きます。越谷は都心方面へ人を出せる立地のため、この動きが起きやすいエリアです。
打診を受けてから慌てるのは、株価や条件よりも許可が引き継げる状態かという点です。一般と特定の区分、営業所技術者等の常勤性が論点になります。
技能者の見える化とCCUS登録については越谷市のCCUS登録代行で解説しています。買い手が見る材料のひとつです。
建設業許可を引き継ぐ3類型|譲渡・合併/分割・相続

2020年10月施行の改正建設業法により、建設業許可は許可行政庁の承継認可を受けて引き継ぐ仕組みになりました(建設業法第17条の2・第17条の3)。
制度の趣旨は、国土交通省の資料に明快に書かれています。改正前は「新しい許可が下りるまでの間に建設業を営むことができない空白期間が生じ、不利益が生じていた」という状態でした。
改正後は「事前の認可を受けることで、建設業の許可を承継することが可能に」なりました(国土交通省「建設業者の地位の承継について(建設業法第17条の2・3)」)。
埼玉県の手引き第12章は、承継の対象を「建設業者としての地位」と表現し、これを「建設業の許可を受けたことによって発生する権利と義務の総体」と説明しています。
ここには許可だけでなく、承継元が受けた監督処分や経営事項審査の結果も当然に含まれます。公共工事に参加してきた会社にとって、経審を積み直さずに済む意味は大きいものがあります。
なお法に定める罰則は違法行為を実際に行った者に適用されるため、違法行為そのものは承継の対象になりません(埼玉県 手引き 第12章 許可の承継)。
類型①|事業譲渡(法人成りもここに入る)
事業譲渡には、会社間の譲渡だけでなく個人事業主が生前に行う事業承継、そして個人事業の法人化(いわゆる法人成り)も含まれます。
越谷市内で「父の個人事業を、息子が作った法人に移す」という形は、この類型にあたります。相続ではありません。
法人成りで特に注意すべきは、承継予定日が社会保険等の資格取得日となっていることです。ここがずれると許可要件が途切れ、認可が危うくなります。
類型②|合併・分割
法人の合併と分割も、事前認可の対象です。消滅する法人・分割する事業の範囲を確定させたうえで、承継後の許可の姿を設計します。
会社分割では、承継させる事業と許可の範囲を明確にする必要があります。建設業の全部を承継させることが条件なので、切り分け方そのものが論点になります。
類型③|相続(個人事業に限る)
相続による承継認可は個人事業に限られます。法人の代表者が亡くなった場合は相続の承継認可ではなく、役員変更等の届出で対応します。
期限は被相続人の死亡後30日以内に申請(建設業法第17条の3)。認可の申請をした場合、その申請に対する処分があるまでは相続人は建設業の許可を受けたものとして扱われます。
この「みなし」があるおかげで、無許可の空白を作らずに現場を続けられます。ただし前提は、30日以内に申請が受理されていることです。
| 承継の類型 | どんな場面か | 期限の性格 |
|---|---|---|
| 事業譲渡 | 会社間の事業譲渡、個人事業主の生前の事業承継、法人成り | 事前認可。効力発生日の前日までに認可が必要 |
| 合併 | 法人同士の合併(吸収合併・新設合併) | 事前認可。効力発生日の前日までに認可が必要 |
| 分割 | 会社分割で建設業部門を切り出す・移す | 事前認可。効力発生日の前日までに認可が必要 |
| 相続 | 個人事業主が死亡し、相続人が事業を継ぐ | 事後認可。死亡後30日以内に申請 |
承継認可が通るための5つの要件
埼玉県の手引き第12章は、承継認可の要件を次の5点に整理しています。日程だけでなく、中身の条件も早めに点検してください。
- 承継の事実が発生する前に申請を行い、認可を受ける(相続を除く。遡っての認可は不可)
- 建設業の全部を承継先に承継させる(一部の業種のみは不可。申請前に一部業種を廃業し、残りを全部承継させるのは可)
- 同一業種で一般・特定が重複しない(重なる業種は一般・特定の区分が同じときに限り承継可能)
- 承継後の全業種で承継先が許可要件を満たす(営業所技術者等の配置を含む)
- 承継予定日まで許可要件が途切れていない(常勤役員等・営業所技術者等の常勤性)
3つ目の一般・特定については、国土交通省の資料も同じ整理です。異業種間の承継は可、同一業種でも一般・特定の区分が同じなら可、一部のみの承継は不可とされています。
重なる業種の区分が違う場合は、どちらかが事前にその業種を廃業すれば承継が可能になります。設計次第で道が開くところです。
4つ目に関連して、承継予定日以降の営業所技術者等は原則として従前の者が引き続き常勤している必要があります。人を入れ替える前提の承継は、そのままでは通りません。
承継予定日時点で営業所技術者等を変更する場合は、承継の日から2週間以内に変更届を提出します。認可が下りて終わりではない点に注意してください。
承継後の許可期間は「5年と1日」、許可番号は原則承継元
承継日から承継先の許可が有効になります。有効期間の起算点は、承継前の残存期間にかかわらず承継の日の翌日です(法第17条の2第7項)。
このため、承継のあと最初に行う更新までの許可期間は5年と1日になります。手引きにも明記された扱いです。
許可番号は原則として承継元のものを使用します。承継前から承継先も埼玉県知事許可を受けている場合は、どちらを使うか認可申請書で選択できます。
ただし一度選択した許可番号は変更できません。取引先への通知や名刺・看板の表記にも関わるため、選択は慎重に決めてください。
認可通知書は全ての申請者に郵送されますが、再発行はできません。認可をしたことについての証明書も発行されないため、保管方法まで後継者に引き継いでおきます。
承継の事実発生後であれば、窓口で「建設業許可証明書」を発行できます(手数料400円/枚)。
制度の全体像は建設業許可の事業承継認可(譲渡・合併・分割・相続)、類型別には建設業の事業譲渡による承継・建設業の合併と承継認可で解説しています。
会社分割は建設業の会社分割と承継認可、相続は建設業許可の相続による承継、個人事業のケースは建設業の個人事業の事業承継をご覧ください。
越谷市の事業者が混同しやすい「4つの30日」

承継の相談でいちばん事故が起きるのが、期限の取り違えです。建設業の承継まわりには意味の違う「30日」が4つあります。
どれも数字は30日ですが、認可の期限・申請完了の期限・事後申請の期限・更新の期限と性格がまったく違います。順に切り分けます。
30日その1|法定の期限は「効力発生日の前日までに認可」
まず押さえるべきは、法定の期限に「30日前」という数字はないことです。事業譲渡・合併・分割は「あらかじめ」認可を受ける制度です。
埼玉県の手引きも「承継の事実が発生した後に遡って認可することはできません」と明記しています。つまり効力発生日の前日までに認可が下りていなければ成立しません。
国土交通省が示す承継のスキームも、①事前に認可を申請 → ②許可行政庁で審査 → ③認可の通知 → ④事業譲渡等の日に許可も承継、という順序です。
この順序を守れれば空白期間なく営業を続けられます。逆に順序が崩れると、制度そのものが使えなくなります。
30日その2|埼玉県の運用は「事実発生日の30日前までに申請完了」
ここに埼玉県固有の運用が重なります。手引き第12章は「遅くとも、承継の事実発生日の30日前までに申請を完了させてください。不足書類がある場合、受付は一切できません」と定めています。
重要なのは、これが「申請完了」の期限であって「認可」の期限ではないことです。法律が30日前の申請を義務づけているわけではありません。
それでも実務上の意味は重いものがあります。書類が1点でも欠けていれば受付自体ができないため、30日前の時点で完成していなければ日程が崩れます。
手引きは事前相談も前提としています。事前相談なく申請すると、不備の補正に時間がかかり、承継の事実が発生するまでに認可ができないおそれがあると書かれています。
なお、他の都道府県では別の運用値が示されています。たとえば東京都の手引きは承継予定日の2か月前から25日前という受付期間を示していますが、これは東京都の運用で、埼玉県には当てはまりません。
30日その3|相続は「死亡後30日以内」に申請
相続だけが事後認可です。被相続人(許可を受けている事業主)の死亡後30日以内に申請を行います。
起算点は死亡日であって、相続の開始を知った日ではありません。ここを取り違えると、気づいたときには期限を過ぎています。
期限内に申請すれば、処分があるまでは相続人が許可を受けたものとして扱われます。越谷市内の現場を止めずに済むかどうかは、この30日にかかっています。
30日その4|通常の更新は「満了日の30日前まで」
最後は承継とは別の話ですが、混同されがちなので並べておきます。埼玉県の手引き第7章は「更新の申請は、当該許可の有効期間が満了する日の30日前までにしなければなりません」としています。
更新の申請を怠った場合、満了日経過後は許可の効力を失います。更新の申請は満了日の2か月前から受け付けています(埼玉県 手引き 第7章 許可申請)。
承継と更新の時期が近い会社は、ここが最大のリスクです。承継の申請を取り下げたり、事業譲渡契約の解除等で承継が発生しないことが確定したりした場合を想定してください。
その時点で承継元・承継先が受けていた許可の有効期間が満了していると、従前の許可を更新することはできません。承継が流れたうえに許可も失う、という最悪の並びになります。
| 4つの「30日」 | 正確な内容 | 根拠・注意点 |
|---|---|---|
| ①法定の期限 | 譲渡・合併・分割は効力発生日の前日までに「認可」 | 建設業法第17条の2。法定の「30日前」ルールは存在しない。遡及不可 |
| ②埼玉県の運用 | 承継の事実発生日の30日前までに「申請完了」 | 手引き第12章。「申請」の期限であって「認可」の期限ではない。不足書類があれば受付は一切不可 |
| ③相続 | 被相続人の死亡後30日以内に申請 | 建設業法第17条の3。起算点は死亡日。個人事業に限る |
| ④更新 | 有効期間が満了する日の30日前までに申請 | 手引き第7章。承継とは別手続き。埼玉県は満了日の2か月前から受付 |
更新まわりの実務は建設業許可の更新、うっかり失効させた場合の影響は建設業許可の更新を忘れたらで扱っています。
越谷市の事業者はどこへ出すのか|提出先と段取り

営業所が越谷市内(埼玉県内)のみの事業者は埼玉県知事許可に該当します。承継認可の提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課 建設業担当(電話048-830-5176・5177)です。
申請先が埼玉県になるのは、ア 承継元が埼玉県知事許可を受けている、イ 承継後の営業所が全て埼玉県内にあるの両方を満たす場合です(手引き第12章)。
承継先が既に埼玉県知事以外の建設業許可を受けている場合、提出先は承継後の主たる営業所の所在地を管轄する国土交通省の地方整備局になります。
埼玉県知事許可業者が国土交通大臣認可の申請をした場合は、申請後速やかに埼玉県へ届出が必要です。営業所の配置は、承継の設計段階で決めておく論点です。
取り違えポイント1|中核市でも市役所は窓口ではない
越谷市は中核市ですが、越谷市役所に建設業許可・承継認可の受付窓口はありません。移譲された事務の中心は福祉・保健衛生・環境の分野です。
市役所が窓口になるのは、市発注工事の入札参加資格や指名願いの手続きです。許可そのものは県が扱うという切り分けを、社内で共有しておいてください。
取り違えポイント2|「越谷県土整備事務所」は許可の窓口ではない
越谷市内には、名前も所在地も越谷の越谷県土整備事務所(越谷市越ケ谷4-2-82/電話048-964-5221)があります。ここが2つ目の落とし穴です。
この事務所が所管するのは、管内の道路・橋りょう・河川・街路などの公共土木施設に係る工事の施工・維持管理、および道路・河川の占用許可です。
管轄区域は春日部市・草加市・越谷市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町ですが、建設業許可・承継認可の申請先ではありません(埼玉県 越谷県土整備事務所)。
県の出先機関が市内にあるぶん、越谷市の事業者ほど「近い方に出せばいい」と考えがちです。承継認可は、さいたま市の県庁まで出向く手続きです。
手続きの実務|持参のみ・手数料無料・受付時間は限られる
承継認可の申請はすべて持参による受付で、郵送および電子申請による受付は行われていません。提出部数は正本1通・副本1通(副本は正本の複写でも可)です。
建設業許可の申請・変更届・経営事項審査は電子申請(JCIP)も使えますが、承継認可はその対象外です。「許可が電子でできるから承継も」と考えないでください。
受付時間は月曜日から金曜日(祝日・12月29日〜1月3日を除く)の午前9時〜午前11時、午後1時〜午後4時15分です。審査に時間を要するため、早めの来庁が求められています。
申請手数料はかかりません。新規許可の9万円・業種追加5万円・更新5万円とは扱いが異なります(手引き第7章)。
| 手続き | 窓口・提出先 | 越谷市での注意点 |
|---|---|---|
| 承継認可(譲渡・合併・分割・相続) | 埼玉県庁 県土整備部 建設管理課 建設業担当(知事許可の場合)/持参受付のみ・郵送および電子申請は不可/手数料無料 | 譲渡等は効力発生日の前日までに認可+県は事実発生日の30日前までに申請完了/相続は死亡後30日以内。事前相談が前提 |
| 建設業許可(埼玉県知事許可) | 埼玉県庁 県土整備部 建設管理課/電子申請はJCIP | 営業所が越谷市内(埼玉県内)のみなら知事許可。新規9万円・業種追加5万円・更新5万円 |
| 大臣許可となる場合 | 承継後の主たる営業所を管轄する国土交通省 地方整備局 | 県外にも営業所を置く場合。埼玉県知事許可業者が大臣認可を申請したら、申請後速やかに県へ届出 |
| 経営事項審査(経審) | 埼玉県(建設管理課が窓口)/JCIP利用可 | 承継で経管・営業所技術者等が交代するとP点に影響。CCUS就業履歴はW点の加点材料 |
| 県管理の道路・河川の工事・占用 | 越谷県土整備事務所(越谷市越ケ谷4-2-82) | 公共土木施設の工事・占用許可の窓口。許可・承継認可の受付はしない |
| 市発注工事の入札・指名願い | 越谷市役所 契約担当部署 | 経審・許可の取得が前提。中核市でも許可・承継認可の受付は行わない |
承継認可の必要書類(埼玉県の様式)
埼玉県の様式集では、承継の類型ごとに認可申請書の様式が分かれています。譲渡・合併・分割には別紙として役員等の一覧表・営業所一覧表・営業所技術者等一覧表が付きます。
相続(個人事業)の別紙は、営業所一覧表・営業所技術者等一覧表の2点です。役員等の一覧表は付きません。
| 承継の類型 | 認可申請書の様式 | あわせて提出 |
|---|---|---|
| 事業譲渡 | 様式第22号の5(譲渡及び譲受け認可申請書)+別紙1〜3 | 様式第22号の6(誓約書) |
| 合併 | 様式第22号の7(合併認可申請書)+別紙1〜3 | 様式第22号の6(誓約書) |
| 分割 | 様式第22号の8(分割認可申請書)+別紙1〜3 | 様式第22号の6(誓約書) |
| 相続 | 様式第22号の10(相続認可申請書)+別紙1〜2 | 様式第22号の11(誓約書) |
これに加えて、承継の事実を証する書面(事業譲渡契約書・合併契約書・分割計画書など)や、許可要件・常勤性を確認する資料が求められます。
必要な場合は、手引きに記載された書類以外の資料の提出や提示を求められたり、営業所の実態について実地調査が行われたりすることがあります。
最新の様式と部数は埼玉県の様式集で確認し、事前相談で確定させてください。知事許可と大臣許可の違いは大臣許可と知事許可の違いで整理しています。
越谷市の事業者が組むべき逆算スケジュール
期限から逆算すると、動くべき時期がはっきりします。譲渡・合併・分割を想定した目安を挙げます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 効力発生日の6か月〜1年前 | 承継の類型を決める/許可の一般・特定の重複を点検/経管・営業所技術者等の配置を設計/株価・税務の検討に着手 |
| 3〜4か月前 | 建設管理課へ事前相談/必要書類の洗い出し/常勤性を裏づける社会保険等の資料を整える |
| 2か月前 | 契約書・議事録・様式の作成/不足書類をゼロにする(1点でも欠ければ受付不可) |
| 30日前まで | 県庁 建設管理課へ持参で申請完了(埼玉県の運用上の期限) |
| 効力発生日の前日まで | 認可を受ける(法定の期限)/認可通知書を受領・保管 |
| 承継の日から2週間以内 | 営業所技術者等を変更した場合の変更届/取引先・金融機関への通知 |
年次の準備タスクは建設業の事業承継 完全ロードマップ、親族内承継の進め方は建設業の親族内承継ロードマップにまとめています。
越谷市の承継で失敗する典型パターン

ここまでの制度を踏まえて、実際に事故が起きる形を挙げます。どれも「制度を知らなかった」ではなく「順序を間違えた」ことが原因です。
失敗1|登記を先に済ませてから相談に来る
いちばん取り返しがつかないパターンです。事業譲渡や会社分割の効力を発生させてしまってから相談に来ても、遡って認可を受けることはできません。
この場合、承継先は新規で建設業許可を取り直すことになります。要件の立て直しに数か月かかり、その間の元請との関係にも影響します。
失敗2|「30日前」を認可の期限だと思い込む
逆方向の誤解もあります。埼玉県の「30日前までに申請完了」を法定ルールだと思い、30日あれば間に合うと考えてしまうケースです。
30日前は申請完了の期限で、そこから審査が始まります。書類の準備期間はその前に必要で、実務では数か月前から動くのが安全です。
失敗3|一部の業種だけ引き継ごうとする
「土木は自分が続けて、内装だけ息子の会社へ」という設計は、そのままでは通りません。建設業の全部を承継させる場合に限り、許可の承継が可能です。
ただし逃げ道はあります。認可申請の前に一部の業種を廃業し、残った業種を全て承継させることは差し支えありません。設計を変えれば実現できます。
失敗4|一般・特定の重複に気づかない
承継元と承継先で同じ業種の許可が重なり、一方が一般・他方が特定というケースです。1つの業者が同一業種で一般と特定の両方を受けることはできません。
この場合、どちらかがその業種を事前に廃業すれば承継が可能になります。廃業する側の受注に影響が出るため、早い段階での判断が要ります。
失敗5|常勤性が承継予定日まで持たない
常勤役員等・営業所技術者等は、承継予定日まで引き続き常勤である必要があります。認可後の届出(社会保険の加入資料等)で確認されます。
特に法人成りでは、承継予定日が社会保険等の資格取得日となっているかが要点です。ここが1日ずれるだけで要件が途切れます。
失敗6|承継と更新の日程が重なる
承継の申請を取り下げたり、契約解除で承継が発生しないことが確定したりしたとき、その時点で許可の有効期間が満了していると従前の許可は更新できません。
承継予定日と許可の満了日が近い会社は、承継が流れた場合の退避策まで含めて日程を組んでください。ここは行政書士が最初に確認する点です。
避けたい失敗の全体像は建設業の事業承継 失敗パターン集、経管・専技の引継ぎは事業承継における経管・専技の引継ぎで詳しく扱っています。
後継者が決まらないときの4つの道
承継の選択肢は大きく4つです。押さえるべきは「廃業は最後の手段で、その前に3つの“残す”選択肢がある」という点です。
| 選択肢 | 内容 | 越谷市での向き・不向き |
|---|---|---|
| 親族内承継 | 子・親族に株式と経営を引き継ぐ | 後継者がいれば最有力。経管要件・株価・相続対策と、元請への顔つなぎを5〜10年計画で |
| 親族外承継(MBO/従業員承継) | 役員・幹部社員が株式を買い取り承継 | 市内の住宅案件も広域の元請現場も知る番頭格・職長がいる会社に向く。買取資金の設計が鍵 |
| M&A(第三者承継) | 他社へ株式譲渡・事業譲渡で売却 | 後継者不在でも事業と雇用を残せる。許可・経審・取引口座がそろえば買い手がつきやすい |
| 廃業 | 許可を抹消し事業を終う | 最後の手段。許可抹消・解雇・取引先影響を伴う。決める前に上記3つを検討 |
越谷市の地場業者で相談が多いのは、従業員承継(MBO)とM&Aです。「子は別の仕事に就いたが、現場を支えてくれた番頭格に継いでほしい」という形が典型です。
この場合も、許可は承継認可(事業譲渡・株式譲渡のスキームに応じた設計)で引き継げます。株式譲渡なら法人格が変わらないため、承継認可ではなく変更届で足りる場合もあります。
スキームの選び方は建設業のM&Aスキーム、3類型の比較は親族内・親族外・MBOの比較、従業員承継は建設業の従業員承継(MBO/EBO)で解説しています。
廃業との損得比較は建設業の廃業とM&Aはどちらが得か、公的支援は事業承継・引継ぎ補助金、後継者不在の全体像は建設業の後継者問題をご覧ください。
越谷市で行政書士に事業承継を依頼するメリット

建設業の事業承継は、1人の専門家では完結しません。許可と経審を切らさないことが起点になるため、まず行政書士に相談し、税理士・社労士・M&A支援機関と連携するのが実務的です。
メリット1|日程を「効力発生日」から逆算して組める
越谷市の事業者にとって最大の価値がここです。法定の認可期限、埼玉県の30日前ルール、更新の満了日を同じ表に落として初めて、安全な承継日が決まります。
日程が組めれば、契約書の効力発生日も逆算して設定できます。順序を間違えなければ、承継は制度どおりに通る手続きです。
メリット2|要件の穴を先に見つけられる
一般・特定の重複、営業所技術者等の常勤性、法人成りの社会保険資格取得日。これらは書類を書き始めてから気づいても間に合いません。
着手前の点検で穴が見つかれば、事前廃業や人員配置の組み替えという打ち手が使えます。時間があるほど選択肢は多く残ります。
メリット3|持参受付・事前相談を代わりに走らせられる
承継認可は持参受付のみで、受付時間も平日の限られた枠です。現場を持つ経営者が、さいたま市の県庁へ何度も足を運ぶのは現実的ではありません。
事前相談から申請まで代理で走らせれば、経営者は後継者の育成と取引先への引き継ぎに時間を使えます。ここが本来いちばん大事な仕事です。
| 専門家 | 主な役割 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 行政書士 | 建設業許可の承継認可、経審の継続設計、各種届出(独占業務) | 承継認可で10〜30万円程度(※県への申請手数料は無料) |
| 税理士 | 株価評価、相続・贈与税、退職金設計 | 株価評価で30〜100万円程度(事務所により異なります) |
| 弁護士 | M&A契約・法務デューデリジェンス・紛争予防 | スポット・タイムチャージ |
| 社会保険労務士 | 社会保険・雇用契約の承継、就業規則の整備 | 顧問契約・スポット |
| M&A支援機関・事業承継引継ぎ支援センター | 買い手探し・条件交渉(M&Aの場合) | 機関ごとの差が大きい(依頼先が公表する手数料体系を個別に確認)/公的窓口の活用も検討 |
相談の順序は建設業の事業承継は誰に相談すべき?、総額の試算は事業承継の費用総額シミュレーション、税制は建設業の事業承継と税制で扱っています。
時間がかかるのは「書類」ではなく「要件」
承継認可の申請書そのものは、様式がそろえば数週間で形になります。時間がかかるのは、その前提となる要件のほうです。
- 経管(常勤役員等)の要件:後継者が経営経験を積むには年単位の時間がかかる
- 営業所技術者等の配置:承継後の全業種で要件を満たす人員を確保する必要がある
- 株価対策:自社株評価の圧縮(役員退職金・利益調整など)は数年がかり
- 経営者保証の解除:金融機関との交渉に時間を要する
- 経審スコアの引継ぎ:決算期・技術者配置・CCUS就業履歴の蓄積を計画的に
経審の維持は事業承継で経審スコアを途切れさせない方法、経営者保証は建設業の経営者保証と事業承継で解説しています。
CCUSによる技能者の見える化は、買い手・後継者に見せられる材料になります(越谷市のCCUS登録代行、経審加点との関係はCCUSと経営事項審査の加点)。
経営者が60代に入ったら、許可・経審・株価・後継者・取引先の棚卸しから着手してください。準備が早いほど、渡し方の選択肢は増えます。
越谷市の建設業の事業承継に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 越谷市は中核市ですが、建設業許可の承継認可も市役所に出すのですか?
違います。越谷市は平成27年(2015年)4月1日に中核市へ移行し、2,000項目を超える事務が移譲されましたが、移譲の中心は福祉・保健衛生・環境の分野で、市が保健所を設置しています。
建設業許可と承継認可の権限は市に移譲されていません。営業所が越谷市内(埼玉県内)のみなら埼玉県知事許可に該当し、提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課 建設業担当(電話048-830-5176・5177)です。
申請先が埼玉県になるのは「承継元が埼玉県知事許可」かつ「承継後の営業所が全て埼玉県内」の場合です。承継先が埼玉県知事以外の許可を持つ場合は、承継後の主たる営業所を管轄する地方整備局に提出します。
もう一つの注意点が越谷県土整備事務所(越谷市越ケ谷4-2-82・電話048-964-5221)です。県管理の道路・河川など公共土木施設の工事や占用許可の窓口で、許可・承継認可の申請先ではありません。
Q2. 越谷市の会社を息子に継がせると、建設業許可は取り直しになりますか?
取り直しにはなりません。承継認可(建設業法第17条の2・第17条の3)を受ければ、承継元の「建設業者としての地位」を承継先が引き継げます。
この地位には許可のほか、承継元が受けた監督処分や経営事項審査の結果も当然に含まれます(埼玉県 手引き第12章)。経審を積み直す必要がありません。
ただし自動では引き継げません。事業譲渡・合併・分割は効力発生日の前日までに認可を受ける必要があり、相続は死亡後30日以内に申請します。
承継できるのは建設業の全部を承継させる場合に限られ、承継後の許可期間は起算点が承継の日の翌日となるため「5年と1日」になります。許可番号は原則として承継元のものです。
Q3. 越谷市で建設業を承継するとき、4つの「30日」はどう違うのですか?
第1に、譲渡・合併・分割の法定の期限は「効力発生日の前日までに認可」です。事前認可であり、遡っての認可はできません。法定の「30日前」ルールはありません。
第2に、埼玉県の運用として手引き第12章が「遅くとも、承継の事実発生日の30日前までに申請を完了させてください。不足書類がある場合、受付は一切できません」と定めています。
これは「申請完了」の期限であって「認可」の期限ではありません。第3に、相続は被相続人の死亡後30日以内に申請する事後認可です(法第17条の3)。
第4に、通常の更新は有効期間が満了する日の30日前までに申請します(埼玉県は満了日の2か月前から受付・手引き第7章)。承継日を決める前に、必ず4つを分けて考えてください。
Q4. 越谷市で承継認可を申請するとき、書類と費用はどれくらいかかりますか?
認可申請書は、事業譲渡が様式第22号の5、合併が様式第22号の7、分割が様式第22号の8、相続が様式第22号の10です。誓約書は譲渡等が様式第22号の6、相続が様式第22号の11です。
譲渡・合併・分割には役員等の一覧表・営業所一覧表・営業所技術者等一覧表が、相続には営業所一覧表・営業所技術者等一覧表が別紙として付きます。提出部数は正本1通・副本1通です。
申請はすべて持参による受付で、郵送および電子申請による受付は行われていません。受付時間は平日の午前9時〜11時、午後1時〜4時15分で、埼玉県への申請手数料は無料です。
行政書士報酬は承継認可で10〜30万円程度が目安です。M&Aを伴う場合は仲介手数料が加わりますが、最低成功報酬の水準は機関ごとの差が大きいため、依頼先が公表する手数料体系を個別に確認してください。
Q5. 後継者がいない越谷市の建設業者は、廃業するしかないのですか?
廃業だけが選択肢ではありません。従業員への承継(MBO)や第三者へのM&Aで、事業と雇用を残す道があります。
越谷市は人口341,443人・166,326世帯(令和8年7月1日現在)の中核市で、16万世帯を超える住宅ストックの改修・建替え需要が年間を通じて発生します。
旧日光街道の古い街並みと越谷レイクタウン駅周辺の新しい市街地が同居し、低平地ゆえの治水・排水まわりの営繕も続きます。南越谷・新越谷から広域に人を出せることも強みです。
こうした受注基盤は取引先の信用と職人で成り立つ属人的な資産で、決算書には載りません。廃業届を出せば許可も経審の実績も同時に消えます。決める前にご相談ください。
まとめ|越谷市の建設業許可は、順序さえ守れば次の代へ渡せる
越谷市の建設業許可は、承継認可を受ければ許可番号ごと次の代へ引き継げます。取り直しではありません。経営事項審査の結果も一緒に承継されます。
守るべき順序は1つです。事業譲渡・合併・分割は効力発生日の前日までに認可、相続は死亡後30日以内に申請。遡っての認可はできません。
埼玉県ではさらに「承継の事実発生日の30日前までに申請完了」が求められ、書類が1点でも欠ければ受付されません。事前相談も前提です。
提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課 建設業担当。持参による受付のみで、郵送および電子申請は不可、申請手数料は無料です。
越谷特有の注意点は2つ。中核市でも市役所は許可の窓口ではないこと、そして市内にある越谷県土整備事務所も許可の窓口ではないことです。
越ヶ谷宿の街道筋から、低平地に広がる住宅地まで。手を入れてきた会社を残すかどうかは、期限より前に動けるかで決まります。
越谷市の建設業の事業承継・許可の承継・後継者問題のご相談窓口
当事務所は越谷市(越ヶ谷・大沢・南越谷・大袋・越谷レイクタウン周辺を含む)を軸に、さいたま市・春日部市・川口市・草加市・吉川市・松伏町までを対応エリアとし、建設業許可の承継認可(譲渡・合併・分割・相続)、経営事項審査の継続設計、各種変更届をワンストップで承ります。
提出先である県庁 建設管理課の運用(持参受付のみ・事実発生日の30日前までに申請完了・事前相談が前提)を踏まえ、効力発生日から逆算した日程表をお作りします。
初回のご相談は無料です。「代表交代の日取りだけ決まっている」「父の個人事業をどう引き継げばいいか分からない」——その段階でのご連絡が、最も選択肢を残せます。
お問い合わせフォームよりご連絡ください。街道筋の一軒から広域の元請現場まで、次の代へ渡すところまで伴走します。
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