建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「建築許可」という名前の許可は、法律上どこにも存在しません。建物を建てるための手続きは建築基準法の建築確認、工事を請け負うための資格は建設業法の建設業許可。名前が似ているだけで、まったく別の制度です。

つまり「建築許可がおりない」と検索しているとき、あなたが実際に詰まっているのはこのどちらか一方です。両者は根拠法も窓口も審査基準も違うため、片方の対処法をもう片方に当てはめても前に進みません。

逆に言えば、どちらの話かを切り分けた瞬間に、原因も打ち手も一気に絞り込めます。本記事はまず30秒で切り分ける表を置き、そのうえで それぞれが下りない理由と再申請の手順を解説します。

執筆は建設業許可申請を専門とする行政書士の視点でまとめ、根拠は建築基準法建設業法の条文と行政庁の公表資料に依拠しています。想定読者は、建物を建てる建築主、工事を請け負いたい建設業者、すでに不許可や補正で止まっている事業者です。

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、旧「専任技術者」は一般建設業では「営業所技術者」(法第7条第2号)、特定建設業では「特定営業所技術者」(法第15条第2号)に整理されました。本記事では総称として「営業所技術者等」と表記します。

この記事でわかること:

  • 自分の「建築許可がおりない」がどちらの制度の話かを30秒で切り分ける方法
  • 建築許可とは何か/建築確認と建設業許可の違い(根拠法・窓口・対象)
  • 建築確認申請が通らない・おりない主な理由5つ
  • 建設業許可が下りない・不許可になる主な理由5つ
  • 不許可・補正となった場合の対処法と再申請の手順

【3行で要点】

  • 「建築許可」=法律上は存在しない通称。正体は建築確認(建築基準法)建設業許可(建設業法)のどちらかで、別制度・別窓口
  • 建築確認が通らない主因は 用途地域・接道・調整区域・図面整合性、建設業許可が下りない主因は 経管・営業所技術者等・財産的基礎・欠格要件
  • 不許可後も原因を特定すれば再申請可能。知事許可の手数料9万円は戻らないが、大臣許可の登録免許税15万円は却下・取下げなら還付を請求できる

目次

【30秒で切り分け】「建築許可がおりない」の原因は2種類|あなたはどっち?

まず、あなたの状況が下の表のどちらの列に当てはまるかを確認してください。ここを間違えると、正しい情報を読んでも解決に近づきません。

あなたの状況 該当する制度 読むべき章
家・店舗・倉庫・工場を建てたい(施主・建築主・開発事業者) 建築確認(建築基準法) 第3章
500万円以上の工事を請け負いたい(建設業者・元請・下請) 建設業許可(建設業法) 第4章
やり取りの相手が指定確認検査機関・建築主事・特定行政庁 建築確認 第3章
やり取りの相手が都道府県庁(建設管理課)・地方整備局 建設業許可 第4章
「適合しない旨の通知」が届いた/補正指示が繰り返される 建築確認 第3章・第5章
「不許可」と言われた/「取り下げては」と促された 建設業許可 第4章・第5章
市街化調整区域だから建てられないと言われた 建築確認+都市計画法の許可 第3章
経管・専任技術者・500万円という言葉が出てきた 建設業許可 第4章

迷ったときの一問診断です。「あなたは建物で困っていますか、それとも会社の資格で困っていますか」。前者なら建築確認、後者なら建設業許可です。

建築確認は1件の建物ごとに受ける手続き、建設業許可は会社そのものに与えられる資格。対象が「モノ」か「ヒト(事業者)」かが、最もシンプルな見分け方です。

建築許可とは?建築確認と建設業許可の違いを一覧で比較

検索ワードとしての「建築許可」は、実務上は建築確認(建築基準法第6条)を指して使われることが大半です。一方「建設業許可」は建設業法第3条に基づき、軽微な工事を超える規模の請負を行う事業者が取得する許可です。

両者を混同したまま「建築許可がおりない 理由」と調べても、欲しい答えにはたどり着けません。まず以下の対比表で違いを押さえてください。

建築確認と建設業許可の比較表

項目 建築確認(通称:建築許可) 建設業許可
根拠法 建築基準法 第6条 建設業法 第3条
窓口・審査主体 建築主事等(特定行政庁)または指定確認検査機関 都道府県知事(県庁の建設業担当課)または国土交通大臣(地方整備局)
申請者 建築主(建物を建てる人) 建設業を営む事業者
対象 個別の建築物(新築・増築・改築等) 事業者そのもの(業種別の請負資格)
主な審査内容 用途地域・建ぺい率・容積率・構造・防火・避難等への適合性 経営業務管理責任者、営業所技術者等、財産的基礎、欠格要件
審査期間 法定:1号・2号建築物は35日以内/3号建築物は7日以内(法6条4項) 例:埼玉県知事許可は標準処理期間18日(新規・更新とも)
有効期間 確認済証は当該工事について有効(更新の概念なし) 5年(更新制)
通らないときの通知 「適合しない旨の通知」または補正指示(法6条7項) 不許可処分または取下げ勧奨

つまり、家を建てたい個人や開発事業者が直面するのは建築確認、500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請けたい建設業者が直面するのは建設業許可です。

両者が同じ現場で登場する場面もありますが、審査ロジックは別物です。「うちの工務店は建設業許可を持っているのに、なぜ建築確認が下りないのか」という質問が成り立たないのは、このためです。

「建築許可」という法律用語は存在しない

建築基準法に「建築許可」という名称の処分はありません。実務で「建築許可」と呼ばれるものの正体は、主に次のいずれかです。

  • 建築確認に基づく確認済証の交付(通常の建物)=建築基準法第6条
  • 市街化調整区域内での建築許可都市計画法第43条
  • 用途上の特例許可建築基準法第48条ただし書き等
  • 道路位置指定接道義務の認定・許可建築基準法第43条第2項

紛らわしいのですが、「43条」は都市計画法にも建築基準法にも存在し、中身がまったく違います都市計画法43条=市街化調整区域で建てるための許可、建築基準法43条=敷地と道路の接し方(接道義務)です。役所や設計者が「43条が…」と言ったときは、どちらの法律の話かを必ず確認してください。

また、建築確認は行政が裁量で「許してあげる」手続きではありません。法令に適合していれば必ず確認済証が交付される、機械的な適合性チェックです。

この性質は重要です。裁量がないということは、基準を満たしさえすれば必ず通るということ。だからこそ「なぜ通らないか」は必ず特定できます。

建築確認申請が通らない・おりない理由5つ

法令適合性が客観的に判定されるにもかかわらず、実際には「適合しない旨の通知」(建築基準法第6条第7項)や繰り返しの補正指示で「建築確認がおりない」状態に陥ります。主な理由を5つに整理します。

理由1:用途地域・建ぺい率・容積率の集団規定違反

都市計画法に基づく用途地域では、建てられる建物の種類が制限されます。第一種低層住居専用地域に店舗を計画する、工業専用地域に住宅を計画するといったケースは、そもそも確認が下りません。

また、敷地面積に対する建ぺい率(建築面積の上限)容積率(延床面積の上限)を超過する設計は不適合です。角地緩和や前面道路幅員による容積率制限など、適用条件を読み違えるケースも頻発します。

【対処法】計画の初期段階で建築士に用途地域・前面道路幅員・敷地境界を実測のうえ確認してもらい、建ぺい率・容積率の根拠数値を都市計画図と照合してください。役所窓口での事前相談を使えば、提出前に論点を潰せます。

理由2:接道義務(建築基準法第43条)を満たさない

建築基準法第43条第1項は、建築物の敷地が道路に2m以上接することを求めています。ここでいう「道路」は原則として同法第42条で幅員4m以上のものと定義されるため、実質的に「幅員4m以上の道路に2m以上」が要件になります。

無接道敷地位置指定道路の指定漏れ農道・里道のみに接する敷地では、原則として確認が下りません。

【対処法】同条第2項の救済制度を使います。第1号は一定基準に適合する場合の特定行政庁の認定、第2号は建築審査会の同意を得たうえでの許可です。近隣同意や避難・通行の安全に関する説明資料の作成が鍵になります。

理由3:構造計算・耐震基準・防火規定の不適合

一定規模以上の建築物は構造計算適合性判定(法第6条の3)の対象となり、計算書の不備で確認が止まることがあります。防火地域・準防火地域内では外壁・開口部の防火性能の証明書類が必須で、添付漏れも頻出原因です。

2025年4月施行の改正建築基準法(いわゆる4号特例の縮小)により、従来の「4号建築物」の区分は廃止されました。現行の法第6条第1項は1号・2号・3号の3区分で構成されています。

これにより、これまで構造審査が省略されていた小規模木造住宅でも構造関係書類の提出が必要になりました。区分に応じた書類整備を前提に計画してください(参考:国土交通省「建築基準法の改正について」)。

理由4:市街化調整区域で開発許可・建築許可が取れない

市街化調整区域は原則として建物を新築できません。例外として都市計画法第34条各号(既存宅地、農家分家、地区計画など)に該当する場合のみ開発許可・建築許可が下ります。

「建築許可が落ちる理由」として極めて多いのが、この調整区域案件です。そもそも制度の入口に立てていないため、図面を直しても解決しません。

【対処法】該当号(34条1号〜14号)の選定と要件適合の立証が肝になります。農家分家なら本家の農業従事年数や続柄証明、既存宅地なら線引き前からの宅地利用の証明が必要です。書類の積み上げが多いため、開発許可に強い行政書士・土地家屋調査士との連携を推奨します。

理由5:申請図書の不備・整合性欠如

意外に多いのが図面間の整合性不一致です。平面図と立面図で寸法が合わない、求積図と仕上表で面積が合わない、といったケースが典型です。

審査側は整合性が取れるまで補正を繰り返し求める運用のため、何往復も補正に追われ「いつまでも建築確認がおりない」状態になります。制度上は35日以内でも、補正のたびに時計が止まるのが実務です。

【対処法】提出前に建築士事務所内のセルフチェックリストを必ず通してください。特に「面積系」「高さ系」「採光・換気」「界壁・防火」の4分野は補正頻発ポイントです。

参考:1号・2号・3号建築物の区分と法定審査期間

建築基準法第6条第4項は、申請書を受理した日から1号・2号建築物は35日以内3号建築物は7日以内に審査すると定めています。適合が確認できれば確認済証が交付されます。

自分の建物がどれに当たるかは、同条第1項の各号で決まります。2025年4月の改正で従来の「4号」が廃止されたため、現在は次の3区分です。

区分 対象となる建築物(法第6条第1項) 法定審査期間
1号 別表第一(い)欄に掲げる用途の特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡超のもの(店舗・共同住宅・福祉施設など) 35日以内
2号 1号以外で、階数が2以上、または延べ面積が200㎡超の建築物(一般的な2階建て住宅はここ) 35日以内
3号 前2号以外で、都市計画区域・準都市計画区域等の内にある建築物(平屋かつ200㎡以下の小規模なものなど) 7日以内

一般的な木造2階建て住宅は2号に該当し、35日以内の審査対象です。かつて「4号特例」で構造審査が省略されていたのは、まさにこの層でした。

ただし同条第6項により、合理的な理由があれば35日の範囲内で延長が可能です(延長の理由を記載した通知書が交付されます)。「思ったより時間がかかる」の多くは、この延長と補正の往復によるものです。

建設業許可が下りない・不許可になる理由5つ

続いて、建物ではなく建設業者側の許可が下りないパターンです。建設業許可は要件型の許可制で、建設業法第7条・第15条の積極要件と第8条の消極要件(欠格要件)の両方をクリアする必要があります。

なお本記事は許可申請の話です。窓口は建築確認とはまったく別系統で、埼玉県知事許可であれば埼玉県庁 県土整備部 建設管理課が所管します(埼玉県「建設業許可等に関すること」)。大臣許可は関東地方整備局です。

理由1:経営業務管理責任者(経管)の経験不足

建設業法第7条第1号の経営業務管理責任者(常勤役員等)は、原則として建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験が必要です。

役員登記がない執行役員時代の経験、不動産業や設備リース業の経験は建設業の経験としてカウントされず、不許可の典型例となります。

【対処法】令和2年10月の改正で「組織体制による要件充足」が新設され、常勤役員等+財務・労務・業務運営の補佐者の組み合わせでも要件を満たせるようになりました。個人要件で厳しい場合はこの組成を検討してください。

理由2:営業所技術者等(旧:専任技術者)の証明不能

新規・追加いずれでも最大のハードルが営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保です。実務経験10年を主張する場合、工事請負契約書・注文書・請求書等で連続性業種該当性を立証しなければなりません。

書類が散逸している、業種区分が異なる工事で年数を稼いでいる、といった理由で不許可となるケースが頻発します。「10年働いていた」という記憶ではなく、書面で10年を埋められるかが分岐点です。

令和6年12月13日施行の改正建設業法により、一定要件下で営業所技術者等が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事現場の監理技術者等を兼務できるようになりました。ただしこれは配置の柔軟化であり、資格・経験要件そのものは緩和されていません国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」)。

理由3:財産的基礎(自己資本500万円)を満たさない

一般建設業では自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力が必要です。直前決算で債務超過に陥っている、残高証明書が古い・名義違い、といった理由で要件未達となるケースが多発します。

【対処法】決算期到来前に増資する、銀行発行の残高証明書(申請日前1か月以内)で資金調達能力を立証する、といった事前準備が有効です。

特定建設業はさらにハードルが高く、欠損比率20%以下・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上の4つすべてを満たす必要があります。詳しくは財産的基礎(500万円)の要件解説をご覧ください。

理由4:欠格要件(建設業法第8条)に該当

役員等が以下のいずれかに該当すると、欠格要件として不許可となります。

  • 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了から5年を経過しない者
  • 建設業法・建築士法・宅建業法等の違反で罰金刑に処せられ、5年を経過しない者
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 許可取消処分の日から5年を経過しない者
  • 破産者で復権を得ない者

役員の中に1名でも該当者がいれば許可は下りません。会社が優良でも、1人の経歴で全体が落ちるのがこの要件の怖さです。

申請前に役員全員の身上を確認し、登記簿・身分証明書(本籍地市区町村発行)・登記されていないことの証明書を取得してチェックすることが必須です。

理由5:常勤性・社会保険加入の不備

2020年10月以降、適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入が許可要件化されました。経管・営業所技術者等の常勤性は、健康保険被保険者証の事業所名住民票上の住所からの通勤可能性で確認されます。

他社で常勤扱いとなっている技術者を立てる、遠隔地居住で現実的な通勤ができない人を立てる、といったケースは常勤性が否定され不許可となります。

建設業許可が下りない理由は、ここで挙げた5つ以外にも実務上いくつかの類型があります。建設業法側の論点をさらに深く確認したい方は、建築許可がおりない理由を7つの視点で深掘りした解説もあわせてご覧ください。

不許可・補正されたときの対処法と再申請の手順

「建築許可が落ちる理由」「建築許可 不許可」と検索する方の多くは、すでに不適合通知や補正指示を受けて困っている段階です。

結論として、両制度とも不許可は終わりではなく次の打ち手の起点です。裁量ではなく要件で判断されている以上、要件を埋め直せば道は開きます。

建築確認の補正・是正フロー

段階 対応内容 目安日数
補正指示の受領 指定確認検査機関または建築主事等から書面・メールで補正項目が通知される 申請後7〜21日
補正書類の作成 建築士が指摘項目に対応した訂正図面・追加資料を作成 3〜14日
補正提出・再審査 補正書類を提出し再審査を受ける(複数回繰り返すこともある) 各回7〜14日
確認済証の交付 すべての適合が確認できた時点で確認済証が交付される

※目安日数は当事務所が実務上見てきた一般的なレンジであり、法定期間とは異なります。

補正で対応不能な根本的不適合(用途地域違反、接道不足等)が発覚した場合は、いったん申請を取り下げ、計画を見直したうえで再申請するのが現実的です。市街化調整区域案件など審査が難しい場合ほど、事前相談の効果が大きくなります。

建設業許可の補正・再申請フロー

建設業許可の場合、軽微な不備であれば補正指示で済みますが、要件未達と判断された場合は実質的に取下げを促されます。

審査そのものにかかる時間も見込んでおく必要があります。埼玉県の場合、建設業許可(新規・更新とも)の標準処理期間は18日と公表されています(埼玉県「許認可等の標準処理期間」)。ただし補正で書類を戻されれば、その分だけ実際の取得時期は後ろにずれます。

【重要】納めたお金は戻る?知事許可と大臣許可で扱いが正反対

ここは多くの解説記事が「手数料は返還されません」とひとくくりにしている論点ですが、知事許可と大臣許可では扱いがまったく違います。納めたお金の法的性質が別物だからです。

申請区分 納めるお金(法的性質) 却下・取下げのときの扱い
知事許可の新規 許可手数料 9万円(建設業法施行令第4条) 返還されない
大臣許可の新規 登録免許税 15万円(登録免許税法 別表第1)/一般と特定を同時に申請するなら30万円 還付を請求できる
大臣許可の更新・業種追加 許可手数料 5万円(収入印紙) 返還されない

ポイントは、大臣許可の新規で納める15万円は「手数料」ではなく「登録免許税」という税金だという点です。税金である以上、課税の前提となる許可がされなかったなら返ってきます。

根拠は登録免許税法第31条第1項です。同項は1号で「申請が却下された場合」、2号で「申請の取下げがあつた場合」に、納付された登録免許税額を税務署長に通知すべきものと定めています(過誤納金の還付)。

関東地方整備局の手引きも、この取扱いを明記しています。「許可申請を取り下げる場合、または許可申請が却下された場合、当該申請に伴って納付した登録免許税の還付を受けることができます」(関東地方整備局「建設業許可申請・変更届出の手引」)。

一方で同じ手引きは、「なお、許可の更新申請及び業種追加の申請を行った者が納付した許可手数料(収入印紙)は返還できません」とも述べています。税(登録免許税)は戻り、手数料は戻らない——この線引きが実務の要点です。

大臣許可で取下げ・却下となったときの還付手続き

  • 「建設業の許可申請の取下げ願」(建設業許可事務ガイドライン 別紙4)を提出する(取り下げる場合)
  • 「登録免許税の還付願」(同 別紙7)をあわせて関東地方整備局へ提出する
  • 還付願に記載するのは①納付額 ②却下・取下げの年月日 ③最寄郵便局の名称及び所在地の3点
  • ③に書いた郵便局が還付金の受取窓口になる(受け取りやすい局を記載する)
  • 納入先の税務署(関東地方整備局管内は浦和税務署)経由で還付処理が進む

なお、登録免許税領収証書の原本は、申請の時点で「許可申請書の別紙3」の所定欄に貼り付けて提出済みです。還付願に領収証書を添える必要はないので、手元を探して慌てないでください。

注意点として、登録免許税の納入は許可申請者名で行う必要があり、代理人名では納付できません。ここを誤ると、還付の場面でも整合が取れなくなります。

15万円は決して小さい額ではありません。「不許可だったから仕方ない」と諦めて還付願を出さないまま終わる——これが最ももったいないパターンです。取下げを促された時点で、還付願はセットで用意してください。

なお、知事許可の9万円が戻らないのは、これが税ではなく審査という役務に対する手数料だからです。審査自体は実際に行われた以上、結果が不許可でも対価は発生しています。知事許可こそ事前相談でリスクを潰す価値が大きいのは、このためです。

再申請にあたっての要点は次のとおりです。

  • 不許可・取下げの原因要件を特定し、書面で説明できる状態まで埋め直す
  • 経管・営業所技術者等を別人で立て直す場合は常勤性証明から再構築
  • 財産的基礎が原因なら増資・残高証明取得のタイミングを決算期と合わせて設計
  • 欠格要件該当の場合は欠格期間(通常5年)の経過待ちまたは役員交代

不許可処分そのものに不服がある場合は、行政不服審査法に基づく審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)が制度上は可能です。

ただし要件審査という性質上、争うより要件を埋めて出し直す方が早いケースが大半です。なお許可後の処分については建設業の行政処分で別途解説しています。

建築許可がおりない理由を事前に防ぐチェックリスト

不許可・補正リスクを下げる最も有効な手段は、申請前の自己診断です。着手前に次の項目を潰してください。

建築確認(建築許可)チェックリスト

  • 用途地域と建築物の用途は適合しているか
  • 建ぺい率・容積率(角地緩和・前面道路制限を含む)は超過していないか
  • 敷地は道路(原則幅員4m以上)に2m以上接道しているか
  • 市街化調整区域の場合、都市計画法34条の何号該当で立証できるか
  • 防火・準防火地域の外壁・開口部の仕様は適合しているか
  • 法6条1項の1号・2号・3号のどれに当たるかを確認し、区分に応じた構造関係書類は揃っているか
  • 図面間(平面・立面・矩計・求積)の整合性は取れているか

建設業許可チェックリスト

  • 経管の建設業経験5年(または組織体制要件)を書面で立証できるか
  • 営業所技術者等の資格・実務経験10年を書面で立証できるか
  • 営業所技術者等の常勤性(社会保険・通勤可能性)に問題はないか
  • 自己資本500万円以上または資金調達能力500万円以上を満たすか
  • 役員全員の欠格要件該当の有無を身分証明書等で確認したか
  • 過年度の決算変更届はすべて提出済みか
  • 定款の事業目的に申請業種が記載されているか

要件そのものを体系的に確認したい場合は建設業許可の要件解説を、更新期限が近い方は許可の更新忘れへの対処をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 「建築許可」と「建設業許可」のどちらの話か分からないのですが、見分け方は?

建てる側(建築主・施主・開発事業者)の話なら建築確認、請ける側(建設業者・元請・下請)の話なら建設業許可です。書類の宛先が「特定行政庁」「指定確認検査機関」なら前者、「都道府県知事」「国土交通大臣」なら後者と覚えると簡便です。

Q. 建築許可が取れない場合、いつから再申請できますか?

建築確認に再申請の制限期間はなく、原因を是正すれば即日再申請が可能です。建設業許可も原則は要件充足後すぐ再申請できますが、欠格要件該当による不許可の場合は原則5年の経過が必要です。

Q. 建築許可が落ちる理由で最も多いのは何ですか?

建築確認では図面間の整合性不一致接道・調整区域案件、建設業許可では営業所技術者等の実務経験立証不能経管の経験不足が二大原因です。いずれも事前準備で大幅に回避できます。

Q. 建築確認がおりないと工事は始められませんか?

はい。建築基準法第6条第8項は確認済証の交付を受けた後でなければ工事はできないと定めており、違反すれば是正命令・除却命令の対象となり得ます。

違反建築物は売買や融資にも重大な支障が出ます。必ず確認済証を取得してから着工してください。

Q. 建築確認の審査には何日かかりますか?

法定では、受理日から1号・2号建築物は35日以内3号建築物は7日以内です(建築基準法第6条第4項)。ただし合理的な理由があれば35日の範囲内で延長でき(同条第6項)、補正が入ればその往復分はさらに加算されます。

Q. 不許可となった場合、申請手数料は戻ってきますか?

「手数料」は戻りませんが、「登録免許税」は戻ります。知事許可の新規で納める手数料9万円、大臣許可の更新・業種追加の手数料5万円は返還されません。

一方、大臣許可の新規で納める15万円は登録免許税(税金)であり、却下・取下げの場合は還付を請求できます(登録免許税法第31条第1項)。「取下げ願」(別紙4)と「登録免許税の還付願」(別紙7)を地方整備局へ提出してください。

建築確認の手数料も、不適合となった場合に返還されないのが原則です。

Q. 自社で要件を満たせるか分からない場合、どこに相談すべきですか?

建築確認なら建築士事務所、市街化調整区域案件や43条2項案件は行政書士+建築士+土地家屋調査士の協働、建設業許可なら建設業許可に強い行政書士がそれぞれ第一選択です。要件判断は法令・通達・運用の3層を読む必要があり、自己判断には限界があります。

関連記事

「建築許可がおりない理由」を踏まえ、それぞれの論点をさらに掘り下げたい方は以下もあわせてご覧ください。

まとめ:切り分けができれば「建築許可がおりない」は必ず前に進む

本記事のポイントを整理します。

  • 「建築許可」は法律上存在しない通称。正体は建築確認(建築基準法)建設業許可(建設業法)のどちらか
  • 建築確認が通らない主因は用途地域・建ぺい率・接道・調整区域・図面整合性
  • 建設業許可が下りない主因は経管・営業所技術者等・財産的基礎・欠格要件・常勤性
  • 建築確認の法定審査期間は1号・2号35日/3号7日(35日の範囲内で延長可)
  • 不許可は終点ではなく、原因の特定→補正・要件再構築→再申請のループで対応可能
  • 知事許可の手数料9万円は戻らないが、大臣許可の登録免許税15万円は却下・取下げなら還付を請求できる

建築確認も建設業許可も、審査しているのは担当者の気分ではなく要件です。要件で落ちたものは、要件で通せます。

だからこそ最初の一手は、図面を描き直すことでも書類を集め直すことでもなく、「自分はどちらの許可で止まっているのか」を確定させることです。ここさえ合っていれば、残りは手順の問題になります。

当事務所は建設業許可を専門とする行政書士事務所として、新規申請から不許可後の再申請、業種追加・更新までを一貫してお手伝いしています。建築確認側の論点についても、提携の建築士・土地家屋調査士と連携してワンストップで対応します。

「どちらの許可の話なのか整理したい」「不許可になった原因を特定したい」——その段階でのご相談を歓迎します。まずは無料相談をご利用ください。

※本記事は2026年7月16日時点の法令・運用に基づき作成しています。実際の申請にあたっては、必ず所轄行政庁・指定確認検査機関の最新の手引き・運用基準をご確認ください。個別案件の判断は法令だけでなく自治体ごとの運用にも左右されますので、専門家へのご相談をおすすめします。

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