建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

最終更新日:2026年8月2日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)・令和7年2月1日施行分対応済み

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では検索される方のわかりやすさを考慮し、旧名称も併記しています。

結論:造園工事業の許可が必要かどうかは「植栽かどうか」ではなく、1件の請負代金が500万円(税込)以上かどうかで決まります。

そして造園工事業には、他の専門工事にはない固有の壁が2つあります。ひとつはとび・土工・コンクリート工事業や土木一式工事業との線引き、もうひとつは造園工事業が「指定建設業」7業種のひとつだという点です。

指定建設業では、特定建設業の営業所技術者等(監理技術者)に実務経験だけの人を充てられません。1級造園施工管理技士か技術士が要ります。

公園の植栽工事を落札した。植栽そのものは400万円だが、園路のインターロッキングと排水桝、既存樹の伐採処分を含めると税込で600万円を超える——。

この見積書を前に、自社の許可でこの1本を受けられるのか判断できないまま契約日が近づいてくる。造園業でいちばん多いのが、この局面の相談です。

金額の壁と業種の線引きが同時に襲ってくるため、どちらか一方だけを知っていても答えが出ません。

数字の面でも、造園工事業は他業種と違う動きをしています。国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」によると、造園工事業の許可業者は24,070業者

29業種のうち23業種が前年より増えたなかで、造園工事業は▲326業者(▲1.3%)と減った6業種のひとつで、減少数は建築工事業・土木工事業に次ぐ3番目でした。

市場が縮んでいるというより、許可を持つ会社が高齢化と廃業で抜けている——というのが現場感覚に近いはずです。裏を返せば、許可を持ち続ける会社の希少価値が上がっている業種でもあります。

この記事でわかること:

  • 造園工事業の定義と、国土交通省が示す10の例示(植栽・地被・景石・地ごしらえ・公園設備・広場・園路・水景・屋上等緑化・緑地育成)
  • 500万円(税込)の判断基準と、樹木の材料支給・分割契約の落とし穴
  • とび・土工・コンクリート工事業/土木一式工事業/水道施設工事業との線引き
  • 造園工事業が「指定建設業」であることの実務上の意味(特定建設業で実務経験ルートが使えない)
  • 営業所技術者等になれる資格一覧と、実務経験10年ルートの証明方法
  • 申請手順・費用・審査の流れ(埼玉県の手引き 令和8年4月施行版に基づく実例)

目次

造園工事業とは?国土交通省が示す10の例示

園路・芝生広場・水景・植栽がそろった都市公園。造園工事業の例示10種を示す図版

造園工事業は、建設業法で定められた29業種のひとつです。工事の内容は、「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と定義されています。

この定義で押さえるべきは、「苑地を築造する」という目的が業種の芯にあることです。土を動かす・コンクリートを打つといった作業の種類ではなく、何をつくるための工事かで区分されます。

そして国土交通省の建設業許可事務ガイドライン(最終改正 令和7年2月1日 国不建第161号)は、造園工事の例示として次の10を挙げています。

  • 植栽工事
  • 地被工事
  • 景石工事
  • 地ごしらえ工事
  • 公園設備工事
  • 広場工事
  • 園路工事
  • 水景工事
  • 屋上等緑化工事
  • 緑地育成工事

この10個は、行政庁が業種を判断するときの出発点になる公式の例示です。自社の工事がどれに当たるかを言葉で説明できるようにしておくと、申請時のやり取りが一気に短くなります。

現場の呼び名と例示の対応

ガイドラインの例示 現場でよく使う呼び方・具体例
植栽工事 高木・中低木の植付け、移植、支柱設置、法面や造成地の植生復元
地被工事 芝張り、地被植物(グラウンドカバー)の植付け、張芝・種子吹付け
景石工事 庭石・飛石・沢飛びのすえ付け、石組み、景石を用いた修景
地ごしらえ工事 植栽に先立つ整地・客土・土壌改良、植栽基盤の造成
公園設備工事 花壇・噴水などの修景施設、休憩所(あずまや・ベンチ)、遊具、便益施設の設置
広場工事 修景広場、芝生広場、運動広場その他の広場の築造
園路工事 公園内の遊歩道・緑道の建設(インターロッキング、真砂土舗装など)
水景工事 池、流れ、滝、噴水など水を用いた修景施設の築造
屋上等緑化工事 建築物の屋上緑化、壁面緑化(防水層の上の緑化基盤・植栽)
緑地育成工事 樹木・芝生・草花の育成(土壌改良や支柱設置を伴うもの)

ガイドラインは、このうち5つの例示について「区分の考え方」で追加の定義を置いています。実務ではここが判断の分かれ目になります。

【要チェック】ガイドラインが明記する5つの定義

「植栽工事」には、植生を復元する建設工事が含まれる。=法面や造成跡地の緑化復元も造園工事業の側に入ります。

「広場工事」とは、修景広場、芝生広場、運動広場その他の広場を築造する工事。「園路工事」とは、公園内の遊歩道、緑道等を建設する工事。=同じ舗装でも、公園内の園路は造園工事業で読めます。

「公園設備工事」には、花壇、噴水その他の修景施設、休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便益施設等の建設工事が含まれる。=遊具やあずまやの設置は造園工事業です。

「屋上等緑化工事」とは、建築物の屋上、壁面等を緑化する建設工事。=屋上緑化は「建築」ではなく造園です。

「緑地育成工事」とは、樹木、芝生、草花等の植物を育成する建設工事であり、土壌改良や支柱の設置等を伴って行う工事。=逆にいえば、単なる剪定・除草・草刈りといった維持管理の役務は建設工事ではありません。

剪定・草刈りは「建設工事」ではない

造園業の売上のうち、公園や街路樹の剪定・除草・清掃といった維持管理業務が大きな割合を占める会社は少なくありません。

ここは冷静に切り分けが必要です。ガイドラインが「緑地育成工事」として挙げるのは土壌改良や支柱の設置等を伴って行う工事であり、剪定・除草だけの契約は、実務上「建設工事」ではなく役務(委託業務)として扱われるのが一般的です。

したがって、年間の維持管理委託が1,000万円あっても、それは500万円判定の対象にはなりません。逆に、実務経験を証明する場面では剪定・草刈りだけの契約書は造園工事の実績として使えないということでもあります。

「植栽だけ」でも500万円を超えれば許可が要る

クレーン付きトラックから根巻きの高木を吊り降ろす2人の作業員。支給された樹木も請負代金に加算される

建設業の許可が不要なのは、いわゆる軽微な建設工事だけを請け負う場合に限られます。建築一式工事以外の建設工事では、1件の請負代金が500万円未満(消費税を含んだ金額)の工事がこれに当たります(建設業法施行令第1条の2)。

造園工事は建築一式工事ではなく専門工事です。ですから判断ラインは500万円の一本だけ。建築一式工事の1,500万円や「延べ面積150平方メートル未満の木造住宅」という別枠は、造園工事には一切適用されません。

金額判定でつまずきやすい4つのポイント

論点 正しい取扱い
税込か税抜か 消費税を含んだ金額で判断する。税抜470万円でも税込で500万円を超えれば許可が必要
樹木・資材の支給 注文者が材料を提供する場合、その市場価格(または市場価格+運送賃)を加えた額が請負代金の額とされる(施行令第1条の2第3項)
契約の分割 一つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額で判定する(正当な理由に基づく分割を除く)
一式工事の許可があれば足りるか 土木一式工事の許可があっても、500万円以上(税込)の造園工事を単独で請け負うことはできない

造園でとりわけ危ないのが、2段目の材料支給です。

高木や特殊樹、真砂土や客土を発注者・元請が支給し、自社は植付けと管理だけを請け負う——という形は珍しくありません。このとき「うちの請求は420万円だから軽微」と考えるのは誤りです。

支給された樹木の市場価格を加えて500万円を超えていれば、それは許可が必要な工事になります。軽微な建設工事の判定は、自社の請求書の金額だけを見ていると簡単に外れます。

公共工事では許可の有無がそのまま入口になる

造園は、民間の外構・庭工事と、自治体発注の公園・街路樹工事の両輪で成り立っている業種です。後者に入るには、許可を取ったうえで経営事項審査を受け、入札参加資格を得る必要があります。

建設業界は、いまだに紙とFAXと電話で回っている現場が主流です。デジタル化が遅れている業界だからこそ、許可・社会保険・経審といった「書面で示せる資格」を先に揃えた会社に仕事が集まる構造になっています。

許可は気合いで取るものではなく、受注できる工事の上限を引き上げるための仕組みです。やる気の問題にせず、要件を一つずつ潰す作業と割り切ったほうが確実に早く終わります。

なお、許可を受けずに500万円以上の工事を請け負えば、建設業法違反として処分の対象になり得ます。無許可営業の罰則もあわせて確認しておいてください。

最大の落とし穴|とび・土工・コンクリート/土木一式との線引き

造成法面に張芝をする作業員と背後のバックホウ。土工事と造園工事の境目を示す図版

造園工事業でもっともつまずくのが、隣接する業種との区分です。ここは推測で判断せず、ガイドライン別表と「区分の考え方」に当てはめて考えます。

工事の例 該当しやすい業種 判断の軸
公園の植栽・園路・修景施設を一体で施工 造園工事業 苑地を築造する目的の工事
宅地造成、掘削・盛土、法面保護、外構工事 とび・土工・コンクリート工事業 例示に「土工事」「掘削工事」「盛土工事」「法面保護工事」「外構工事」がある
道路の本線舗装、駐車場のアスファルト舗装 舗装工事業 例示は「アスファルト舗装工事」「路盤築造工事」等。公園内の遊歩道は園路工事
河川・道路など土木工作物を総合的に建設 土木一式工事業 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事
ブロック塀・門柱・カーポート基礎などの外構 とび・土工・コンクリート工事業ほか 苑地の築造ではなく、工作物の設置が目的
公園の池・流れ(修景としての水景) 造園工事業 「水景工事」として例示されている
かんがい用排水施設、農業用水道の建設 土木一式工事業 ガイドラインが『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』と明記

ここでの実務的な結論はシンプルです。「土を触るから造園」ではなく、「苑地を築造するために土を触るのか」で分かれます。

同じ整地でも、宅地の造成なら土工事、植栽基盤づくりなら地ごしらえ工事です。同じ舗装でも、駐車場のアスファルトなら舗装工事、公園の遊歩道なら園路工事になります。

1件の現場に複数業種が混ざるときの考え方

造園の現場は、ほぼ必ず複数業種が混在します。植栽(造園)+園路(造園)+残土処分・掘削(とび・土工)+散水設備の配管(管工事)といった具合です。

このとき使える整理が附帯工事の考え方です。主たる工事に付随して必要になる他業種の工事は、主たる工事の許可で施工できます。

ただし附帯工事は「主たる工事に対して従たるもの」であることが前提で、金額・内容の比重が逆転すれば通用しません。判断に迷う規模なら、業種追加で正面から許可を取るか、その業種の許可を持つ会社へ下請に出すのが安全です。

造園工事業は「指定建設業」|特定建設業で実務経験ルートが使えない

大規模な公園造成現場を見渡す現場監督の後ろ姿。特定建設業が必要になる元請工事のイメージ

ここが、造園工事業を他の専門工事と分ける最大のポイントです。

建設業法施行令第5条の2は、指定建設業として次の7業種を定めています。

指定建設業(施行令第5条の2)=7業種

土木工事業/建築工事業/電気工事業/管工事業/鋼構造物工事業/舗装工事業/造園工事業

29業種のうち、この7つだけが指定建設業です。造園工事業は、内装仕上や塗装などの専門工事とは別のグループに置かれています。

指定建設業に指定されると何が変わるのか。特定建設業の営業所技術者等(および監理技術者)になれる人の範囲が、法律で絞られます(建設業法第15条第2号ただし書)。

区分 指定建設業以外(内装仕上・塗装など) 指定建設業(造園工事業)
一般建設業の営業所技術者等 資格・指定学科+実務経験・実務経験10年のいずれでも可(造園も同じ)
特定建設業の営業所技術者等 1級資格者のほか、一般の要件+元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験でも可 1級造園施工管理技士・技術士・国土交通大臣認定者に限られる(指導監督的実務経験のルートは使えない)

この違いは、会社の成長計画に直結します。

元請として発注者から直接請け負う工事で、下請への発注総額が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)になるなら特定建設業の許可が必要です(施行令第2条・令和7年2月1日施行の改正後の額)。

指定建設業以外なら「ベテランの現場代理人に2年の指導監督的実務経験を積ませる」という道がありますが、造園ではその道が最初から塞がっているということです。

つまり、造園で特定を目指すなら1級造園施工管理技士を社内に確保する以外に実質的な選択肢がありません。人材採用と資格取得支援を、許可戦略の一部として先に組み立てておく必要があります。

なお、指導監督的実務経験の金額基準は4,500万円以上(施行令第5条の3)で据え置かれています。令和7年2月の改正で動いたのは特定建設業の下請代金の下限(4,500万円→5,000万円)などであり、条文も基準も別物です。特定建設業許可の記事もあわせてご確認ください。

営業所技術者等(旧:専任技術者)になれる資格

竹垣を棕櫚縄で結ぶ職人の手元。造園技能検定に代表される営業所技術者等の資格

営業所ごとに置く営業所技術者等は、許可要件のなかで最後まで残りやすい関門です。造園工事業について、国土交通省の建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧(2025年12月18日施行)から整理します。

一般・特定の両方に使える資格

資格 備考
1級造園施工管理技士 造園工事業の本命資格。特定建設業でも追加の実務経験は不要
技術士(建設「鋼構造及びコンクリート」/総合技術監理(建設)「鋼構造及びコンクリート」) 技術士法に基づく資格
技術士(建設「鋼構造及びコンクリート」を除く/総合技術監理(同)) 同上
技術士(森林「林業・林産」/総合技術監理(森林「林業・林産」)) 森林部門からも造園工事業に対応する
技術士(森林「森林土木」/総合技術監理(森林「森林土木」)) 同上

一般建設業のみに使える資格

資格 備考
2級造園施工管理技士 造園工事業については追加の実務経験なしで営業所技術者等になれる
技能検定 1級造園 追加の実務経験は不要
技能検定 2級造園 合格後3年以上の実務経験が必要
登録造園基幹技能者 講習修了者
登録運動施設基幹技能者 講習修了者

造園業では、職人としての腕は一級品でも「資格は技能検定の2級造園だけ」という方が珍しくありません。

この場合、合格後3年の実務経験が揃えば一般建設業の営業所技術者等になれます。ただし前述のとおり、そのまま特定建設業には進めません。会社として公共工事の元請を狙うなら、施工管理技士の受検計画を並行して立ててください。

実務経験ルート(資格がない場合)

資格がなくても、造園工事に関し10年以上の実務経験があれば一般建設業の営業所技術者等になれます。

指定学科を修めていれば期間が短縮されます。造園工事業の指定学科は「土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科」(建設業法施行規則第1条)で、農学部の林学科・緑地学科などが該当し得ます。

学歴 必要な実務経験年数
指定学科卒(大学・高等専門学校) 3年以上
指定学科卒(高校・中等教育学校) 5年以上
上記以外 10年以上

実務経験10年の証明|造園業がいちばん時間を取られる作業

事務所で10年分の工事書類を箱から出して仕分ける造園会社の経営者と行政書士

要件そのものより重いのが、その証明です。埼玉県の建設業許可申請・届出の手引き(令和8年4月施行版)をもとに、必要な資料を整理します。

証明者が「その業種の許可業者かどうか」で負担が変わる

ケース 必要な資料
証明者が造園工事業の許可業者 勤務していたことを確認する書類+証明期間の許可状況を確認できる書類(許可通知書の写し等)。工事実績の資料は提示を省略できる
証明者が許可業者でない 勤務していたことを確認する書類+工事実績を確認できる書類(契約書・請求書・注文書等で工事内容が明記されたものの写し+その工事に係る入金記録のある預金通帳の写し)

勤務の事実を示す書類は、厚生年金被保険者記録照会回答票(年金事務所またはねんきんネットで発行)か、雇用保険の資格取得手続をハローワークが証明する書類が基本です。

当時どちらにも未加入だった場合は、源泉徴収票の写し、または給料明細書と給与振込が記録された預金通帳の写しの提示で代替します。

知らないと詰む「四半期ルール」

工事実績の資料は、10年分をまんべんなく揃える必要があります。手引きが示す考え方は次の3点です。

【要チェック】工事実績資料の件数の考え方(埼玉県手引き)

①確認資料は、証明しようとする期間のすべてを含むようにする(始期の前・終期の後まで届くこと)。

②確認資料の年月と次の確認資料の年月までの間隔が四半期(3か月)未満であれば、間の資料の提示を省略できる。

③工期が複数月にわたる場合は、工期の月数で確認する(工期の月未満は切り上げ)。

②を裏返すと、3か月に1件以上のペースで資料が並んでいる状態を10年分つくる、ということです。単純計算で40件前後。ここで多くの会社が止まります。

さらに手引きは、工事内容が明記されていないもの(現場名の記載しかない等)は資料として認められないと明記しています。「◯◯公園 工事一式」だけの請求書は使えません。

造園業でとくに気をつけたい3つの落とし穴

  • 剪定・除草だけの契約書は実績にしにくい:手引きは「工事内容が明記されていないもの(現場名の記載しかない等)は資料として認められません」と明記しています。植栽・園路・修景施設など、工事の中身が読み取れる契約に絞って拾い出します。
  • 「人工」単位の請求に注意:手引きは、労務の提供のみを目的とした契約(請求単位が「人工」等)の実績を経営業務の管理責任者の経験としては認めないと注記しています。常勤役員等の要件を同じ資料でまかなおうとすると、ここで崩れます。
  • 入金記録とセットで残す:契約書・請求書があっても、対応する入金が通帳で追えないと認められません。今日からでも、工事ごとに「契約書・請求書・入金ページ」を1組で保存する運用に切り替えてください。

これは根性でどうにかなる作業ではなく、保存の仕組みがあるかどうかで決まる作業です。10年後の自分を助けるのは記憶ではなくファイル名です。

申請手順・費用・審査の流れ(2026年版)

窓口の決済端末にカードを差し込む手元。埼玉県の申請手数料は原則キャッシュレス決済

ステップ1:6つの要件を確認する

建設業許可は、次の要件をすべて満たす必要があります。造園工事業でも枠組みは共通です。

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者)を置いていること
  • 営業所ごとに営業所技術者等(旧:専任技術者)を専任で置いていること
  • 請負契約に関して誠実性があること
  • 財産的基礎等(一般建設業は自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力など)
  • 欠格要件に該当しないこと
  • 適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に加入していること

詳細は建設業許可の要件経営業務の管理責任者の記事で確認できます。

ステップ2:書類を準備する

造園工事業でボリュームが出るのは、やはり営業所技術者等の証明です。資格者がいるなら合格証明書の写しだけで済みますが、実務経験ルートなら前章の資料集めが本体になります。

あわせて、常勤役員等の経験証明、財産的基礎を示す残高証明書または決算書、社会保険の加入を示す資料、登記事項証明書、納税証明書などを揃えます。

ステップ3:申請先へ持参する

埼玉県知事許可の場合、申請先は埼玉県県土整備部建設管理課 建設業担当です。県土整備事務所ではなく、県庁での受付である点に注意してください。

項目 内容(埼玉県知事許可)
提出部数 正本1通、副本1通(副本は正本の複写でも可)
提出方法 電子申請を除きすべて持参による受付。郵送での受付は行っていない
受付時間 月〜金(祝日・年末年始を除く)午前9時〜11時、午後1時〜4時15分
新規申請時の推奨 新規・業種追加は審査に時間を要するため、午前9時または午後1時の提出に協力を求めている

ステップ4:手数料を納める

申請区分 手数料(埼玉県知事許可)
新規・許可換え新規・般特新規 9万円
業種追加 5万円
更新 5万円
組合せの例 一般の新規+特定の新規=9万円+9万円=18万円/一般の更新+一般の業種追加=5万円+5万円=10万円

ここで見落としやすいのが納付方法です。埼玉県では収入証紙による支払が令和6年3月末で終了しました。

令和6年4月からは、原則としてキャッシュレス決済(クレジットカード・電子マネー・コード決済)で納付します。県のサイトにも「原則として現金でのお支払いはできません」と明記されています。

証紙を買いに行く前提で段取りを組むと、当日そこで止まります。手数料は不許可になっても還付されない点も、あわせて押さえておいてください。費用の全体像は建設業許可の費用で整理しています。

ステップ5:許可後にやること

許可は取って終わりではありません。毎事業年度終了後4か月以内の決算変更届と、5年ごとの更新が続きます。

決算変更届を出していないと更新が受けられません。決算変更届許可の更新もセットで確認しておくと安全です。

公共工事に進むなら、決算変更届の次に経営事項審査と入札参加資格申請が控えています。造園は自治体発注の比率が高い業種ですから、ここまでを1本の線としてスケジュールに落としてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 造園工事に建設業許可は必要ですか?いくらから必要になりますか?

1件の請負代金が500万円(消費税を含んだ金額)以上になる造園工事を請け負う場合は、造園工事業の建設業許可が必要です。建設業法第3条第1項ただし書と建設業法施行令第1条の2により、許可なしで請け負えるのは1件500万円未満の工事に限られます。

造園工事は建築一式工事ではなく専門工事ですから、1,500万円や延べ面積150平方メートルという建築一式工事の別枠は使えません。

また、注文者が樹木や土壌改良材などの材料を提供する場合は、その市場価格(および運送賃)を加えた額が請負代金の額とされ、一つの工事を2以上の契約に分割したときは各契約の合計額で判定されます。

Q. 造園工事業に含まれる工事にはどんなものがありますか?

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインは、造園工事の例示として、植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事の10を挙げています。

工事の内容は「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と定義されています。

ガイドラインはさらに、植栽工事には植生を復元する建設工事が含まれること、公園設備工事には花壇・噴水その他の修景施設や休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便益施設等の建設工事が含まれることなどを明記しています。

Q. 造園工事業ととび・土工・コンクリート工事業はどう違いますか?

造園工事業は「庭園、公園、緑地等の苑地を築造する」ことが目的の工事です。これに対し、とび・土工・コンクリート工事業の例示には土工事、掘削工事、盛土工事、法面保護工事、外構工事、屋外広告物設置工事などが並び、苑地の築造を目的としない土工・外構はこちらに区分されます。

造成だけを請け負う、駐車場のコンクリート土間だけを打つ、ブロック塀だけを積むといった工事は造園工事業ではありません。

実務では1つの現場に植栽・園路・土工・排水が混在するため、契約前に工事内容を業種ごとに分解し、どの業種の許可で請け負うのかを決めておくことが重要です。

Q. 造園工事業の営業所技術者等(専任技術者)になれる資格は何ですか?

国土交通省の国家資格等一覧では、造園工事業の一般建設業・特定建設業の双方に対応するのは、1級造園施工管理技士と、技術士のうち建設部門(「鋼構造及びコンクリート」およびそれを除く区分)・総合技術監理(建設)、森林部門「林業・林産」「森林土木」および総合技術監理の該当区分です。

一般建設業のみに対応するのは、2級造園施工管理技士、技能検定の1級造園(2級造園は合格後3年以上の実務経験が必要)、登録造園基幹技能者、登録運動施設基幹技能者です。

造園工事業は指定建設業に含まれるため、特定建設業の営業所技術者等は上記の1級資格者・技術士または国土交通大臣の認定を受けた者に限られます。

Q. 資格がなくても実務経験10年で造園工事業の許可は取れますか?

一般建設業であれば取れます。造園工事に関し10年以上の実務経験があれば、一般建設業の営業所技術者等になれます。指定学科(土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科)を修めていれば、大学・高等専門学校卒で3年以上、高校卒で5年以上に短縮されます。

ただし特定建設業では、造園工事業が指定建設業であるため実務経験のルートは使えません。

証明の負担も重く、埼玉県の手引きでは、証明者が当該業種の許可業者でない場合、契約書・請求書・注文書等で工事内容が明記されたものの写しと、その工事に係る入金記録のある預金通帳の写しの提示が求められ、現場名の記載しかない資料は認められません。

Q. 造園工事業の許可申請にかかる費用と申請先を教えてください。

埼玉県知事許可の場合、新規(新規・許可換え新規・般特新規)は手数料9万円、業種追加と更新はそれぞれ5万円です。一般建設業の新規と特定建設業の新規を同時に申請すれば9万円+9万円で18万円というように、区分の組合せで加算されます。手数料は不許可になっても還付されません。

埼玉県では収入証紙による支払が令和6年3月末で終了しており、令和6年4月からは原則としてキャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、コード決済)で納付します。

申請先は埼玉県県土整備部建設管理課建設業担当で、電子申請を除きすべて持参による受付、郵送での受付は行っていません。

まとめ:造園の許可は「苑地を築造する目的か」と「指定建設業の壁」で決まる

造園工事業の許可を考えるとき、押さえるべき軸は3つです。

  • 金額:1件税込500万円以上なら許可が必要。樹木の支給分は請負代金に加算され、分割契約は合算される
  • 業種:判断軸は作業の種類ではなく「苑地を築造する目的か」。造成・外構はとび・土工、公園内の遊歩道は園路工事
  • 技術者:一般は実務経験10年でも可。ただし造園は指定建設業のため、特定は1級造園施工管理技士・技術士・大臣認定者に限られる

とくに3つ目は、人材計画を何年も前倒しさせる論点です。許可業者が減っている数少ない業種だからこそ、1級を抱えて特定まで進んだ会社の受注余地は広がっています。

実務経験10年の証明で必要な資料は、あとから集めるほど重くなります。今日の1件から契約書・請求書・入金記録を1組で残す運用に変えるだけで、数年後の申請は別物になります。

造園工事業の許可、業種追加、特定建設業への切替えについてお困りのことがあれば、着手前の段階でご相談ください。要件の当てはめと資料の見通しを、最初に一度そろえておくのがいちばんの近道です。

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