建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「うちは小さい会社だから建設業許可は必要ない」「下請けだから許可なしでも問題ない」——このように考えている建設事業者の方は少なくありません。

しかし、建設業許可なしで500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請け負うと、建設業法違反となります。違反した場合の罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金と非常に重く、「知らなかった」では済まされません。

この記事では、建設業許可の罰則について、無許可営業で科される法的ペナルティと、事業に与える3つの深刻なリスクをわかりやすく解説します。令和6年(2024年)12月施行の改正建設業法の内容も踏まえ、建設業許可の必要性を正しく理解し、適切な対応を取るための参考にしてください。

この記事でわかること:

  • 建設業許可が必要な工事の基準(500万円ルール)
  • 無許可営業に対する法的罰則の内容
  • 罰則以外に事業者が受ける3つのリスク
  • 「知らなかった」では済まされない無許可営業の典型パターン
  • 建設業許可を取得するために必要なこと

目次

建設業許可が必要な工事とは?

建設業許可とは、建設工事の適正な施工と発注者の保護を目的として、建設業法(昭和24年法律第100号)に基づき国土交通大臣または都道府県知事が付与する許可です。建設業許可の罰則を理解するためには、まずどのような工事に許可が必要なのかを正確に把握しておく必要があります。建設業法第3条では、一定規模以上の建設工事を請け負う場合には建設業許可が必要と定められています。

500万円以上の工事には建設業許可が必要

建設業許可が必要となる基準は以下のとおりです。

工事の種類 許可が必要となる金額基準
建築一式工事 1件の請負代金が1,500万円以上(税込)
または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅工事
建築一式工事以外の工事 1件の請負代金が500万円以上(税込)

この金額基準は税込み金額で判定します。また、正当な理由なく工事を分割して請け負った場合でも、合算した金額で判定されますので、「工事を分けたから大丈夫」という考えは通用しません(建設業法施行令第1条の2)。

つまり、建築一式工事以外の専門工事であれば、1件500万円以上の工事を請け負う時点で建設業許可が必須です。元請・下請の立場に関係なく、この基準は適用されます。

軽微な建設工事の範囲(許可が不要な工事)

上記の金額基準を下回る工事は「軽微な建設工事」に該当し、建設業許可がなくても請け負うことができます。

工事の種類 軽微な建設工事の範囲(許可不要)
建築一式工事 1件の請負代金が1,500万円未満(税込)
かつ延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事
建築一式工事以外 1件の請負代金が500万円未満(税込)

軽微な建設工事の詳細な範囲については、「軽微な建設工事とは?建設業許可が不要な工事の範囲」で詳しく解説しています。

ただし、軽微な建設工事のみを行う事業者であっても、事業拡大に伴い500万円以上の案件を受注する可能性がある場合は、早めに建設業許可を取得しておくことを強くおすすめします。許可の取得には準備期間が必要であり、急に必要になっても間に合わないケースがあるためです。

建設業許可なしで工事をした場合の罰則

建設業許可を受けずに許可が必要な工事を請け負った場合、建設業法に基づき厳しい罰則が科されます。「少額だから」「初めてだから」という事情は考慮されません。

罰則1:3年以下の懲役または300万円以下の罰金

建設業法第47条第1項第1号により、無許可で建設業を営んだ者には以下の罰則が科されます。

違反内容 罰則 根拠条文
無許可営業(許可を受けずに建設業を営んだ場合) 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり) 建設業法第47条第1項第1号

この罰則は懲役刑と罰金刑の併科が可能です。つまり、懲役刑と罰金刑の両方が同時に科される可能性があります。建設業法の罰則の中でも最も重い部類に入り、法律がこの違反を重大視していることがわかります。

また、この罰則は実際に工事を施工した場合だけでなく、許可なく建設工事の請負契約を締結した時点で適用される点に注意が必要です。

罰則2:法人への両罰規定(1億円以下の罰金)

個人事業主や従業員だけでなく、法人に対しても罰則が適用されます。建設業法第53条の両罰規定により、違反行為者が法人の業務に関して無許可営業を行った場合、法人に対して1億円以下の罰金が科されます。

対象 罰則
違反行為者(個人) 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
法人 1億円以下の罰金

法人経営者にとって、1億円以下の罰金は事業の存続を脅かしかねない金額です。「現場の判断で受注した」という場合でも、法人としての管理責任が問われます。

罰則3:営業停止処分・許可取消処分

刑事罰に加えて、行政処分を受ける可能性もあります。すでに建設業許可を持っている事業者が別の業種で無許可営業を行った場合、既存の許可に対しても以下の処分が科されることがあります。

  • 指示処分:違反行為の是正を求める行政指導
  • 営業停止処分:1年以内の期間を定めて営業活動を禁止
  • 許可取消処分:建設業許可そのものを取り消し

許可取消処分を受けた場合、取消しの日から5年間は新たに建設業許可を取得できません(建設業法第8条)。これは事実上、5年間にわたり500万円以上の工事を受注できなくなることを意味し、事業への影響は甚大です。

なお、国土交通省の監督処分情報によれば、無許可営業を含む建設業法違反に対する監督処分は毎年一定数公表されており、行政による取り締まりは継続的に実施されています。

罰則だけではない|無許可営業による3つのリスク

建設業法違反の罰則は刑事罰だけにとどまりません。無許可営業が発覚した場合、事業全体に深刻なダメージを与える3つのリスクがあります。

リスク1:取引先・元請からの信用失墜

元請会社のコンプライアンス意識は年々高まっています。国土交通省は「建設業法令遵守ガイドライン」を策定し、元請に対して下請業者の許可状況の確認を求めています。

無許可営業が取引先に発覚した場合、取引停止や契約解除となるのが一般的です。さらに、元請会社が無許可業者に発注したことが判明すれば、元請側も下請契約の制限違反(建設業法第16条)として監督処分(建設業法第28条)の対象となるため、業界内での信用回復は極めて困難です。

一度失った信用を取り戻すには長い時間がかかります。取引先との関係を維持するためにも、適正な許可を取得しておくことが重要です。

リスク2:公共工事の入札に参加できない

公共工事を受注するためには、建設業許可の取得が大前提です。許可を持っていなければ経営事項審査(経審)を受けることができず、入札参加資格の申請もできません。

公共工事は景気に左右されにくく、安定した売上を確保できる重要な受注チャネルです。無許可の状態では、この事業拡大の機会を自ら閉ざしていることになります。

リスク3:将来の建設業許可取得に影響する

建設業法違反で罰金刑以上の刑に処された場合、その刑の執行が終わってから5年間は建設業許可の欠格要件に該当します(建設業法第8条)。

つまり、無許可営業で罰金刑を受けると、その後5年間は建設業許可を取得できなくなるのです。「今は許可なしでやっているが、そのうち取ろう」と考えている事業者にとって、これは最も深刻なリスクといえます。

欠格要件に該当するケース 許可を取得できない期間
建設業法違反で罰金刑以上の刑に処された 刑の執行終了後5年間
建設業許可を取り消された 取消しの日から5年間
営業停止処分に違反した 刑の執行終了後5年間

将来の許可取得の道を閉ざさないためにも、無許可のまま事業を続けることのリスクを正しく認識し、早めに許可取得に動くことが大切です。

「知らなかった」では済まされない|無許可営業でよくあるケース

実務の現場では、悪意なく建設業法に違反してしまうケースが少なくありません。以下の3つは特に多い典型的なパターンです。

ケース1:工事の途中で請負金額が500万円を超えてしまった

当初は500万円未満の見積もりで受注した工事でも、追加工事や仕様変更により最終的な請負金額が500万円以上になるケースがあります。この場合、当初の契約金額ではなく最終的な請負金額で判定されるため、建設業許可が必要です。

「最初は500万円未満だったから」という主張は認められません。追加工事が発生する可能性がある場合は、あらかじめ許可を取得しておくべきです。

ケース2:下請けだから許可は不要だと思っていた

建設業許可は元請・下請に関係なく必要です。「下請けは許可がいらない」というのは完全な誤解です。500万円以上の工事を請け負う限り、元請から受注する下請業者にも同じ基準が適用されます。

むしろ、元請会社は下請業者の許可状況を確認する義務があり、無許可の下請業者に発注した元請も建設業法違反に問われます。元請・下請双方にとって、許可の確認は欠かせない実務です。

ケース3:建設業許可の更新を忘れて失効していた

建設業許可の有効期間は5年間です。更新手続きは有効期間満了の30日前までに行う必要があります。更新を忘れて許可が失効した状態で工事を請け負うと、無許可営業と同じ扱いになります。

許可が失効した場合は、業種追加や更新ではなく「新規申請」をやり直す必要があり、手続きと費用の両面で大きな負担が生じます。建設業許可の更新手続きの期限管理は、許可業者にとって最も重要な実務のひとつです。

【令和6年改正】建設業法の罰則に関する最新動向

令和6年(2024年)6月に「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、同年12月13日に施行されました(国土交通省 改正建設業法の概要)。この改正は、建設業の担い手確保と労働環境の改善を主な目的としています。

令和6年改正の主なポイント:

  • 労務費の基準の設定:中央建設業審議会が労務費の基準を作成・勧告する制度が新設。著しく低い労務費での見積もり・契約は勧告・公表の対象に
  • 資材高騰への対応強化:請負代金の変更方法をあらかじめ契約書に記載する義務が強化。不当に低い請負代金での契約締結は監督処分の対象に
  • 「専任技術者」の名称変更:法律上の名称が「営業所技術者等」に変更(実質的な要件は従来と同様)
  • ICT活用による監理技術者の兼務緩和:一定要件のもと、営業所技術者等が1億円未満(建築一式は2億円未満)の工事現場の監理技術者等を兼務可能に

この改正により、不当に低い請負代金での契約締結に対する監督処分が強化されました。無許可営業だけでなく、適正な請負代金の確保も建設業法上の重要な義務として位置づけられています。建設業に携わる事業者は、改正内容を正しく理解しておく必要があります。

建設業許可を取得するために知っておくべきこと

無許可営業のリスクを理解したら、次は建設業許可の取得に向けて具体的に動くことが重要です。ここでは、許可取得に必要な基本的な情報をまとめます。

建設業許可の5つの要件

建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

要件 概要
1. 経営業務の管理責任者がいること 建設業の経営経験が5年以上ある常勤の役員等が必要
2. 営業所技術者等がいること 該当業種の国家資格または10年以上の実務経験を持つ常勤の技術者が必要
3. 誠実性があること 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
4. 財産的基礎があること 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力
5. 欠格要件に該当しないこと 破産者や建設業法違反で罰金刑を受けた者等に該当しないこと

特に要件2の営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保が最大のハードルとなるケースが多いです。自社の人材が要件を満たせるかどうか、資格や実務経験を棚卸しすることが第一歩です。各要件の詳細については「建設業許可の要件」で解説しています。

許可取得にかかる費用と期間

建設業許可の取得にかかる費用と期間の目安は以下のとおりです。

項目 知事許可 大臣許可
申請手数料 9万円 15万円
審査期間 約30日 約120日
行政書士報酬(依頼する場合) 10万〜20万円程度 15万〜30万円程度

書類の準備期間を含めると、申請から許可取得まで2〜4か月程度を見込んでおく必要があります。急に許可が必要になっても間に合わない場合があるため、早めの準備が肝心です。費用の詳細は「建設業許可の費用」、取得手順は「建設業許可の取り方」もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 500万円未満の工事しかしない場合でも建設業許可は取るべきですか?

法律上は不要ですが、取得しておくことをおすすめします。建設業許可は事業者の信用力を証明するものであり、元請からの信頼獲得や取引拡大につながります。また、追加工事で500万円を超える可能性がある場合のリスク回避にもなります。

Q. 無許可営業はどのように発覚するのですか?

主な発覚経路は、元請会社による許可番号の確認行政庁の立入検査同業者や取引先からの通報の3つです。国土交通省と都道府県は「駆け込みホットライン」等の通報窓口を設けており、近年は取り締まりが強化されています。

Q. 建設業法に違反した場合、元請にも罰則はありますか?

はい、元請にも罰則があります。建設業法第16条(下請契約の制限)および第28条(監督処分)により、建設業許可を持たない業者に500万円以上の下請工事を発注した元請は、監督処分(指示処分・営業停止処分)の対象となります。元請・下請双方がリスクを負うことになります。

Q. 個人事業主でも建設業許可は取得できますか?

はい、個人事業主でも建設業許可を取得できます。法人・個人を問わず、5つの許可要件を満たしていれば申請可能です。ただし、個人で取得した許可は法人成りした場合に引き継げないため、将来の法人化も視野に入れて検討するとよいでしょう。

Q. 建設業許可の罰則で前科はつきますか?

建設業法違反で罰金刑以上の刑に処された場合、前科がつきます。前科は本人の社会的信用に影響するだけでなく、建設業許可の欠格要件にも該当するため、刑の執行終了後5年間は許可を取得できなくなります。

まとめ:無許可営業のリスクを理解し、早めの許可取得を

建設業許可なしで許可が必要な工事を請け負うことは、建設業法違反です。本記事のポイントをまとめます。

  • 500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事には建設業許可が必須
  • 無許可営業の罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)
  • 取引先からの信用失墜により、既存の取引関係を失うリスクがある
  • 公共工事の入札に参加できず、事業拡大の機会を逃す
  • 罰金刑を受けると5年間は許可取得不可となり、将来の事業に重大な影響
  • 下請けでも許可は必要であり、更新忘れによる失効にも注意が必要

建設業許可の罰則は、事業者が想像する以上に重いものです。「まだ大丈夫」「そのうち取ろう」と先延ばしにしているうちに、思わぬ形で違反が発覚し、取り返しのつかない事態に陥るケースは実際に起きています。

建設業許可の取得は、事業を守るための最も基本的な投資です。許可要件を満たせるかどうかの確認から、申請書類の作成・提出まで、建設業許可の専門家である行政書士がトータルでサポートいたします。

「自社で許可を取れるか知りたい」「手続きに不安がある」という方は、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。


免責事項:本記事は2026年4月時点の法令に基づき、一般的な情報提供を目的として作成しています。法律上のアドバイスを構成するものではありません。個別の案件については、行政書士等の専門家または管轄の行政庁にご相談ください。法令は改正される場合がありますので、最新の情報はe-Gov法令検索(建設業法)でご確認ください。

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