建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

最終更新日:2026年4月17日|令和6年改正建設業法(2024年12月施行)対応済み

エアコンの入れ替えや給排水の改修を重ねるうち、1件の見積もりが税込500万円を超える——ここが管工事業で建設業許可の要否が変わる分岐点です。冷暖房・給排水・ガス配管などが対象になります。

管工事業は建設業29業種のなかでも許可業者数が上位に入る主要業種で、設備工事会社や水道工事業者の多くが取得しています。国土交通省の許可業者数調査でも、毎年多くの新規取得が確認できます。

取得には、営業所技術者等(令和6年12月改正で旧「専任技術者」から改称)の資格や実務経験、財産的基礎など5つの要件が必要です。管工事は該当する国家資格が比較的そろい、資格ルートを選びやすい業種です。

本記事では、管工事の定義と具体的な工事例、5つの取得要件と使える資格、申請手順・費用・審査期間までを、行政書士の視点で包括的に解説します。

この記事でわかること:

  • 管工事業の定義と該当する工事の具体例
  • 管工事業と他の業種(水道施設工事業等)との違い
  • 管工事業の建設業許可に必要な5つの要件
  • 営業所技術者等(旧:専任技術者)に必要な資格・実務経験の一覧
  • 申請手順・費用・審査期間の目安

目次

管工事業とは?定義と該当する工事の具体例

管工事業とは、建設業法で定められた29業種のうちのひとつで、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等 送配するための設備を設置する工事を行う業種です(建設業法別表第一)。

日常生活やビジネスに欠かせないライフラインに関わる工事であり、住宅・ビル・工場・公共施設のあらゆる建物に管工事は不可欠です。

管工事に該当する工事の具体例

管工事業の範囲は幅広く、以下のような工事が該当します。

工事の分類 具体例
冷暖房設備 事 エアコンの配管工事、ボイラー配 工事、冷温水配管工事
冷凍冷蔵設備工事 冷凍倉庫の冷媒配管工事、冷蔵設備の配管施工
空気調和設備工事 ビル空調のダクト配管、換気設備の配管工事
給排水・給湯設備工事 建物内の給水管・排水管の設置、給湯器の配管接続
衛生設備工事 トイレ・洗面所の配管工事、厨房の排水設備工事
ガス配管工事 都市ガス・プロパンガスの屋内配管工事
ダクト工事 空調ダクトの設置、厨房排気ダクトの 工
浄化槽工事 浄化槽の設置工事(浄化槽工事業者登録も別途必要)
スプリンクラー設置工事 消火用スプリンクラーの配管設置(配管部分が管工事に該当)

管工事業と間違えやすい業種との違い

管工事業は他の業種と境界が曖昧になりやすいため、違いを正確に理解しておくことが重要です。

業種 対象工事 管工事業との違い
水道施設工事業 上水道・下水道の施設本体(取水・浄水・配水施設等)の建設 管工事業は建物内外の「配管」工事、水道施 工事業は「施設本体」の建設
機械器具設置工事業 機械器具の組立て・据付け工事 管工事業は「配管」部分、機械器具設置工事業は「機械本体」の据付け
消防施設工事業 スプリンクラー・消火栓等の消防施設の設置 スプリンクラーの配管部分は管工事、消防用設備全体の設置は消防施設工事
電気工事業 発電設備・送配電設備・照明設備等の電気工事 管工事業は「配管」、電気工事業は「電気設備」の設置。エアコン工事では配管が管工事、電気接続が電気工事

工事の内容によっては管工事と他の業種の工事が混在することがあります。たとえば、ビルの空調設備工事では配管部分が管工事、電気接続部分が電気工事、機械本体の据付けが機械器具設置工事に該当する場合があります。複数の業種にまたがる工事を請け負う場合は、それぞれの業種の許可が必要になるケースもありますので、業種追加の検討もあわせて行いましょう。

管工事業で建設業許可が必要になるケース

管工事を1件500万円以上(税込)で請け負う場合は、管工事業の建設業許可が必要です(建設業法第3条第1項)。この金額基準は、元請・下請の立場に関係なく適用されます。

500万円未満の管工事のみを行う場合は許可なしでも工事を請け負えます(軽微な建設工事に該当)。ただし、以下のようなケースでは許可の取得が実務上求められます。

  • 元請から許可の取得を要請されている:コンプライアンス強化の流れで、下請業者にも許可を求める元請が増加
  • 公共工事の入札に参加したい:建設業許可がなければ経営事項審査を受けられない
  • 追加工事で500万円を超える可能性がある:当初は軽微な工事でも、追加工事により金額基準を超えるリスクがある
  • 事業の信用力を高めたい:建設 許可は事業者としての適格性を公的に証明するものであり、取引先からの信頼獲得につながる

管工事業の建設業許可に必要な5つの要件

管工事業の建設業許可を取得するには、他の業種と同様に以下の5つの要件をすべて満たす必要があります(建設業許可の要件の詳細はこちら)。

要件1:経営業務の管理責任者がいること

建設業の経営業務について総合的に管理する常勤の役員等(経営業務の管理責任者)が必要です。以下のいずれかに該当する方が社内にいれば、この要件を満たせます。

  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験がある者
  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあった者
  • 建設業に関し6年以上の補佐経験がある者

令和2年(2020年)の法改正により、経験は「建設業全般」で認められるようになりました。管工事業以外の建設業での経営経験でも要件を充足できます。

要件2:営業所技術者等(旧:専任技術者)がいること【最重要】

管工事業の許可取得で最も重要かつハードルとなるのが、営業所技術者等の確保です。管工事業に対応した国家資格または実務経験を持つ技術者を、営業所ごとに常勤で配置する必要があります。

営業所技術者等の要件は一般建設業特定建設業で異なります。

一般建設業の営業所技術者等(管工事業)

以下のいずれかに該当する方が営業所技術者等になれます。

資格・経験の区分 具体的な内容
国家資格 ・1級管工事施工管理技士
・2級管工事施工管理技士
・給水装置工事主任技術者(免状交付後、管工事の実務経験1年以上)
・冷凍空調技士(公益社団法人日本冷凍空調学会認定)
・技術士(機械部門「流体工学」「熱工学」、上下水道部門、衛生工学部門)
・建築設備士(資格取得後、管工事の実務経験1年以上)
・1級建築士(管工事の実務経験1年以上)
実務経験 管工事の実務経験が10年以上
指定学科卒業+実務経験 ・大学(土木工学、建築学、機械工学、都市工学、衛生工学に関する学科)卒業後、管工事の実務経験3年以上
・高等学校(同上の学科)卒業後、管工事の実務経験5年以上

特定建設業の営業所技術者等(管工事業)

特定建設業許可は、元請として下請代金5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の下請契約を締結する場合に必要です。管工事業で特定建設業許可を取得する場合、営業所技術者等の要件はより厳しくなります。

資格・経験の区分 具体的な内容
国家資格 1級管工事施工管理技士
・技術士(機械部門「流体工学」「熱工学」、上下水道部門、衛生工学部門)
指導監督的実務経験 一般建設業の営業所技術者等要件を満たす者で、かつ管工事に関し元請として請負代金4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験がある者(建設業法施行規則第7条の3)

特定建設業の場合、2級管工事施工管理技士では営業所技術者等になれません。1級管工事施工管理技士または技術士の資格が求められます。この点は管工事業の特定建設業許可を検討する際に特に注意が必要です。

なお、令和6年12月施行の改正建設業法により、一定の要件を満たせば営業所技術者等が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事現場の監理技術者等を兼務できるようになりました。管工事業は複数の現場を並行して施工するケースが多いため、技術者の配置計画を立てる際に特に活用しやすい制度です。

要件3:誠実性があること

法人の場合は法人自身・役員等・支店長等が、個人の場合は本人・支配人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。建築士法や宅地建物取引業法等で免許取消処分を受けて5年を経過していない場合は該当します。

要件4:財産的基礎があること

許可区分 財産的基礎の要件
一般建設業 以下のいずれかを満たすこと
・自己資本が500万円以上
・500万円以上の資金調達能力がある
・許可申請直前の過去5年間に許可を受けて継続して営業した実績がある
特定建設業 以下のすべてを満たすこと
・欠損の額が資本金の20%を超えていない
・流動比率が75%以上
・資本金が2,000万円以上
・自己資本が4,000万円以上

要件5:欠格要件に該当しないこと

以下のような欠格要件に該当しないことが必要です。

  • 破産者で復権を得ない者
  • 建設業許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行終了から5年を経過しない者
  • 建設業法・建築基準法等の一定の法律に違反して罰金刑に処せられ、刑の執行終了から5年を経過しない者
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

管工事業の建設業許可の申請手順

管工事業の建設業許可の申請は、以下の5つのステップで進めます。

ステップ1:要件の確認

まず、5つの許可要件を満たしているかを確認します。特に営業所技術者等になれる人材が社内にいるかどうかが最重要ポイントです。管工事施工管理技士などの資格者がいるか、10年以上の管工事の実務経験を持つ社員がいるかを確認してください。

ステップ2:必要書類の準備

主な申請書類は以下のとおりです。

書類名 備考
建設業許可申請書(様式第一号) 申請業種に「管工事業」を記載
営業所技術者等証明書(様式第八号) 管工事業の技術者を証明
資格証明書の写し 管工事施工管理技士等の資格証の写し
実務経験証明書 資格ではなく実務経験で証明する場合
経営業務の管理責任者証明書 経営経験を証明する書類
定款の写し(法人の場合) 事業目的に管工事業に関する記載があること
登記事項証明書 法務局で取得(発行から3か月以内)
財務諸表 直前の決算期のもの
納税証明書 法人税または所得税の納税証明書

※都道府県によって求められる書類が異なる場合がありますので、必ず申請先の行政庁の手引きを確認してください。

ステップ3:申請書の作成・提出

書類が揃ったら、許可行政庁に申請します。知事許可の場合は都道府県の建設業許可担当窓口、大臣許可の場合は地方整備局が申請先です。一部の自治体では電子申請(JCIP:建設業許可・経営事項審査電子申請システム)にも対応しています。

ステップ4:審査

許可の種類 審査期間の目安
知事許可 約30日
大臣許可 約120日

書類に不備があれば補正を求められ、審査期間がさらに延びることがあります。

ステップ5:許可通知書の受領

審査を通過すると許可通知書が郵送されます。許可通知書は再発行されませんので、大切に保管してください。許可の有効期間は5年間です。

管工事業の建設業許可にかかる費用

管工事業の建設業許可の費用は、申請区分によって異なります(費用の詳細はこちら)。

申請区分 知事許可 大臣許可
新規申請 9万円 15万円
業種追加 5万円 5万円
行政書士報酬(依頼する場合) 10万〜20万円程度 15万〜30万円程度

すでに他の業種で建設業許可を持っている事業者が管工事業を追加する場合は、業種追加(5万円)で申請できます。新規申請(9万円)より手数料が抑えられるため、既存の許可がある方は業種追加を検討してください。

管工事業の許可取得でよくあるケース

管工事業の建設業許可取得を検討される事業者には、いくつかの典型的なパターンがあります。以下に、実務でよく見られるケースをご紹介します。

ケース1:2級管工事施工管理技士で一般建設業許可を取得

空調設備会社のA社は、これまで500万円未満の小規模な空調配管工事を中心に受注してきましたが、元請から500万円を超える案件を打診されたことをきっかけに許可取得を決意。社内に2級管工事施工管理技士の資格を持つ社員がいたため、その社員を営業所技術者等として配置し、一般建設業許可を取得しました。許可取得後は受注できる工事の幅が広がり、売上向上につながっています。

ケース2:実務経験10年で営業所技術者等の要件を充足

水道工事業者のB社は、国家資格を持つ社員がいませんでしたが、代表者自身が管工事の実務経験を15年以上持っていました。過去の工事契約書や注文書を整理して実務経験を証明し、代表者を営業所技術者等として許可を取得。資格がなくても許可取得は可能であることを示す好例です。

ケース3:とび・土工工事業の許可に管工事業を業種追加

総合的な設備工事を手がけるC社は、すでにとび・土工工事業の建設業許可を保有。新たに管工事も受注したいと考え、業種追加で管工事業の許可を取得しました。新規申請の手数料9万円に対して業種追加は5万円で済み、手続きもスムーズに完了しています。

管工事業の建設業許可取得時の注意点

注意点1:浄化槽工事を行う場合は別途登録が必要

浄化槽の設置工事は管工事に該当しますが、浄化槽工事業者として都道府県知事への登録(浄化槽法第21条)が別途必要です。ただし、管工事業の建設業許可を取得した事業者は、浄化槽法第33条に基づく「特例浄化槽工事業者」の届出を行うことで、別途の登録なく浄化槽工事を行えます。届出先や手続きの詳細は管轄の行政庁にご確認ください。

注意点2:管工事と他業種の区別に注意する

先述のとおり、管工事業と水道施設工事業・消防施設工事業・機械器具設置工事業は工事の内容が似ている部分があります。許可を受けていない業種の工事を請け負うと無許可営業となり、建設業法違反(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。自社が行う工事がどの業種に該当するのか、事前に正確に把握してお ましょう。

注意点3:個人事業主は法人成りに注意

個人事業主として取得した建設業許可は、法人成りした場合にそのまま引き継ぐことができません。法人として新たに許可を取り直す必要があります 将来の法人化を視野に入れてい 場合は、最初から法人で許可を取得することも選択肢として検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 管工事業の建設業許可はいくらかかりますか?

知事許可の新規申請で9万円、大臣許可で15万円の申請手数料がかかります。行政書士に依頼する場合は別途10万〜20万円程度の報酬が目安です。すでに他の業種の許可を持っている場合は業種追加(5万円)で申請できます。

Q. 管工事業の営業所技術者等(専任技術者)になれる資格は何ですか?

一般建設業許可では、1級・2級管工事施工管理技士給水装置工事主任技術者(免状交付後1年の実務経験が必要)、冷凍空調技士などが該当します。特定建設業許可では1級管工事施工管理技士または技術士(衛生工学・上下水道部門等)が必要です。

Q. 管工事業の建設業許可の取得にどのくらいの期間がかかりますか?

知事許可の審査期間は約30日、大臣許可は約120日が目安です。書類の準備期間を含めると、トータルで2〜4か月程度を見込んでおく必要があります。

Q. 資格がなくても管工事業の建設業許可は取得できますか?

はい、国家資格がなくても取得は可能です。管工事の実務経験が10年以上ある方、または指定学科卒業後に一定年数の実務経験がある方は、営業所技術者等の要件を満たすことができます。

Q. 管工事業と水道施設工事業の違いは何ですか?

管工事業は建物内外の配管工事(給排水・冷暖房・ガス配管等)を対象とし、水道施設工事業は上水道・下水道の施設本体 取水施設・浄水施設・配水施設等)の建設工事を対象とします。家屋内の水道配管は管工事業、浄水場の建設は水道施設工事業に該当します。

まとめ:管工事業の建設業許可は営業所技術者等の確保がカギ

管工事業の建設業許可は、設備工事・水道工事・空調工事を500万円以上の規模で受注するために必要な許可です。本記事のポイントをまとめます。

  • 管工事業は冷暖房・給排水・ガス配管などの配管設備の設置工事を行う業種
  • 1件500万円以上(税込)の工事を請け負うには建設業許可が必須
  • 許可取得には5つの要件を満たす必要があり、営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保が最大のハードル
  • 一般建設業は管工事施工管理技士(1級・2級)10年以上の実務経験で要件充足可能
  • 特定建設業は1級管工事施工管理技士または技術士が必要
  • 申請手数料は新規9万円(知事許可)、業種追加は5万円、審査期間は約30〜120日

管工事業の建設業許可の取得は、要件の確認と技術者の確保さえできれば手続き自体は決して難しくありません。しかし、営業所技術者等の資格・実務経験の判断や、必要書類の準備には専 的な知識が求められるケースもあります。

「自社で要件を満たせるか分からない」「管工事施工管理技士の資格で要件を満たせるか確認したい」という方は、建設業許可の専門家である行政書士にご相談ください。要件の確認から申請書類の作成・提出まで、トータルでサポートいたします。

管工事業の許可を取りたいが要件を満たせるか不安、必要書類や費用の見通しを知りたい——そんなときは初回無料の相談をご利用ください。要件確認から申請書類の作成・提出まで一貫してお引き受けします。


免責事項:本記事は2026年4月時点の法令に基づき、一般的な情報提供を目的として作成しています。法律上のアドバイスを構成するものではありません。個別の案件については、行政書士等の専門家または管轄の行政庁にご相談ください。法令は改正される場合がありますので、最新の情報はe-Gov法令検索(建設業法)でご確認ください。

この記事をシェアする