「道路工事や河川工事を元請で請け負いたいので土木工事業の建設業許可を取りたい」「とび・土工や舗装の許可ですでに営業しているが、公共工事の入札参加に向けて土木一式の許可も必要と言われた」——こうした相談は、建設業許可申請の現場で日常的に寄せられます。

土木工事業(建設業法上の正式名称は土木一式工事業)は、建設業29業種の筆頭に位置し、建築一式工事業と並んで「一式工事」に分類される特別な許可業種です。総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事を対象としており、専門工事(とび・土工、舗装、しゅんせつ等)とは性格が大きく異なります。

本記事では、土木工事業 建設業許可を取得したい事業者・個人事業主に向けて、定義・他業種との違い・許可5要件・営業所技術者等(旧:専任技術者)の資格要件・必要書類・申請の流れ・費用までを、令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法対応で体系的に解説します。

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では検索上のわかりやすさを考慮し、旧名称「専任技術者」も併記しています。

この記事でわかること:

  • 土木工事業(土木一式工事業)の定義(建設業法別表第一)
  • 土木一式工事と専門工事(とび・土工、舗装、しゅんせつ等)の違い
  • 土木工事業と建築一式工事業の違い
  • 許可が不要な「軽微な建設工事」の基準(土木一式は1,500万円)
  • 土木工事業の許可5要件と営業所技術者等の資格要件
  • 必要書類・申請手数料・審査期間
  • 土木工事業 許可の取り方(申請の5ステップ)

目次

土木工事業(土木一式工事業)とは?建設業法上の定義

土木工事業とは、建設業法第3条および別表第一に定める29業種のうち、「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事」を指す許可業種です。国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」では、土木一式工事は原則として元請の立場で請け負うものと明記されています。

ここで重要なのは、土木工事業は「土木工作物の建設を総合的にマネジメントする工事」であり、単一の専門工事を切り出して請け負う性格のものではないという点です。たとえば道路を新設する場合、用地造成・路床路盤工・舗装・排水・標識設置といった複数の専門工事を組み合わせて1つの土木工作物を完成させる必要があり、これを元請として総合管理する立場が土木工事業の本来の役割です。

土木一式工事の代表的な工事例

土木一式工事に該当する例 土木一式工事に該当しない(専門工事の)例
道路新設工事(路床・路盤・舗装・排水を一体で元請施工) 既存道路の舗装打替えのみ(→舗装工事業)
橋梁新設工事(下部工・上部工・取付道路を含む) 橋梁の塗装塗替え工事のみ(→塗装工事業)
河川改修工事・護岸工事(一体的に元請施工) 掘削・盛土等のとび・土工工事のみ(→とび・土工工事業)
トンネル新設工事 港湾の浚渫工事のみ(→しゅんせつ工事業)
上下水道の取水・浄水・配水場の総合建設 取水場内の管路敷設工事のみ(→水道施設工事業)
区画整理・宅地造成工事(公共・民間の総合元請) 宅地内の擁壁工事のみ(→とび・土工またはコンクリート工事系)

このように、土木一式工事は複数の専門工事を組み合わせた「総合工事」であり、単独の専門工事を切り出して請け負う場合は、対応する専門工事業の許可が必要です。建設業許可の業種選定で迷うケースが最も多いポイントですので、建設業許可の取り方とあわせて整理しておきましょう。

土木工事業と建築一式工事業の違い

土木工事 建築一式 違いは、許可業種選定でしばしば混同されるポイントです。両者とも「一式工事」に分類されますが、対象とする工作物・必要な資格・実務経験の系統がまったく異なります。

区分 土木一式工事業 建築一式工事業
対象工作物 土木工作物(道路・橋梁・河川・トンネル・上下水道・造成等) 建築物(住宅・ビル・マンション・工場等)
典型的な発注者 国・都道府県・市町村などの公共発注が中心 民間発注(個人・法人)が中心
軽微な工事の基準 1件1,500万円未満(消費税込) 1件1,500万円未満
または延べ面積150㎡未満の木造住宅
営業所技術者等の代表資格 1級・2級土木施工管理技士、技術士(建設部門等)、建設機械施工技士 1級・2級建築士、木造建築士、1級・2級建築施工管理技士
指定学科 土木工学・都市工学・農業土木学・林業土木学・砂防学・森林土木学等 建築学・都市工学等
請負の立場 原則として元請 原則として元請

両者は完全に独立した許可業種であり、土木一式の許可を持っているからといって建築一式工事を請け負うことはできませんし、その逆も同様です。両方の工事を元請で受注したい場合は、それぞれ別個に許可を取得する必要があります。建築一式工事業については建築一式工事業の建設業許可|要件・他29業種との違いを解説で詳しく解説しています。

土木一式工事と専門工事の違い・「土木工事業 500万円」ルール

建設業29業種は、2種類の一式工事(土木一式・建築一式)27種類の専門工事で構成されます。土木分野の専門工事には、とび・土工工事業、石工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、水道施設工事業など複数の業種があり、これらと土木一式の違いを理解することは適切な業種選定の出発点です。

土木一式工事と専門工事の比較

区分 土木一式工事 専門工事(27業種)
工事の性格 総合的な企画・指導・調整を要する土木工作物の建設 特定の専門分野の工事
請負の立場 原則として元請 元請・下請いずれも可
軽微な工事の基準 1件1,500万円未満(消費税込) 1件500万円未満(消費税込)
代表例 道路新設、橋梁新設、河川改修、造成、上下水道整備 とび土工、舗装、しゅんせつ、鋼構造物、水道施設等

土木分野の主な専門工事業との関係

土木工事業の許可を検討する事業者が混同しがちな専門工事業との違いを整理します。

業種 主な工事内容 土木一式との関係
とび・土工工事業 足場組立、掘削・盛土、地盤改良、コンクリート打設等 土木一式工事の一部として施工される代表的専門工事
舗装工事業 道路のアスファルト・コンクリート舗装、路盤工 道路新設の元請=土木一式/舗装単独=舗装工事業
しゅんせつ工事業 港湾・河川の浚渫 河川改修の元請=土木一式/浚渫単独=しゅんせつ工事業
水道施設工事業 上下水道の取水・浄水・配水場、下水処理場の建設 上下水道全体の元請=土木一式/施設単体=水道施設工事業
鋼構造物工事業 鉄骨建方、橋梁の鋼桁製作・架設 橋梁新設の元請=土木一式/鋼桁架設単独=鋼構造物工事業

判断基準は「元請として複数の専門工事を組み合わせて土木工作物を完成させるか」「単一の専門工事を切り出して請け負うか」です。前者なら土木一式、後者なら該当する専門工事業の許可が必要になります。

「土木工事業 500万円」と1,500万円の関係

土木工事業 500万円」というキーワードで検索される方が多いのは、専門工事の軽微基準(500万円)と土木一式の軽微基準(1,500万円)が混同されやすいためです。整理すると以下のとおりです。

工事の種類 許可不要となる軽微な建設工事の基準
土木一式工事 1件の請負代金が1,500万円未満(消費税込)
建築一式工事 1件1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅
とび・土工、舗装、しゅんせつ等の専門工事(27業種) 1件の請負代金が500万円未満(消費税込)

つまり土木一式工事業として元請で工事を受注する場合、1件1,500万円未満なら許可不要です。一方、土木一式の許可を持っていても、舗装やとび・土工を単独で500万円以上請け負うには、それぞれ該当業種の許可が別途必要です。許可不要となる軽微な工事の詳細は軽微な建設工事とは?建設業許可が不要な工事の範囲で解説しています。

また、これらの基準を超える工事を無許可で請け負った場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)に処せられる可能性があります。罰則の詳細は建設業許可違反の罰則をご確認ください。

土木工事業 許可要件(土木一式工事 許可要件)の全体像

土木工事業の建設業許可を取得するには、建設業法第7条(一般建設業)または第15条(特定建設業)に定める5つの要件をすべて満たす必要があります。建設業許可全体の要件構成は建設業許可の要件とは?取得に必要な5つの条件をわかりやすく解説で詳しく解説しています。

要件 概要 土木工事業での主なポイント
1. 経営業務の管理責任者 常勤役員等として5年以上の経営経験 建設業全般の経営経験で可(令和2年改正で緩和)
2. 営業所技術者等(旧:専任技術者) 営業所ごとに常勤の技術者を配置 土木施工管理技士、技術士(建設部門等)、実務経験10年等
3. 誠実性 請負契約に関し不正・不誠実でないこと 通常の事業者であれば問題なし
4. 財産的基礎 自己資本500万円以上等 一般建設業は500万円基準、特定建設業は4要件すべて
5. 欠格要件に該当しない 破産・暴力団関係者・5年以内の許可取消等に非該当 役員・支店長等まで含めて確認が必要

要件1:経営業務の管理責任者がいること

常勤役員等のうち1名が、以下のいずれかの経営経験を持つ必要があります。

  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験
  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位での経験
  • 建設業に関し6年以上の経営業務の管理責任者を補佐した経験
  • 建設業の役員等として2年以上を含む5年以上の役員経験+財務管理・労務管理・業務運営の補佐者を配置(組織体制での充足)

令和2年(2020年)10月の改正により、経営経験は「建設業全般」で認められるようになりました。とび・土工や舗装業から土木工事業へステップアップする場合も、従前の経営経験をそのまま活用できます。経営業務の管理責任者の詳細要件は経営業務の管理責任者の要件を参照してください。

要件2:営業所技術者等(旧:専任技術者)がいること【最重要】

土木工事業の許可取得で最大のハードルとなるのが、営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保です。土木一式工事業の場合、以下のいずれかに該当する技術者を営業所ごとに常勤で配置する必要があります。

区分 資格・経験の内容
国家資格(施工管理系) ・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木)
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)
国家資格(技術士) ・技術士(建設部門)
・技術士(農業部門「農業土木」)
・技術士(水産部門「水産土木」)
・技術士(森林部門「森林土木」)
・技術士(総合技術監理部門で上記選択科目を含むもの)
指定学科卒業+実務経験 ・大学・高専で土木工学・都市工学・農業土木・森林土木等を卒業+実務経験3年以上
・高校で同上の指定学科を卒業+実務経験5年以上
実務経験のみ 土木一式工事に関する10年以上の実務経験

土木工事業 専任技術者 資格」で検索される方が最も気にされるのは、自社に該当人材がいるかという点です。実務的には2級土木施工管理技士の資格保有者を確保することが最も現実的な選択肢で、次いで実務経験10年での証明が一般的です。資格証明・実務経験証明の進め方は、建設業許可の専任技術者(営業所技術者等)の要件で29業種ごとに詳しく解説しています。

なお令和6年12月13日施行の改正により、一定の要件下で営業所技術者等が請負代金1億円未満(建築一式は2億円未満)の現場の主任技術者・監理技術者を兼務できるようになり、技術者配置の柔軟性が向上しています。詳細は主任技術者・監理技術者の要件でご確認ください。

特定建設業の追加要件(土木一式工事業)

元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上(土木一式工事を含む建築一式以外の業種は5,000万円、建築一式は8,000万円が基準)となる場合は、特定建設業許可が必要です。特定建設業の営業所技術者等は以下のいずれかが必要です。

  • 1級土木施工管理技士、技術士(建設部門等)など1級国家資格の保有
  • 一般建設業の技術者要件+元請として請負代金4,500万円以上の土木一式工事における2年以上の指導監督的実務経験
  • 国土交通大臣による特別認定

特定建設業の財産的基礎は、欠損額が資本金の20%以下・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上のすべてを満たす必要があります。詳細は特定建設業許可を参照してください。

要件3〜5:誠実性・財産的基礎・欠格要件

残る3要件の概要は次のとおりです。これらは土木工事業に固有の論点が少なく、一般的な建設業許可と共通です。

  • 誠実性:法人・役員・支店長・個人事業主本人等が、請負契約に関し不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
  • 財産的基礎(一般):自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力、または許可取得後5年間の継続営業実績
  • 欠格要件:破産者で復権を得ない者、許可取消から5年未経過、禁錮以上の刑から5年未経過、暴力団員等に該当しないこと

欠格要件で許可が下りなかった事例や対処法は建設業許可の不承認で具体的に解説しています。

土木工事業 許可の取り方|申請の5ステップ

土木工事業 許可 取り方」の標準的な流れは、以下の5ステップで進みます。書類準備に1〜2か月、審査に約30日(知事許可)または約120日(大臣許可)の期間を見込んでください。

ステップ1:許可区分の決定

まず、自社が取得すべき許可区分を整理します。

  • 知事許可か大臣許可か:1つの都道府県内のみに営業所を置くなら知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を置くなら大臣許可
  • 一般建設業か特定建設業か:元請として下請に出す金額の合計が5,000万円未満なら一般、5,000万円以上の場合は特定

ステップ2:要件の充足確認

5要件、特に営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保が可能かを確認します。社内の資格保有者・実務経験者を棚卸しし、不足する場合は採用や資格取得を検討します。経営業務の管理責任者・営業所技術者等の常勤性も同時にチェックします。

ステップ3:必要書類の準備

土木工事業の許可申請に必要な主な書類は以下のとおりです(都道府県により若干の差異あり)。

書類区分 主な書類
申請書類 建設業許可申請書(様式第一号)、役員等の一覧表、営業所一覧表、専任技術者一覧表
経営業務の管理責任者関係 常勤役員等証明書(様式第七号)、経営経験を証する書類(登記事項証明書・確定申告書・工事請負契約書等)
営業所技術者等関係 営業所技術者等証明書(様式第八号)、資格証明書の写し、実務経験証明書、卒業証明書(指定学科の場合)
誠実性・欠格要件 誓約書、登記されていないことの証明書、身分証明書(本籍地市区町村発行)
財産的基礎 財務諸表(直前期)、資本金額の確認資料、500万円以上の預金残高証明書または融資可能証明書
会社・営業所 定款、登記事項証明書、営業所の使用権原を証する書類(賃貸借契約書・登記事項証明書等)、営業所の写真
納税関係 法人税または所得税の納税証明書、事業税の納税証明書

書類準備は申請区分ごとに枚数が異なり、新規申請で30〜50点、業種追加で20〜30点が一般的です。実務経験証明や経営経験証明は過去5〜10年分の請求書・契約書・工事台帳を遡って収集する必要があり、最も時間がかかる作業です。

ステップ4:申請書の提出・審査

書類が揃ったら、許可行政庁の窓口に申請書を提出します。知事許可は都道府県の建設業許可担当課、大臣許可は本店所在地を所管する地方整備局が窓口です。近年は建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を通じた電子申請も普及しています。

許可区分 新規申請手数料 審査期間の目安
知事許可(一般・特定) 9万円(都道府県収入証紙等) 約30〜45日
大臣許可(一般・特定) 15万円(登録免許税) 約90〜120日

許可取得にかかる費用全体(行政書士報酬・実費等を含む)の相場は、建設業許可の費用で詳しく解説しています。

ステップ5:許可通知書の受領・許可後の届出

審査を通過すると許可通知書が郵送されます。土木工事業の許可は有効期間5年で、5年ごとの更新申請が必要です。また、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届の提出義務があり、これを怠ると更新申請が受理されません(更新時の対応漏れは建設業許可の更新忘れを参照)。決算変更届の書き方は事業年度終了届の書き方で詳しく解説しています。

土木工事業の許可と公共工事入札参加資格

土木一式工事業の許可は、公共工事の入札参加を目指す事業者にとって必須のステップです。国・都道府県・市町村が発注する道路・河川・橋梁・上下水道などの土木工事案件は、ほぼすべてが土木一式工事として発注されます。

公共工事の入札に参加するためには、土木工事業の建設業許可取得に加えて以下の手続きが必要です。

  • 経営事項審査(経審)の受審:経営状況・経営規模・技術力・社会性等の客観的審査
  • 入札参加資格申請:発注者ごとの名簿登録(国土交通省・各自治体ごと)

経営事項審査の仕組みは経営事項審査(経審)とは、入札参加資格の取得手続きは入札参加資格で詳しく解説しています。土木一式の許可取得は、これら一連の公共工事参入プロセスの最初の関門に位置づけられます。

土木工事業の許可取得でよくある質問(FAQ)

Q1. 土木工事業と土木一式工事業は同じものですか?

はい、同じものを指します。建設業法別表第一に定める正式名称は「土木一式工事」、許可業種としての通称が「土木工事業」です。建設業許可申請書や許可通知書では業種欄に「土木工事業」と表記され、対応する工事の種類として「土木一式工事」と区別されます。実務上は両者を区別する必要はありません。

Q2. 土木工事業の許可があれば、舗装工事やとび・土工工事も請け負えますか?

原則としてできません。土木一式工事は元請として総合的に土木工作物を建設する工事を指します。舗装・とび土工・しゅんせつなどの専門工事を単独で500万円以上請け負う場合は、それぞれ該当する専門工事業の許可が別途必要です。ただし土木一式工事に附帯する軽微な専門工事は、附帯工事として施工できます(建設業法第4条)。

Q3. 土木工事業の専任技術者(営業所技術者等)になれる資格は何ですか?

代表的な資格は1級・2級土木施工管理技士、技術士(建設・農業・水産・森林・総合技術監理の所定部門)、1級・2級建設機械施工技士です。資格がなくても土木工事の実務経験10年以上、または土木工学等の指定学科卒業+実務経験(大卒・高専卒3年、高卒5年)でも要件を満たせます。特定建設業の場合は1級国家資格または所定の指導監督的実務経験が必要です。

Q4. 土木工事業と建築一式工事業の違いは何ですか?

対象工作物が異なります。土木一式工事は道路・橋梁・トンネル・河川・上下水道など「土木工作物」の建設、建築一式工事は住宅・ビル・マンションなど「建築物」の建設を対象とします。両者とも一式工事に分類されますが必要な資格・実務経験の系統が完全に別系統で、両方の工事を請け負うにはそれぞれ別個に許可を取得する必要があります。

Q5. 請負代金が500万円未満の土木工事でも許可は必要ですか?

土木一式工事の場合は1件1,500万円未満(消費税込)が軽微な建設工事の基準です。専門工事の500万円基準とは異なり、建築一式と同じ1,500万円が境界となります。ただし公共工事の入札参加には金額にかかわらず建設業許可と経営事項審査が必須ですので、公共工事を目指す事業者は早期取得を検討してください。

Q6. とび・土工工事業の許可からスタートして、後から土木工事業を追加できますか?

はい、可能です。すでに建設業許可を持つ事業者が別の業種を追加する手続きを業種追加といい、申請手数料5万円で土木工事業を追加できます。ただし土木一式の営業所技術者等を別途確保する必要があり、とび・土工の技術者と兼任できるとは限りません。手続きの詳細は建設業許可の取り方を参照してください。

Q7. 個人事業主でも土木工事業の許可は取得できますか?

はい、個人事業主でも取得できます。経営業務の管理責任者と営業所技術者等は事業主本人が兼任することも可能です。法人化との比較・メリット・デメリットは個人事業主の建設業許可でまとめています。

まとめ:土木工事業の許可取得は専任技術者の確保が最大のポイント

土木工事業 建設業許可は、建設業29業種のうち建築一式と並ぶ「一式工事」に位置づけられる重要な許可業種です。本記事のポイントを整理します。

  • 土木工事業=土木一式工事業は「総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事」で、原則として元請の立場で請け負う
  • 道路・橋梁・河川・トンネル・上下水道・造成等が代表的工事で、公共発注が中心
  • 軽微な工事の基準は1件1,500万円未満(建築一式と同水準、専門工事500万円より緩やか)
  • 許可取得の最大のハードルは営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保。1級・2級土木施工管理技士、技術士(建設部門等)、または実務経験10年が代表ルート
  • 建築一式工事業とは対象工作物・必要資格・実務経験系統がすべて別で、両方の元請受注には別個の許可取得が必要
  • 専門工事(とび・土工、舗装、しゅんせつ等)を単独で500万円以上請け負うには、土木一式とは別に該当業種の許可が必要
  • 公共工事入札参加には、土木一式の許可取得+経営事項審査+入札参加資格申請のセットが必須

土木工事業の許可取得は、要件確認から書類準備まで専門的な知識と相当の作業量が必要です。特に営業所技術者等の資格・実務経験の証明は、過去の工事台帳・請求書を遡って収集する必要があり、自社対応では大きな負担となります。

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