建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「公共工事を受注したいけど、何から始めればいいかわからない」「建設業許可は持っているけど、その先の手続きがよくわからない」——こうした悩みをお持ちの建設業の経営者・実務担当者の方は多いのではないでしょうか。

公共工事の受注には、建設業許可の取得→経営事項審査(経審)→入札参加資格の申請→入札・落札→契約締結という明確なステップがあります。この流れを理解し、計画的に準備を進めることが、公共工事の受注を成功させるカギです。

この記事では、公共工事を受注するまでの全体の流れを5つのステップに分けて、それぞれの手続きの内容・要件・注意点をわかりやすく解説します。

この記事でわかること:

  • 公共工事受注までの全体フロー
  • 建設業許可の取得要件と種類
  • 経営事項審査(経審)の仕組みと受審の流れ
  • 入札参加資格の申請方法と格付けの仕組み
  • 入札方式の種類と落札までの流れ
  • 全体スケジュールの目安とよくある失敗パターン

目次

公共工事受注までの全体フロー|5つのステップ

公共工事を受注するまでには、以下の5つのステップを順番にクリアしていく必要があります。まずは全体像を把握しましょう。

ステップ 手続き内容 申請先 目安期間
STEP1 建設業許可の取得 都道府県知事 or 国土交通大臣 1〜3か月
STEP2 経営事項審査(経審)の受審 許可行政庁 1〜2か月
STEP3 入札参加資格審査の申請 国・都道府県・市区町村 1〜3か月
STEP4 入札への参加・落札 発注機関 案件による
STEP5 契約締結・工事着手 発注機関 落札後1〜2週間

各ステップには前提条件があり、STEP1が完了しなければSTEP2に進めないという順序関係があります。つまり、建設業許可を持っていなければ経審を受けることができず、経審を受けていなければ入札参加資格を申請できません。

以下、各ステップの詳細を順番に解説していきます。

STEP1:建設業許可の取得|公共工事受注の大前提

公共工事を受注するための第一歩は、建設業許可の取得です。建設業法第3条により、公共工事を請け負うには建設業許可が必須とされています。軽微な工事の例外規定に関わらず、公共工事では金額にかかわらず建設業許可が求められます

一般建設業と特定建設業の違い

建設業許可には一般建設業許可特定建設業許可の2種類があります。どちらが必要かは、下請に出す金額で判断します。

許可の種類 下請に出す場合の金額基準 対象となるケース
一般建設業許可 下請代金の総額が4,500万円未満(建築一式は7,000万円未満) 元請として受注するが、下請への発注額が基準未満の場合
特定建設業許可 下請代金の総額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上) 元請として大規模な下請発注を行う場合

小規模〜中規模の公共工事を自社施工する場合は、一般建設業許可で対応可能です。元請として大規模な下請発注を行う場合は特定建設業許可が必要になります。

建設業許可の5つの要件

建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること:建設業の経営経験を持つ常勤役員等がいること、または常勤役員等と補佐する者を組み合わせた体制が整っていること(2020年改正で要件が拡充)
  2. 専任技術者がいること:営業所ごとに、一定の資格または実務経験を持つ技術者を配置すること
  3. 誠実性があること:請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと
  4. 財産的基盤があること:一般建設業の場合、自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力があること
  5. 欠格要件に該当しないこと:破産者で復権を得ていない者などに該当しないこと

許可の申請先は、1つの都道府県のみに営業所がある場合は都道府県知事2つ以上の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣です。申請から許可取得までの期間は、知事許可で約1〜2か月、大臣許可で約2〜3か月が目安です。

STEP2:経営事項審査(経審)の受審|公共工事の「通信簿」

建設業許可を取得したら、次は経営事項審査(経審)の受審です。経審は、公共工事の入札に参加しようとする建設業者が必ず受けなければならない審査です(建設業法第27条の23)。

経審とは何か

経審とは、建設業者の経営規模・経営状況・技術力・社会性などを客観的な数値で評価する制度です。いわば建設業者の「通信簿」ともいえるもので、この審査の結果が入札参加資格の格付け(ランク)に直結します。

経審の結果は総合評定値(P点)として数値化され、P点が高いほど入札で有利なランクに格付けされます。

経審を受けるまでの手順

経審を受けるためには、事前に経営状況分析を受ける必要があります。全体の流れは以下のとおりです。

  1. 決算日を迎える:経審の審査基準日は事業年度の終了日(決算日)
  2. 決算変更届(事業年度終了届)を提出する:決算後4か月以内に許可行政庁へ提出
  3. 経営状況分析を申請する:登録分析機関に財務諸表を提出して分析を受ける
  4. 経審を申請する:許可行政庁に経審の申請書類を提出する
  5. 結果通知書を受領する:審査完了後、総合評定値(P点)が記載された結果通知書が届く

総合評定値(P点)の構成

P点は以下の5つの評価項目を組み合わせて算出されます。

評価項目 記号 主な評価内容 ウェイト
完成工事高 X1 業種別の年間完成工事高 0.25
自己資本額・平均利益額 X2 純資産額、営業利益+減価償却の平均 0.15
経営状況 Y 負債抵抗力、収益性、財務健全性など8指標 0.20
技術職員数・元請完成工事高 Z 資格を持つ技術者の数、元請工事の実績 0.25
社会性等 W 建退共加入、防災活動、ワーク・ライフ・バランスなど 0.15

P点の計算式は「P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W」です。各項目をバランスよく強化することが、P点アップのポイントとなります。

経審の有効期間に注意

経審の結果通知書には有効期間があり、審査基準日(決算日)から1年7か月です。この有効期間が切れると入札参加資格も失効してしまうため、毎年の決算後に経審を受審して有効期間を途切れさせないことが極めて重要です。

STEP3:入札参加資格審査の申請|入札の「入場券」を取得

経審を受審したら、次は入札参加資格審査の申請です。入札参加資格とは、公共工事の入札に参加するための「入場券」にあたるもので、この資格がなければ入札の土俵に上がることすらできません

申請先は発注機関ごとに異なる

入札参加資格は、発注機関ごとに個別に申請する必要があります。たとえば、国土交通省の工事と東京都の工事の両方に参加したい場合は、それぞれ別々に申請しなければなりません。

発注機関 申請先 申請方法
国の機関 国土交通省が取りまとめ(インターネット一元受付) 定期受付で複数省庁に一括申請可能
都道府県 各都道府県 電子申請または紙申請
市区町村 各市区町村 自治体により異なる

受注したい工事がどの機関の発注かを明確にし、必要な資格を漏れなく申請することが大切です。まずは地元の市区町村や都道府県から始め、段階的に申請先を広げていくのが一般的な戦略です。

申請時期|定期受付と随時受付

入札参加資格の申請受付には、定期受付随時受付の2種類があります。

  • 定期受付:多くの自治体が1〜2年に1回実施する一斉受付。受付期間は例年12月〜翌2月頃に設定されることが多い
  • 随時受付:定期受付以外の時期に行う申請。対応している自治体もあるが、すべての自治体で実施しているわけではない

定期受付の時期を逃すと、次回まで1〜2年待つ必要がある自治体もあります。各自治体の公式サイトで受付スケジュールを必ず確認しましょう。

格付け(等級・ランク)の仕組み

入札参加資格の審査では、経審のP点や工事実績などに基づいて格付け(等級・ランク)が決定されます。格付けによって参加できる工事の規模が変わります。

等級の例 参加可能な工事規模の目安
A等級 大規模工事(数億円以上)
B等級 中規模工事(数千万円〜数億円)
C等級 小規模工事(数百万円〜数千万円)
D等級 少額工事(数百万円以下)

初めて入札に参加する中小建設業者の場合、C等級やD等級からのスタートが一般的です。小規模な工事で実績を積みながら、経審のP点を上げていくことで、段階的に上位の等級を目指せます。

STEP4:入札への参加・落札|いよいよ本番

入札参加資格を取得したら、いよいよ入札への参加です。発注機関が公告する工事案件に対して入札を行い、落札を目指します。

主な入札方式

公共工事の入札方式は主に以下の3つがあります。

入札方式 概要 特徴
一般競争入札 参加資格を持つすべての業者が参加可能 透明性が高い。近年の主流方式
指名競争入札 発注機関が指名した業者のみ参加可能 実績や信頼性で選ばれる。地方自治体に多い
随意契約 入札を行わず特定の業者と直接契約 少額工事や緊急工事など限られたケース

近年は一般競争入札が主流となっています。一般競争入札であれば、入札参加資格と該当する等級を持っていれば誰でも参加できるため、新規参入のハードルは以前より下がっています

また、一般競争入札の中でも総合評価落札方式を採用するケースが増えています。これは価格だけでなく、技術提案や施工実績、配置予定技術者の資格なども加味して落札者を決定する方式です。単に安い金額を提示するだけでなく、技術力や品質管理体制をアピールすることが受注のポイントになります。

入札の流れ

一般的な入札の流れは以下のとおりです。

  1. 公告・公表:発注機関が入札情報を公告する(各機関のWebサイト等で確認)
  2. 設計図書の閲覧・入手:工事の仕様書や図面を確認し、積算を行う
  3. 参加申込:入札への参加意思表示や必要書類の提出
  4. 入札:電子入札システムまたは紙入札で入札金額を提出する
  5. 開札・落札者決定:予定価格の範囲内で最も有利な条件を提示した業者が落札

多くの発注機関では電子入札システムが導入されています。電子入札に参加するためには、事前にICカードの取得やシステムへの登録が必要です。入札に備えて、早めに準備を進めておきましょう。

最低制限価格・低入札価格調査制度

公共工事の入札では、安すぎる価格での落札を防ぐ仕組みが設けられています。

  • 最低制限価格制度:あらかじめ設定された最低価格を下回る入札は自動的に失格とする制度
  • 低入札価格調査制度:基準価格を下回った場合に、適切に工事を履行できるかを調査する制度

これらの制度により、「とにかく安い金額を入れれば勝てる」わけではありません。適正な価格で入札することが重要です。

STEP5:契約締結・工事着手|落札後の手続き

入札で落札が決定したら、発注機関との契約締結に進みます。

契約書の締結

公共工事の契約では、建設業法第19条に基づき、書面による契約が義務付けられています。契約書には以下のような事項が記載されます。

  • 工事の内容・工期・請負代金額
  • 前払金・部分払いに関する事項
  • 設計変更・工事の中止に関する事項
  • かし担保(契約不適合)責任に関する事項
  • 紛争の解決方法

施工体制台帳の整備

公共工事を施工する場合、下請契約の金額にかかわらず施工体制台帳の作成が義務付けられています(入札契約適正化法)。施工体制台帳には、元請・下請を含む施工体制の全体像を記載し、発注機関に提出する必要があります。

また、現場には主任技術者または監理技術者を配置しなければなりません。適切な技術者の確保は、工事品質と法令遵守の両面で極めて重要です。

【最新動向】建設業法改正と経審改正のポイント

公共工事の受注を目指すうえで、直近の法改正の動向も押さえておきましょう。

2024年 建設業法・入契法の改正(第三次担い手3法)

2024年6月に「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、段階的に施行されています。主な改正内容は以下のとおりです。

  • 労働者の処遇改善:賃金引上げの努力義務、標準労務費の勧告制度の創設
  • 労務費へのしわ寄せ防止:著しく低い労務費での契約締結の禁止
  • 工期の適正化:著しく短い工期での契約の禁止
  • 現場技術者の専任要件の合理化:ICT活用による施工体制の合理化

これらの改正は、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)への対応も背景にあります。公共工事の受注にあたっては、適正な労務費の確保や働き方改革への取り組みがますます重要になっています。

2026年7月 経審の改正

2026年7月1日には経営事項審査の改正が施行されます。主な変更点は以下のとおりです。

  • 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の新設:処遇改善やスキルアップの取組を宣言することでW点に+5点の加点
  • 建設機械の加点対象の追加:不整地運搬車やアスファルト・フィニッシャが新たに加点対象に
  • 社会保険未加入の減点項目の廃止:建設業許可の要件で社会保険加入が必須となったため、経審での重複評価を解消

経審のP点アップを目指す企業にとっては、新たな加点項目への対応を検討する良いタイミングです。

全体スケジュールの目安|許可取得から初受注まで

建設業許可の取得から公共工事を初めて受注するまでのスケジュールの目安は以下のとおりです。

手続き 所要期間の目安 備考
建設業許可の取得 1〜3か月 書類準備期間を含む
決算変更届の提出 決算後4か月以内 経審の前提条件
経営状況分析の申請 2〜3週間 登録分析機関に申請
経審の受審 1〜2か月 都道府県により異なる
入札参加資格の申請 1〜3か月 定期受付の時期に注意
入札への参加・落札 案件による 電子入札の準備も必要

すべて順調に進んだ場合でも、許可取得から入札参加資格の取得まで最短でも半年程度はかかります。入札参加資格の定期受付の時期によっては、さらに時間がかかるケースもあります。

「来年度の公共工事を受注したい」と思ったら、少なくとも1年前には準備を開始するのが理想的です。

よくある失敗パターン・注意点

公共工事の受注を目指す中で、多くの建設業者がつまずきやすいポイントがあります。以下の失敗パターンを事前に把握して、スムーズな受注を目指しましょう。

失敗1:経審の有効期限切れ

経審の結果通知書の有効期間は審査基準日から1年7か月です。毎年の経審受審を怠ると、有効期間が途切れて入札参加資格まで失効してしまいます。決算後は速やかに経審の手続きに着手し、有効期間を途切れさせないようにしましょう。

失敗2:入札参加資格の申請期限を逃す

自治体の入札参加資格は定期受付の時期が限られているケースが大半です。受付期間を逃すと、次の受付まで1〜2年待たなければなりません。受注したい自治体の申請スケジュールは早めに確認しておきましょう。

失敗3:電子入札の準備不足

現在、多くの発注機関で電子入札システムが導入されています。電子入札に参加するためには、ICカードの取得やパソコンの環境設定が必要です。これらの準備を入札直前に始めると間に合わないことがあるため、入札参加資格の取得と並行して準備を進めることをおすすめします。

失敗4:決算変更届の提出忘れ

経審を受けるためには、事前に決算変更届(事業年度終了届)を許可行政庁に提出しておく必要があります。この届出を忘れていると経審の申請ができず、手続き全体が遅れてしまいます。決算後4か月以内の提出を徹底しましょう。

よくある質問(FAQ)

公共工事を受注するにはどんな資格が必要ですか?

建設業許可の取得、経営事項審査(経審)の受審、入札参加資格の取得の3つが必要です。建設業許可が大前提であり、その上で経審を受けて入札参加資格を申請するという流れになります。いずれか一つでも欠けていると、公共工事の入札に参加することはできません。

経営事項審査(経審)は毎年受ける必要がありますか?

はい、公共工事の入札参加を継続するためには毎年の受審が必要です。経審の有効期間は審査基準日(決算日)から1年7か月です。有効期間が切れると入札参加資格も失効するため、毎年の決算後に経審を受審して、有効期間を途切れさせないことが重要です。

入札参加資格の申請はいつまでに行えばいいですか?

申請時期は発注機関によって異なります。自治体の場合は定期受付が年1〜2回に限られていることが多く、受付期間を逃すと次回まで待つ必要があります。受注したい機関の申請スケジュールを公式サイトで早めに確認し、余裕を持って準備を進めてください。

小規模な建設会社でも公共工事を受注できますか?

はい、小規模な建設会社でも公共工事の受注は十分に可能です。入札参加資格には格付け(等級)があり、C等級やD等級に区分される小規模案件も多数あります。まずは小規模な工事で実績を積み、P点を上げていくことで、受注できる工事の規模を段階的に広げることができます。

公共工事の受注までにどのくらいの期間がかかりますか?

建設業許可の取得から入札参加資格の取得まで、最短でも半年程度はかかります。入札参加資格の定期受付の時期によっては、さらに長くなることもあります。「来年度の案件を受注したい」という場合は、少なくとも1年前から準備を始めるのが理想的です。

まとめ|計画的な準備が公共工事受注のカギ

公共工事を受注するまでの流れを改めて整理すると、以下の5ステップです。

  1. 建設業許可の取得:公共工事受注の大前提
  2. 経営事項審査(経審)の受審:建設業者としての「通信簿」を取得
  3. 入札参加資格審査の申請:入札への「入場券」を取得
  4. 入札への参加・落札:適正価格で入札し、受注を勝ち取る
  5. 契約締結・工事着手:施工体制を整えて工事に着手

各ステップには明確な順序関係があり、一つでもステップを飛ばすことはできません。特に経審の有効期限管理入札参加資格の申請時期は見落としやすいポイントです。計画的にスケジュールを立て、余裕を持って手続きを進めることが、公共工事受注への最短ルートです。

「公共工事の受注を目指したいけど、手続きが複雑で不安」「経審や入札参加資格の申請をまとめてサポートしてほしい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な行政書士が、許可取得から入札参加資格の申請まで一括してサポートいたします。

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参考文献・外部リンク:
国土交通省「建設業許可制度」
国土交通省「経営事項審査の概要」
e-Gov法令検索「建設業法」

関連ページ:
経営事項審査(経審)とは
建設業許可とは
入札参加資格とは
申請の流れ

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