最終更新日:2026年6月10日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)対応済み

「屋上やベランダの防水改修の仕事が増えてきたが、建設業許可は必要なのか」「防水の許可を取りたいが、どんな資格があれば取得できるのか」「外壁塗装とあわせてベランダの塗膜防水もやっているが、塗装と防水の許可はどう違うのか」——防水工事を手がける事業者の方から、こうしたご相談が数多く寄せられます。防水工事業は、マンションの大規模修繕や建物の長寿命化(ストック更新)の流れの中で需要が安定して伸びている一方、塗装工事業との区分(塗膜防水の切り分け)でつまずく事業者が非常に多い業種です。

防水工事業の建設業許可とは、アスファルト・モルタル・シーリング材・塗膜・シート等によって防水を行う防水工事を1件500万円以上(税込)の請負金額で受注するために必要な許可です。建設業法第3条に基づき、国土交通大臣または都道府県知事から付与されます。

この記事では、防水工事業の建設業許可について、対象となる工事の範囲と具体例、取得に必要な5つの要件、特に重要な営業所技術者等(旧:専任技術者)の資格一覧、そして多くの事業者がつまずく「塗装工事業との違い・塗膜防水の切り分け」まで、行政書士の視点で包括的に解説します。

※令和6年(2024年)12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では、検索される方のわかりやすさを考慮し、旧名称の「専任技術者」も併記しています。

この記事でわかること:

  • 防水工事業の定義と該当する工事の具体例(アスファルト・シート・塗膜・シーリング防水)
  • 防水工事業と塗装工事業・屋根工事業・左官工事業など他業種との違い(塗膜防水の切り分けという重要論点)
  • 建設業許可に必要な5つの要件
  • 営業所技術者等(旧:専任技術者)になれる資格・実務経験の一覧
  • 申請手順・費用・審査期間の目安

目次

防水工事業とは?定義と該当する工事の具体例

防水工事業とは、建設業法で定められた29業種のうちのひとつで、アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事を行う業種です(建設業法別表第一および国土交通省告示)。建物に雨水や地下水が浸入するのを防ぎ、躯体の劣化や雨漏りを未然に防ぐ、建物の寿命を左右する重要な専門工事です。

国土交通省の例示では、防水工事業には次のような工事が含まれます。

  • アスファルト防水工事(屋上・陸屋根の溶融アスファルト・改質アスファルトシートによる防水)
  • モルタル防水工事(防水剤を混入したモルタルによる防水)
  • シーリング工事(目地・サッシまわり等へのシーリング材・コーキングの充填)
  • 塗膜防水工事(ウレタン・FRP・ゴムアスファルト系塗膜による防水)
  • シート防水工事(塩化ビニル系・加硫ゴム系シートによる防水)
  • 注入防水工事(コンクリートのひび割れ・打継ぎ部への止水材注入)

「防水=屋上のアスファルト防水」というイメージが強いですが、ベランダのウレタン塗膜防水や、外壁・サッシまわりのシーリング工事も防水工事業に含まれる点は、意外と知られていない重要なポイントです。

防水工法の主な分類

工法の分類 具体例
メンブレン防水(アスファルト系) 熱工法・トーチ工法・常温(冷工法)による屋上・陸屋根の防水
メンブレン防水(シート系) 塩化ビニル樹脂系シート、加硫ゴム系シートによる屋上防水
メンブレン防水(塗膜系) ウレタン塗膜防水、FRP防水、ゴムアスファルト系塗膜防水(ベランダ・バルコニー等)
シーリング防水 目地・サッシまわり・外壁ひび割れのシーリング(コーキング)
モルタル防水・その他 防水剤混入モルタル防水、ケイ酸質系塗布防水、注入止水

このように防水は工法が多岐にわたり、自社の工事が防水工事に該当するのか、それとも塗装や屋根など別の業種なのかの判断が難しいケースが少なくありません。次の章で、間違えやすい業種との違いを整理します。

防水工事業と間違えやすい業種との違い

業種 対象工事 防水工事業との違い
塗装工事業 外壁塗装・屋根塗装・鋼構造物塗装・路面標示 「美観・保護」目的で塗料を塗るのは塗装。ウレタン塗膜防水・FRP防水は塗る作業でも「防水」目的なら防水工事業(後述の最重要論点)
屋根工事業 瓦・スレート・金属屋根の葺き、屋根材による雨仕舞い 屋根材で屋根を葺くのは屋根工事。屋上・陸屋根に防水層を形成するアスファルト・シート・塗膜防水は防水工事
左官工事業 モルタル・プラスター・漆喰塗り、吹付け こてでモルタルを「塗り壁」として仕上げるのは左官。防水剤を混入したモルタル防水は防水工事
とび・土工・コンクリート工事業 地業・コンクリート打設・法面処理等 コンクリート構造物の築造はとび・土工。打継ぎ部・ひび割れへの止水材注入や防水層形成は防水工事
建築一式工事業 総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設 建築一式は元請として全体をまとめる「総合工事」、防水は個別の「専門工事」

【最重要】「塗る」工事でも美観・保護目的なら塗装工事業(塗膜防水の切り分けに注意)

防水工事業で最も判断を誤りやすいのが、防水工事業と塗装工事業の切り分けです。同じ「塗る」作業でも、水の浸入を防ぐことを目的とするウレタン塗膜防水・FRP防水・シート防水は防水工事業美観・保護を目的とする外壁塗装・鉄部塗装は塗装工事業に区分されます。ベランダの塗膜防水と外壁塗装をセットで請け負う事業者は多いですが、それぞれ500万円以上になれば防水工事業と塗装工事業の両方の許可が必要です。「塗装の許可があるから防水もできる」「防水の許可があるから塗装もできる」と誤解したまま受注すると、知らないうちに無許可営業になっているおそれがあります。契約書・仕様書の工事目的で切り分け、迷ったら専門家に確認してください。塗装側の整理は塗装工事業の建設業許可の記事もあわせてご覧ください。

防水工事業で建設業許可が必要になるケース

防水工事を1件500万円以上(税込)で請け負う場合は、防水工事業の建設業許可が必要です(建設業法第3条第1項)。この金額基準は、元請・下請の立場に関係なく適用されます。

500万円未満の工事のみを行う場合は許可なしでも請け負えます(軽微な建設工事に該当)。一般的な戸建てのベランダ防水は1件20万〜50万円程度のことが多く、許可なしで施工できる範囲ですが、防水の現場では以下のようなケースで許可取得が実務上求められます。

  • 元請(ゼネコン・ハウスメーカー・工務店)から許可の取得を要請されている:コンプライアンス強化の流れで、防水の下請にも許可を求める元請が増加
  • マンション大規模修繕・ビル屋上改修の防水を受注したい:屋上防水・外壁シーリング一式で1件500万円を超える案件が中心
  • 公共工事の入札に参加したい:建設業許可がなければ経営事項審査を受けられない(学校・庁舎の屋上防水改修など公共案件は許可が前提)
  • 一人親方から法人化して事業を拡大したい:許可は取引先・元請からの信用を高め、職人の採用にも有利に働く

防水業界は、一人親方や少人数の事業者が支える一方で、慢性的な人手不足とデジタル化の遅れに直面しています。一方で、建物の長寿命化政策やマンションの大規模修繕周期(一般に12年前後)の到来により、防水改修の需要は中長期で安定して見込める分野でもあります。だからこそ、許可を取得して受注できる工事の幅を広げ、元請・施主からの信用を「仕組み」として確保しておくことが、次の世代に事業をつなぐうえでも重要になります。許可は気合や人脈ではなく、事業を継続させ、安定需要を取り込むための土台と捉えるのが実務的です。

防水工事業の建設業許可に必要な5つの要件

防水工事業の建設業許可を取得するには、他の業種と同様に以下の5つの要件をすべて満たす必要があります(建設業許可の要件の詳細はこちら)。

要件1:経営業務の管理責任者がいること

建設業の経営業務について総合的に管理する常勤の役員等(経営業務の管理責任者)が必要です。以下のいずれかに該当する方が社内にいれば、この要件を満たせます。

  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験がある者
  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあった者
  • 建設業に関し6年以上の補佐経験がある者 など

令和2年(2020年)の法改正により、経験は「建設業全般」で認められます。防水以外の建設業での経営経験でも要件を充足できます。

要件2:営業所技術者等(旧:専任技術者)がいること【最重要】

防水工事業の許可取得で最も重要かつハードルとなるのが、営業所技術者等の確保です。対応する国家資格・技能検定または実務経験を持つ技術者を、営業所ごとに常勤で配置する必要があります。

一般建設業の営業所技術者等(防水工事業)

資格・経験の区分 具体的な内容
国家資格(施工管理技士等) ・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)
技能検定(職業能力開発促進法) ・1級防水施工(アスファルト防水・シーリング防水・合成高分子系シート防水・塗膜防水・モルタル防水・改質アスファルトシートトーチ等の各作業)
・2級防水施工(+合格後の実務経験3年以上)
・登録防水基幹技能者
実務経験 防水工事の実務経験が10年以上
指定学科卒業+実務経験 ・大学(建築学・土木工学等の指定学科)卒業後、実務経験3年以上
・高校(同上の学科)卒業後、実務経験5年以上

防水工事業は防水施工技能士という専門の技能検定で営業所技術者等になれるのが特徴で、現場たたき上げの職人が資格を取得して要件を満たすケースが多い業種です。ただし2級の技能検定は合格に加えて一定の実務経験が必要なので注意してください。なお、防水工事業は建築の仕上げ系業種に位置づけられるため、塗装工事業で認められる土木施工管理技士(鋼構造物塗装等)は、防水工事業の資格区分には含まれません。塗装と防水の両方を手がける事業者が技術者を選ぶ際は、この違いを押さえておくことが重要です。

特定建設業の営業所技術者等(防水工事業)

特定建設業許可は、元請として下請代金5,000万円以上の下請契約を締結する場合に必要です。営業所技術者等の要件はより厳しくなります。

資格・経験の区分 具体的な内容
国家資格 ・1級建築施工管理技士
指導監督的実務経験 一般建設業の営業所技術者等の要件を満たす者で、かつ防水工事に関し元請として請負代金4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験がある者

特定建設業では、2級建築施工管理技士や防水施工技能士の合格のみでは営業所技術者等になれません。1級の国家資格が求められます。

なお、令和6年12月施行の改正建設業法により、一定の要件を満たせば営業所技術者等が1億円未満の工事現場の監理技術者等を兼務できるようになりました。防水は複数現場を並行して進めることが多いため、技術者の配置計画に活用しやすい制度です。

要件3:誠実性があること

法人の場合は法人自身・役員等・支店長等が、個人の場合は本人・支配人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。防水は施工不良が雨漏り・躯体劣化という形で後から顕在化しやすい工事のため、誠実な施工・保証姿勢は許可業者の信用に直結します。

要件4:財産的基礎があること

許可区分 財産的基礎の要件
一般建設業 以下のいずれかを満たすこと
・自己資本が500万円以上
・500万円以上の資金調達能力がある
・許可申請直前の過去5年間に許可を受けて継続して営業した実績がある
特定建設業 以下のすべてを満たすこと
・欠損の額が資本金の20%を超えていない
・流動比率が75%以上
・資本金が2,000万円以上
・自己資本が4,000万円以上

要件5:欠格要件に該当しないこと

以下のような欠格要件に該当しないことが必要です。

  • 破産者で復権を得ない者
  • 建設業許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行終了から5年を経過しない者
  • 建設業法・建築基準法等の一定の法律に違反して罰金刑に処せられ、刑の執行終了から5年を経過しない者
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

防水工事業の建設業許可の申請手順

ステップ1:要件の確認

まず、5つの許可要件を満たしているかを確認します。特に営業所技術者等になれる人材が社内にいるかが最重要です。防水施工技能士・建築施工管理技士などの資格者がいるか、10年以上の実務経験を持つ社員がいるかを確認してください。あわせて、外壁塗装も行っているなら塗装工事業の許可も併せて必要かを確認しておきましょう。

ステップ2:必要書類の準備

書類名 備考
建設業許可申請書(様式第一号) 申請業種に「防水工事業」を記載
営業所技術者等証明書(様式第八号) 防水工事業の技術者を証明
資格証明書の写し 建築施工管理技士・防水施工技能士等の資格証の写し
実務経験証明書 資格ではなく実務経験で証明する場合(10年分の裏づけ書類が必要)
経営業務の管理責任者証明書 経営経験を証明する書類
定款の写し(法人の場合) 事業目的に防水工事業に関する記載があること
登記事項証明書・財務諸表・納税証明書 ほか 法人・個人で必要書類が異なる

※都道府県によって求められる書類が異なる場合がありますので、必ず申請先の行政庁の手引きを確認してください。

ステップ3:申請書の作成・提出

書類が揃ったら、許可行政庁に申請します。知事許可の場合は都道府県の建設業許可担当窓口、大臣許可の場合は地方整備局が申請先です(知事許可と大臣許可の違いはこちら)。一部の自治体では電子申請(JCIP:建設業許可・経営事項審査電子申請システム)にも対応しています。

ステップ4:審査

許可の種類 審査期間の目安
知事許可 約30日
大臣許可 約120日

ステップ5:許可通知書の受領

審査を通過すると許可通知書が郵送されます。許可の有効期間は5年間で、継続するには更新申請が必要です。

防水工事業の建設業許可にかかる費用

申請区分 知事許可 大臣許可
新規申請 9万円 15万円(登録免許税)
業種追加 5万円 5万円
行政書士報酬(依頼する場合) 10万〜20万円程度 15万〜30万円程度

すでに塗装工事業など他の業種で建設業許可を持っている事業者が防水工事業を追加する場合は、業種追加(5万円)で申請できます。費用の全体像や総額の試算は建設業許可の費用建設業許可取得費用の総額シミュレーションもあわせてご確認ください。

防水工事業の許可取得でよくあるケース

ケース1:防水施工技能士で一般建設業許可を取得

屋上のウレタン塗膜防水・シート防水を専門とするA社は、元請のゼネコンから「マンション大規模修繕の防水一式は許可業者でなければ発注できない」と告げられ、許可取得を決意。代表者が1級防水施工技能士を保有していたため、その資格で営業所技術者等の要件を満たし、一般建設業許可を取得しました。許可取得後は500万円を超える大規模修繕の防水を直接受注できるようになり、売上が伸びています。

ケース2:実務経験10年で営業所技術者等の要件を充足

外壁・サッシまわりのシーリング工事を手がけるB社は、国家資格を持つ社員がいませんでしたが、代表者自身が防水工事の実務経験を15年以上持っていました。過去の工事の注文書・請求書を整理して10年分の実務経験を証明し、許可を取得。資格がなくても許可取得は可能ですが、書類集めの負担が大きいため、行政書士のサポートを活用しました。

ケース3:塗装工事業に「防水工事業」を業種追加

外壁塗装に加えてベランダ・屋上の塗膜防水も請け負うC社は、塗装の許可だけでは500万円以上の防水工事を受注できないことを知り、防水工事業を業種追加。塗膜防水は「防水目的」のため塗装工事業ではなく防水工事業に該当することを踏まえ、防水工事の技術者要件を満たして正式に許可を取得し、無許可営業のリスクを解消しました。塗装と防水はセットで請け負う場面が多いため、業種追加で両方の許可を揃えるのは合理的な選択です。

防水工事業の建設業許可取得時の注意点

注意点1:美観・保護目的の外壁塗装は「塗装工事業」の許可が別途必要

本記事で繰り返し触れているとおり、美観・保護を目的とする外壁塗装・屋根塗装は、防水工事業の許可では請け負えません。同じ「塗る」工事でも、防水目的は防水工事業、美観・保護目的は塗装工事業と整理し、両方を500万円以上で行うなら塗装工事業の許可も取得してください。許可を受けていない業種の工事を請け負うと無許可営業となり、建設業法違反(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。

注意点2:大規模修繕周期を見据えた社会保険・CCUSへの対応

マンション・ビルの防水改修は足場の組立てや高所作業を伴うため、労働安全衛生上のリスク管理が重要です。あわせて、近年は元請が下請に対して社会保険の加入CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録を求める動きが急速に強まっています。一人親方や少人数の事業者が多い防水の現場ほど、許可の取得とあわせて社会保険・CCUSの整備を進めておかないと、「許可は取ったのに元請の現場に入れない」という事態になりかねません。大規模修繕の発注は12年前後の周期で繰り返し発生するため、許可・社保・CCUSを一体の仕組みとして整え、安定需要を継続的に取り込む体制をつくることが、人手不足の時代に選ばれ続ける事業者になる近道です。

注意点3:個人事業主は法人成りに注意

個人事業主として取得した建設業許可は、法人成りした場合にそのまま引き継ぐことができず、法人として新たに許可を取り直す必要があります(2020年10月施行の承継認可制度を使えば一定の手続きで引継ぎは可能ですが、事前認可が前提です)。一人親方からの法人化を視野に入れている場合は、最初から法人で許可を取得することも選択肢として検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 防水工事業の建設業許可はいくらかかりますか?

知事許可の新規申請で9万円、大臣許可で15万円の申請手数料がかかります。行政書士に依頼する場合は別途10万〜20万円程度の報酬が目安です。すでに塗装工事業など他の業種の許可を持っている場合は業種追加(5万円)で申請できます。

Q. 防水工事業の営業所技術者等(専任技術者)になれる資格は何ですか?

一般建設業許可では、1級建築施工管理技士2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)防水施工技能士(1級、または2級+実務経験3年)、登録防水基幹技能者が該当します。資格がなくても実務経験10年以上で要件を満たせます。特定建設業許可では1級建築施工管理技士などが必要です。防水工事業は建築の仕上げ系業種のため、塗装工事業で認められる土木施工管理技士は資格区分に含まれない点に注意してください。

Q. ウレタン塗膜防水やFRP防水は防水工事業ですか、塗装工事業ですか?

水の浸入を防ぐことを目的に塗膜を形成するウレタン塗膜防水・FRP防水は防水工事業です。一方、美観・保護を目的とする外壁塗装・屋根塗装は塗装工事業に該当します。同じ「塗る」作業でも目的が防水なら防水工事、美装・保護なら塗装と区別されます。両方を500万円以上で請け負うなら、防水工事業と塗装工事業の両方の許可取得を検討してください。

Q. 屋上のアスファルト防水やシート防水は屋根工事業ではなく防水工事業ですか?

はい。屋上・陸屋根に施すアスファルト防水・シート防水・塗膜防水などの防水層形成工事は、建設業法上「防水工事業」に該当します。瓦・スレート・金属屋根などで屋根そのものを葺く工事は「屋根工事業」です。同じ屋根まわりでも、防水層をつくる工事は防水工事業、屋根材で雨仕舞いをする工事は屋根工事業と区別されます。陸屋根の改修を1件500万円以上で請け負う場合は防水工事業の許可が必要です。

Q. 資格がなくても防水工事業の建設業許可は取得できますか?

はい、国家資格がなくても取得は可能です。防水工事の実務経験が10年以上ある方、または指定学科卒業後に一定年数の実務経験(大学卒3年・高校卒5年)がある方は、営業所技術者等の要件を満たせます。ただし実務経験での証明は、過去の契約書・注文書などで10年分を裏づける必要があり、書類準備の負担が大きい点に注意してください。

まとめ:防水工事業の許可は「営業所技術者等の確保」と「塗装との切り分け」がカギ

防水工事業の建設業許可は、アスファルト防水・シート防水・ウレタン塗膜防水・シーリングなどの防水工事を500万円以上の規模で受注するために必要な許可です。本記事のポイントをまとめます。

  • 防水工事業はアスファルト防水・シート防水・塗膜防水・シーリング・モルタル防水など、建物への水の浸入を防ぐ仕上げ系の専門業種
  • 1件500万円以上(税込)の工事を請け負うには建設業許可が必須
  • 許可取得には5つの要件を満たす必要があり、営業所技術者等(旧:専任技術者)の確保が最大のハードル
  • 一般建設業は建築施工管理技士・防水施工技能士10年以上の実務経験で要件充足可能(塗装と違い土木施工管理技士は対象外)
  • 美観・保護目的の外壁塗装は防水工事業の許可では請け負えない(塗装目的の工事は別途「塗装工事業」の許可が必要)
  • 申請手数料は新規9万円(知事許可)、業種追加は5万円、審査期間は約30〜120日

防水工事業の許可取得は、要件の確認と技術者の確保さえできれば手続き自体は決して難しくありません。しかし、防水施工技能士・建築施工管理技士・実務経験のどれで要件を満たすかの判断、塗装工事業との切り分け、社会保険・CCUSへの対応など、専門的な判断が求められる場面も少なくありません。当事務所は朝霞市・志木市・新座市・富士見市・ふじみ野市・三芳町・和光市を中心に、埼玉県の建設業許可申請をサポートしています。

「自社で要件を満たせるか分からない」「防水と塗装の許可を整理したい」「許可とあわせて社保・CCUSも整えたい」という方は、建設業許可の専門家である行政書士にご相談ください。要件の確認から申請書類の作成・提出まで、トータルでサポートいたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。


免責事項:本記事は2026年6月時点の法令に基づき、一般的な情報提供を目的として作成しています。法律上のアドバイスを構成するものではありません。営業所技術者等になれる資格・技能検定の細目や必要書類は申請先の都道府県により異なる場合があります。個別の案件については、行政書士等の専門家または管轄の行政庁にご相談ください。法令は改正される場合がありますので、最新の情報はe-Gov法令検索(建設業法)でご確認ください。

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