建設キャリアアップシステム(CCUS)は、2026年8月1日をもって健康保険証の証明書類としての取り扱いを終了しました。技能者登録や登録内容の変更で「保険証の写し」を添付する運用は、もう通りません。

代わりに出すのは「医療保険の資格情報(マイナポータルで出力可)」または「健康保険資格確認書」等です。ただし本人確認書類として使えるのは、住所が記載された健康保険資格確認書に限られます

2026年8月1日。これが、CCUSで健康保険証が証明書類として受け付けられた最後の日です。

建設キャリアアップシステム事業本部が2026年8月3日付で出したお知らせに、取り扱いを同月1日で終了した旨が明記されています。

やっかいなのは、申請画面には今も「健康保険証」という文字が残っていることです。画面の案内どおりに進めると、そのまま差し戻しに向かいます。

この記事では、公式のお知らせ2本と埼玉県の手引き(令和8年4月施行版)をもとに、何を出せばよいのか、どこで差し戻されるのかを実務ベースで整理します。

この記事でわかること:

  • 2026年8月1日に何が終わったのか(終了の範囲と根拠)
  • 「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」の違いと、CCUSでの使い分け
  • 登録済みの技能者が差し替えを要する場合・要しない場合
  • 申請画面に残る「健康保険証」表記を読み替える2か所
  • 差し戻しを招く5つのパターンと、その潰し方
  • 建設業許可の常勤確認資料がすでに「資格確認書」前提に切り替わっている件

目次

2026年8月1日、CCUSは健康保険証の受け付けをやめた

受け付けが終了した窓口のイメージ。CCUSは2026年8月1日で健康保険証の取り扱いを終了した

まず事実関係を、公式のお知らせの記載どおりに押さえます。

建設キャリアアップシステム事業本部は2026年7月27日付で「2026年8月以降における健康保険証の取り扱いについて」を公表し、8月以降は健康保険証を証明書類として使用できなくなる予定であること、今後は「医療保険の資格情報(マイナポータルで出力可)」または「健康保険資格確認書」等を提出するよう案内しました。

そのうえで2026年8月3日付の「健康保険証の証明書類としての取り扱い終了のお知らせ」で、取り扱いを2026年8月1日をもって終了したことを確定的に案内しています。

日付 お知らせ 内容の要点
2026年7月27日 2026年8月以降における健康保険証の取り扱いについて 8月以降は健康保険証を証明書類として使用できなくなる予定。代替は資格情報または資格確認書等
2026年8月3日 健康保険証の証明書類としての取り扱い終了のお知らせ 2026年8月1日をもって終了。代替書類・登録済み技能者の扱い・画面の読み替えを明示

なぜこのタイミングだったのか

背景にあるのは、医療保険側の制度変更です。厚生労働省の案内によれば、令和6年12月2日から従来の健康保険証は発行されなくなりました

その時点で手元にあった有効な保険証は、最長1年間だけ使える扱いとされました。つまり、紙やカードの保険証は順次役目を終えていったということです。

マイナンバーカードの健康保険証利用を登録していない人には、申請不要・無償で「資格確認書」が交付されます。医療機関の窓口はこれで従来どおり受診できます。

CCUSは医療保険そのものの制度ではありませんが、本人確認や社会保険の加入確認に保険証を使ってきました。その土台が消えたので、証明書類の側も入れ替えた——という順序です。

「復活」の可能性は残されている

ここは正直に書いておきます。7月27日付のお知らせには、健康保険証による医療機関の受診に関する暫定措置が延長された場合には、これに準じてCCUSでも引き続き健康保険証を証明書類として認める予定だと書かれています。

その場合は改めてホームページで知らせるとも明記されています。

つまり現時点の結論は「使えない」で確定ですが、恒久的に閉じたわけではありません。まとまった人数の登録を予定しているなら、着手前にCCUS公式サイトのお知らせを一度見る癖をつけてください。

代わりに出す書類|資格確認書と資格情報のお知らせは別物

よく似た形の2本の鍵。資格確認書と資格情報のお知らせは別の書類であることを表す

ここが最大の混乱ポイントです。名前が似た書類が2種類あり、用途が違います

厚生労働省も、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は異なる書類であると案内しています。まず違いを押さえます。

書類 誰に届くか 性格
健康保険資格確認書 マイナ保険証の利用登録をしていない人等に、申請不要・無償で交付 これ1枚で医療機関を受診できる。従来の保険証に近い立ち位置
資格情報のお知らせ マイナ保険証を利用する人に交付される 自分の資格情報を確認するための書面。マイナポータルからも出力できる

そのうえで、CCUSでの使い分けはこうなります。

提出する目的 CCUSで使える書類
健康保険の加入を示す証明書類 医療保険の資格情報(マイナポータルで出力可)、健康保険資格確認書 等
本人確認書類 健康保険資格確認書(住所が記載されているものに限る)

ここは2026年8月3日付のお知らせに、そのまま書かれている区別です。

本人確認の欄に「資格情報のお知らせ」を持ってきても要件を満たしません。逆に、住所の記載がない資格確認書も本人確認書類としては足りません。

詳細な様式は、CCUSが公開している「証明書類見本一覧(技能者編)」で確認できます。2026年8月時点の最新版は第3.4.0版です。添付前に見本と見比べるのが、いちばん確実な差し戻し対策になります。

マイナ保険証しか持っていない技能者はどうするか

マイナ保険証を使っている人の手元には、資格確認書がないのが通常です。この場合はマイナポータルから医療保険の資格情報を出力して添付します。

スマートフォンとマイナンバーカードがあれば本人が出力できます。会社が代行申請する場合でも、出力自体は本人にやってもらうのが早い場面が多いはずです。

ただし、これは本人確認書類の代わりにはなりません。本人確認はマイナンバーカード・運転免許証・住民票等、別の書類で組み立てることになります。

「登録済みなら差し替え不要」の正しい読み方

1枚だけ位置がずれた掲示プレート。登録内容に変更があった技能者だけ書類を差し替える

すでに健康保険証を登録している技能者について、お知らせは明快です。現在登録されている内容から変更が無い場合は、健康保険証を差し替える必要はありません。

ここで安心して終わってしまう会社が多いのですが、実務では「変更が無い場合」のほうが少数派です。

変更が生じれば、その手続きの中で最新の証明書類を求められます。建設業では特に、次のような場面が日常的に起きます。

  • 技能者が他社へ移籍し、加入する健康保険(保険者)が変わった
  • 協会けんぽから建設国保、あるいはその逆へ切り替えた
  • 一人親方として独立し、国民健康保険へ移った
  • 結婚・転居で氏名や住所が変わった
  • 技能者情報の更新時期が到来した

いずれも、更新・変更の申請時に添付するのはその時点で有効な書類です。保険証の写しが手元のフォルダに残っていても、もう出番はありません。

やる気で個別対応するより、「保険が変わったらCCUSも触る」という社内ルールを1行決めておくほうが確実です。人が入れ替わる業界だからこそ、仕組み側で拾うほうが早いと考えています。

画面には「健康保険証」の文字が残っている|読み替えが要る2か所

看板が外された跡だけが残る建物の外壁。申請画面に健康保険証の表記だけが残っている状態

制度が変わってもシステム画面の文言はすぐには変わりません。CCUSも、技能者申請画面に「健康保険証」という表記が残っていることを認めたうえで、読み替えを案内しています。

該当は2か所です。

画面 表示されている文言 読み替え後
健康保険情報入力画面
(保険者名称の入力ガイド)
健康保険証の発行元を入力してください 健康保険確認書類に記載されている保険者名を入力してください
本人確認書類選択画面
(パスポート選択時の一覧)
健康保険証 健康保険資格確認書

実害が出やすいのは1つめです。手元にある資格確認書の記載と、入力した保険者名がずれると、確認が取れずに差し戻されます。

入力する保険者名は、記憶や名刺ではなく、いま添付しようとしている書類の記載を写す。この一手で、ひとつ事故が減ります。

差し戻しを招く5つのパターン

書類を手に眉を寄せる作業服の男性。差し戻しを招く5つのパターン

CCUSの登録代行をしていると、差し戻しは書類の中身より「体裁」で起きることのほうが多い、という実感があります。今回の変更後に増えると見ているのは次の5つです。

パターン1:住所の記載がない資格確認書を本人確認に使う

本人確認書類として認められるのは、住所が記載されている健康保険資格確認書に限られます。

資格確認書の様式は保険者によって差があります。手元の1枚に住所欄があるかどうかを、添付前に必ず見てください。

パターン2:「資格情報のお知らせ」を本人確認書類に流用する

加入状況の証明としては使えても、本人確認書類としては挙げられていません。用途が違う書類を回すと、その1点で全体が止まります。

パターン3:有効期限切れ・古い画像の使い回し

社内フォルダに保存済みの保険証画像を、そのまま次の申請に使い回すケースです。8月1日以降はそもそも受け付けられません。

資格確認書にも有効期限があります。「前回の申請で通ったから今回も通る」は成立しないと考えてください。

パターン4:家族分の情報が写り込んでいる

CCUSの添付画面には、申請者およびその親族以外の個人情報が記載されている場合は、該当箇所を伏せてから添付するよう案内があります。

世帯単位で1枚にまとまる書類では、同居する他人の情報が入り込むことがあります。伏せる前提で撮影・加工する運用にしておくと迷いません。

パターン5:画像が不鮮明

記載内容が鮮明に判読できる画像を添付すること、不鮮明な書類は無効となることが、画面上に明記されています。

現場でスマートフォンを片手に撮ると、光の反射と手ブレでほぼ確実に読めません。撮ったその場で自分が読めるかを確認する。それだけで再提出はかなり減ります。

建設業許可の申請書類も、すでに「資格確認書」前提に変わっている

水面に広がる2つの波紋。CCUSの変更が建設業許可の確認資料にも波及することを表す

この話はCCUSだけで終わりません。建設業許可の申請でも、保険証を前提にした確認資料は入れ替わっています。

埼玉県の「建設業許可申請・届出の手引き」(令和8年4月施行版)を見ると、常勤役員等・営業所技術者等の常勤確認資料として挙げられている書類のなかに、次の記載があります。

資格確認書又は資格情報のお知らせ ※事業所名の記載があり、有効期限内のものに限る

条件が2つ付いている点に注目してください。事業所名の記載があること、そして有効期限内であることです。

常勤性は「その会社に勤めている」ことの証明なので、事業所名が読み取れない書類では用を成しません。ここはCCUSの本人確認(住所記載が要件)とは別の条件です。提出先ごとに要件が違うということです。

手続き 使う書類 付いている条件
CCUS:本人確認書類 健康保険資格確認書 住所の記載があるものに限る
CCUS:健康保険の証明書類 医療保険の資格情報/健康保険資格確認書 等 証明書類見本一覧(技能者編)を参照
建設業許可(埼玉県):常勤確認資料 資格確認書/資格情報のお知らせ 事業所名の記載があり、有効期限内のもの
建設業許可(埼玉県):社会保険適用の確認資料
(国民健康保険組合の場合)
資格確認書/資格情報のお知らせ 有効期限内のものに限る

建設国保(建設業に係る国民健康保険組合)に加入している会社では、社会保険適用の確認資料としても資格確認書・資格情報のお知らせが使えます。一人親方や個人事業主の許可申請でも効いてくる部分です。

マスキングは「やったほうがいい」ではなく「やる」

もうひとつ、見落とされがちな指示があります。埼玉県の手引きは、常勤確認資料について保険者番号および被保険者等記号・番号や個人番号(マイナンバー)の記載箇所にはマスキングをするよう求めています。

理由も明記されています。健康保険法等の改正により、被保険者等記号・番号について、個人情報保護等の観点から健康保険事業の遂行等の目的以外での告知を求めることが禁止されたためです。

手引きには、国民健康保険組合の資格確認書を例にしたマスキングの見本まで載っています。塗りつぶす場所は決まっているということです。

CCUS側の「親族以外の個人情報は伏せる」という指示と方向は同じですが、隠す対象が違います。同じ1枚をコピーして両方に回す運用は、一度見直したほうが安全です。

今週やっておく3つの準備

現場事務所でクリップボードを一緒に確認する2人の作業員。今週やっておく3つの準備

制度の説明はここまでです。あとは手を動かす話に落とします。中小の建設会社が今週できることを3つに絞りました。

準備1:技能者ごとに「何を持っているか」を棚卸しする

マイナ保険証を使っている人と、資格確認書が手元にある人が混在しています。名簿に1列足して、どちらかを記録するだけで十分です。

この1列があると、申請のたびに「どの書類を用意してもらうか」を考えずに済みます。

準備2:マイナポータルからの出力を、社内で一度通しておく

本番の申請前に、誰か1人で出力手順を通してみてください。初回は必ず詰まります。詰まる場所を先に知っておくのが目的です。

建設業はIT化が遅れている、とよく言われます。ただ実際に遅れているのは知識ではなく、こういう「最初の1回」を通す時間の確保だけだったりします。

準備3:提出先ごとの条件を1枚にまとめる

CCUSの本人確認は住所の記載、埼玉県の常勤確認は事業所名の記載と有効期限、マスキングは記号・番号——条件は提出先ごとに違います。

この記事の表をそのまま印刷して、事務所の壁に貼っておくくらいで構いません。担当者が変わっても運用が崩れないようにしておくことが、結局いちばん安上がりです。

CCUSの健康保険証の取り扱い終了に関するよくある質問(FAQ)

Q1. CCUSで健康保険証はいつから使えなくなりましたか?

2026年8月1日からです。建設キャリアアップシステム事業本部が2026年8月3日付のお知らせで、健康保険証の証明書類としての取り扱いを同年8月1日をもって終了したと案内しています。

Q2. 代わりに何を提出すればよいですか?

健康保険の証明書類としては医療保険の資格情報(マイナポータルで出力可)または健康保険資格確認書等です。詳細は「証明書類見本一覧(技能者編)」で確認します。

Q3. 本人確認書類にも資格情報のお知らせを使えますか?

使えません。本人確認書類として案内されているのは健康保険資格確認書(住所が記載されているものに限る)です。住所の記載がないものも本人確認には使えません。

Q4. すでに登録済みの技能者は差し替えが必要ですか?

登録内容から変更が無い場合は不要です。ただし保険者の変更・移籍・氏名や住所の変更などで登録内容を変更するときは、その時点の有効な書類を添付します。

Q5. 申請画面に「健康保険証」と出ているのはなぜですか?

画面の表記が残っているためで、CCUSから読み替えの案内が出ています。保険者名称欄は「健康保険確認書類に記載されている保険者名」、本人確認書類選択画面の「健康保険証」は「健康保険資格確認書」と読み替えます。

Q6. また使えるようになる可能性はありますか?

あります。健康保険証による医療機関の受診に関する暫定措置が延長された場合には、これに準じて引き続き認める予定で、その際は改めてホームページで知らせるとされています。申請前に公式サイトを確認してください。

Q7. 建設業許可の申請にも影響しますか?

します。埼玉県の令和8年4月施行版の手引きでは、常勤確認資料として資格確認書または資格情報のお知らせ(事業所名の記載があり、有効期限内のもの)が挙げられています。あわせて記号・番号のマスキングが求められています。

Q8. 外国人技能者の登録でも同じ扱いですか?

健康保険の証明書類・本人確認書類の考え方は同じです。加えて在留カード等の確認書類が必要になるため、書類の組み合わせは外国人技能者のCCUS登録の要件とあわせて設計してください。

まとめ:変わったのは制度ではなく、手元の1枚

要点を並べます。

  • CCUSは2026年8月1日をもって健康保険証の取り扱いを終了(2026年8月3日付お知らせ)
  • 代替は医療保険の資格情報(マイナポータルで出力可)/健康保険資格確認書 等
  • 本人確認書類は「住所記載のある資格確認書」だけ。資格情報のお知らせは不可
  • 登録済みで変更が無ければ差し替え不要。変更手続きのときは最新の書類を添付
  • 画面の「健康保険証」表記は2か所を読み替えて入力する
  • 建設業許可(埼玉県)の常勤確認資料も資格確認書・資格情報のお知らせ前提。記号・番号はマスキング

制度の骨格が変わったわけではありません。変わったのは、技能者が財布に入れている1枚と、それをどう証明に変えるかという段取りだけです。

ただ、この手の変更は現場で気づくのが遅れます。気づくのはたいてい、差し戻しのメールが届いた後です。

技能者の人数が多い会社ほど、1件の差し戻しが全体の遅れに変わります。CCUSの登録代行や、建設業許可の申請書類の組み立てでお困りの際は、書類の棚卸しの段階からご相談ください。提出先ごとに違う条件を、こちらで整理してお渡しします。

関連記事

参考にした一次情報

  • 建設キャリアアップシステム事業本部「健康保険証の証明書類としての取り扱い終了のお知らせ」2026年8月3日(PDF
  • 建設キャリアアップシステム事業本部「2026年8月以降における健康保険証の取り扱いについて」2026年7月27日(PDF
  • 建設キャリアアップシステム「登録・運用関係資料(証明書類見本一覧 技能者編 第3.4.0版)」(CCUS公式サイト
  • 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」(厚生労働省公式サイト
  • 厚生労働省「令和6年12月2日から従来の健康保険証は発行されなくなりました」(PDF
  • 埼玉県「建設業許可申請・届出の手引き(令和8年4月施行版)」常勤確認資料・社会保険適用の確認資料(埼玉県公式サイト

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