最終更新日:2026年7月15日|改正建設業法(承継認可制度・法第17条の2〜4)および2026年7月時点の制度内容に基づく

この記事の結論(先に要点だけ):鴻巣市の建設業の事業承継は、廃業を決める前に「残す道」(親族内承継・従業員承継〈MBO〉・M&A)を検討することが第一歩です。

そして建設業許可と経審スコアを切らさず引き継ぐ段取りを早めに組むことが要になります。許可の引継ぎには効力発生日の前日までの「承継認可(事前認可)」が必要で(相続は死亡後30日以内)、鴻巣市を所管する埼玉県知事許可の窓口は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課です。

作業場の隅、図面と手道具が詰まった棚の前で、70代の社長の手がふと止まる。荒川の護岸工事から雛人形のまちの店舗改装まで、鴻巣で40年積み上げてきた仕事です。

「この段取り、いったい誰に渡せばいいのか」——世代交代を控えた鴻巣市の建設会社で、いま向き合っている場面です。腕のいい職人と半世紀分の取引口座がある会社ほど、継ぎ手も買い手も見つかります。

大切なのは順番です。廃業を決める前に、残す道——親族内承継・従業員承継(MBO)・M&A——を並べて検討することが第一歩になります。

そして建設業許可と経審スコアを切らさない段取りが要になります。譲渡・合併・分割は効力発生日の前日までに承継認可が必要で(相続は死亡後30日以内)、鴻巣市の窓口は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課です。

この記事は、承継の選択肢・許可承継認可の壁・相談先と費用・着手時期を、鴻巣の地域事情を踏まえて地元行政書士が整理します。

この記事でわかること(先に結論):

  • 鴻巣市で建設業の事業承継相談が増えている地域的な背景(中山道の宿場町「鴻巣宿」の歴史的まちなみ、鴻巣雛〈人形のふるさと〉に関わる施設整備、埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設、川幅日本一の荒川の河川・防災土木、鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地整備、JR高崎線で大宮・都心・熊谷方面へ通う小規模事業者の高齢化)
  • 事業承継の4つの選択肢(親族内・親族外/MBO・M&A・廃業)と鴻巣市での選び方
  • 建設業特有の壁=建設業許可の承継認可(譲渡等は効力発生日の前日までに認可が必要な事前認可制度。相続は死亡後30日以内。申請受付期限は許可行政庁ごとに異なり埼玉県は建設管理課への事前相談が前提/知事許可か大臣許可かで窓口が変わる)と経審スコアの継続
  • 鴻巣市ならではの承継価値=宿場町・雛人形・県の公共施設・荒川の河川防災・市街地整備で培った実績・技能と、途切れない文化財保全・防災・市街地整備の需要基盤
  • 鴻巣市で相談すべき専門家の役割分担と費用の目安(行政書士を起点に)
  • 事業承継は5〜10年前から。早く動くほど選択肢が広がる理由

目次

鴻巣市で建設業の事業承継相談が増えている背景

鴻巣市で事業承継相談が増える背景——決算書と工事写真を前に会社の将来を考える建設会社の高齢経営者

鴻巣市は、埼玉県中央部(県央)の田園・産業都市です。荒川と元荒川にはさまれた平野に市街地と田園が広がり、県のほぼ中央に位置しています。

人口は117,607人・54,841世帯(令和8年7月1日現在・住民基本台帳/鴻巣市公式)で、県内でも有数の規模の市です(最新の人口・世帯数は鴻巣市公式サイトでご確認ください。基準日により数値は変動します)。

現在の市は2005年(平成17年)10月1日に、旧鴻巣市が北足立郡吹上町と北埼玉郡川里町を編入して成立しました。旧2町のエリアを含む広い市域が、鴻巣市の特徴です。

鴻巣市を全国区にしているのが「鴻巣雛(こうのすびな)」の伝統です。鴻巣の人形づくりは約400年の歴史をもつと伝えられる地場産業で、市は「人形のふるさと」として知られています。

その象徴が、毎年春の「鴻巣びっくりひな祭り」です。市街地の産業観光館「ひなの里」などを会場に、「日本一高いピラミッドひな壇」(31段・高さ約7m)が飾られ、多くの行楽客でにぎわいます。

歴史をたどると、鴻巣は中山道の宿場町「鴻巣宿(こうのすじゅく)」として栄えました。1602年(慶長7年)の中山道の宿駅整備にともない、この地に宿場が成立し、街道沿いに町並みが形づくられていきました。

公共施設の面で見逃せないのが、埼玉県警察 運転免許センター(鴻巣市鴻巣405-4)が市内に所在する点です。県内の免許試験・更新の拠点となる大規模な県施設で、維持・更新の建設需要につながっています。

自然環境では、鴻巣は「花のまち」としても知られます。荒川の河川敷では休耕田を活用したポピーが春に咲き、秋にはコスモスが楽しめる散策コースとして親しまれています。

その荒川では、鴻巣市と吉見町にまたがる区間の川幅が約2,537mで日本一とされています(鴻巣市公式「川幅日本一」)。堤防間を「川幅」とする国の定義によるもので、御成橋付近が代表地点です。

交通面では、市内にJR高崎線の「鴻巣駅」と「北鴻巣駅」の2駅があります。いずれも大宮・都心方面や熊谷・高崎方面へ直結する、通勤・現場移動の軸です。

産業は中山道の宿場町の歴史的まちなみと鴻巣雛の地場産業、県の公共施設、川幅日本一の荒川の河川防災、高崎線沿線の市街地と田園が同居する県央の構造が柱です。「宿場町の歴史と雛人形のまちを抱えつつ、大河川の防災と市街地・田園のインフラを支える産業構造」——これが鴻巣市の建設業を理解する出発点です。

全国的にも、中小企業経営者の高齢化と後継者不在は深刻です。中小企業庁の事業承継・引継ぎ支援は重点政策に掲げられています。

建設業は特に、経営者の高齢化率が高く、後継者不在による「黒字廃業」が問題視される業種です。国土交通省も建設業の事業承継・許可の承継に関する制度整備を進めており、県央の地場建設業者も、まさにその最前線にあります。

技術も取引先もあるのに承継先が決まらず廃業を考える、というケースが目立ちます。

一方で、鴻巣市には事業を「残す」価値を支える建設需要が続いています。

  • 鴻巣宿・雛人形のまち・県の公共施設の整備:鴻巣市の建設業は、中山道の宿場町「鴻巣宿」の歴史的まちなみと、鴻巣雛(人形のふるさと)に関わる産業観光館「ひなの里」などを抱えるまちという土台の上にあります。歴史的な町並みや観光拠点の整備・改修、埼玉県警察 運転免許センターのような県の公共施設や社寺・史跡の維持補修が継続的に発生します。こうした人が集まる場所ほど、元請・発注者が許可・経審・CCUS登録を備えた下請を求める傾向が強く、地場業者の実績が受注の土台になります
  • 川幅日本一の荒川の河川・防災土木と、田園・市街地が同居する県央のインフラ:鴻巣市は荒川と元荒川にはさまれた平野にあり、川幅日本一で知られる荒川の広い河川敷を抱えています。大河川に接する立地から、堤防・排水・河川・道路の防災土木の維持更新が重視されています。あわせて鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地整備や公共施設の更新、旧吹上・川里エリアを含む田園地帯の農業関連施設・道路の維持補修も、市の建設業を支える柱です
  • 高崎線で大宮・都心・熊谷方面のゼネコン現場に入る専門技能:鴻巣市はJR高崎線(鴻巣駅・北鴻巣駅)を軸に、大宮・都心方面や熊谷・高崎方面へつながる県央の交通の要衝です。市内の職人・一人親方・大工・とび・土工の多くは、電車や車を足に各方面のゼネコン現場や、宿場町・雛人形のまち・河川・市街地関連の工事に入っています。長年かけて築いた都市部・大手元請との取引口座は、新規参入では一朝一夕に手に入らない資産です

つまり鴻巣市では、「仕事はある。許可も経審も技術者もある。だが継ぐ人がいない」という、最も“もったいない”形の後継者問題が起きやすいのです。

創業世代の高齢化が進む県央だからこそ、廃業ではなく承継・M&Aで事業を残す選択肢を早めに検討する価値があります。資材高騰・職人不足のなか、許可と経審、そして宿場町・雛人形・県の公共施設・河川・市街地整備で培った実績を備えた既存業者の価値はむしろ上がっています。

後継者問題の全体像は建設業の後継者問題と事業承継の選択肢でも詳しく整理しています。

鴻巣市の承継価値の核|宿場町・雛人形・荒川・市街地で培った実績と、途切れない需要

宿場町・雛人形のまち・荒川で培った技能を若手に伝えるベテラン職人(鴻巣市の承継価値)

鴻巣市の建設業の事業承継を考えるうえで、地元ならではの“強み”として押さえておきたい点があります。「現金や不動産には表れない技能・取引基盤こそが、買い手・後継者の評価の中心になる」ということです。

決算書の利益だけを見て「うちは大した会社ではない」と自己評価を下げてしまう——そんな場面によく出会います。しかし鴻巣市の事業者には次の2つの“見えない資産”があります。

残す価値①|宿場町・雛人形・県の公共施設・荒川で培った実績・技能と、半世紀の取引口座

鴻巣市は、鴻巣宿の歴史的建造物や雛人形のまちの施設まわりの営繕、埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設、川幅日本一の荒川の河川・防災、鴻巣駅周辺の市街地整備、旧吹上・川里エリアの田園インフラといった仕事が続いてきた土地柄です。

こうした環境のなかで、市内の専門工事会社・職人が、文化財・観光拠点の営繕や河川・防災の公共土木、県の公共施設の維持更新、市街地整備、そしてJR高崎線を拠点に大宮・都心・熊谷方面のゼネコン現場に長年入り続けてきたという歴史があります。

とび・土工・重機・鉄筋・型枠・法面・舗装といった公共土木・産業インフラを扱える技能は、担い手が全国的に減っているだけに希少価値が高いものです。

加えて「県・市の公共発注や、大手ゼネコンと直接取引できる口座(取引実績)」は、新規参入の会社が一朝一夕に手に入れられるものではありません。

M&Aの買い手や後継者が評価するのは、会社が今年いくら利益を出したかではありません。「この会社を引き継げば、鴻巣市・県央や大宮・都心・熊谷方面の元請との取引と、宿場町・雛人形・河川・市街地のインフラ工事を扱える職人をそのまま使えるか」です。

つまり、赤字だから畳むのではなく、実績・技能と半世紀かけた取引口座、建設業許可・経審という公的資格を“承継”あるいは“現金化”するという発想が、鴻巣市の事業者には現実的な選択肢になります。

続く価値②|文化財保全・河川防災・市街地整備の維持更新で途切れない需要

もう一方の柱が、需要が途切れにくいという鴻巣市ならではの強みです。

鴻巣宿の歴史的建造物や雛人形のまちの拠点施設の保全整備が続くほか、荒川の河川・治水、市街地と周辺集落を結ぶ道路・橋梁の維持補修・改良が長期にわたって続きます。埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設や鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地再整備も、県央の拠点都市ならではの継続需要です。

加えて、住宅の新築・改修・外構工事や、旧吹上・川里エリアの田園地帯の農業関連施設・工場関連の整備も継続的に発生します。移住・二拠点の動きから空き家改修や小規模な宅地整備の仕事も生まれています。

近年の豪雨・水害を受けて、荒川流域の防災・減災の公共工事はむしろ重みを増しています。人口規模を保っていても、暮らしと安全、そして宿場町・雛人形のまちの魅力を守る公共性の高い工事、土木・舗装・外構・造園・とびといった専門工事の出番は絶えません。

元請が関わる現場では、許可・経審・CCUS登録を備えた下請に安定した受注機会があります。「文化財・観光拠点の保全で続く仕事」と「荒川の河川・防災と鴻巣駅周辺の市街地整備で続く仕事」の両方を持てるのが鴻巣市の事業者の強みであり、これは後継者・買い手が承継後の事業計画を描きやすい、読みやすい需要基盤になります。

こうした技能・取引口座・受注基盤は、現経営者個人の技量・人脈・信用に属人化していることが多いものです。後継者やM&Aの相手に円滑に引き継ぐには、技能承継と、取引先・元請担当者への“顔つなぎ”を早めに始めることが欠かせません。

これも、5〜10年前から準備を始めるべき理由の一つです。CCUS登録による技能者の「見える化」も、取引基盤を次世代に引き継ぐ土台になります(鴻巣市のCCUS登録については鴻巣市のCCUS登録代行で詳しく解説しています)。

鴻巣市の建設業者がとれる事業承継の4つの選択肢

親族内承継・従業員承継・M&A・廃業の4つの選択肢を家族と幹部で検討する鴻巣市の建設業経営者

建設業の事業承継には、大きく4つの道があります。鴻巣市の経営者がまず押さえるべきは、「廃業は最後の手段であり、その前に3つの“残す”選択肢がある」という点です。

選択肢 内容 鴻巣市での向き・不向き
親族内承継 子・親族に株式と経営を引き継ぐ 後継者がいれば最有力。経管要件・株価・相続対策・宿場町/雛人形/河川/市街地の技能と取引口座の顔つなぎを5〜10年計画で
親族外承継(MBO/従業員承継) 役員・幹部社員が株式を買い取り承継 現場と取引先を知る番頭格・職長がいる鴻巣市の地場業者に向く。買取資金の設計が鍵
M&A(第三者承継) 他社へ株式譲渡・事業譲渡で売却 後継者不在でも事業・雇用を残せる。許可・経審・宿場町/雛人形/河川/市街地の実績・地場取引口座があれば買い手がつきやすい
廃業 許可を抹消し事業を終う 最後の手段。許可抹消・解雇・取引先影響を伴う。決める前に上記3つを検討

どれを選ぶべきかは、後継者の有無・財務状況・経営者の年齢・従業員の状況によって変わります。

3類型の比較は親族内・親族外・MBOの比較、出口戦略全体の選び方は建設業の出口戦略|廃業・事業承継・M&Aの選び方、従業員承継の具体策は建設業の従業員承継(MBO/EBO)、廃業とM&Aの損得比較は建設業の廃業とM&Aはどちらが得かで詳しく解説しています。

鴻巣市の地場建設業者でとりわけ相談が多いのが、親族外承継(MBO)とM&Aです。「子は別の仕事に就いたが、長年現場と取引先を支えてくれた番頭格・職長に継いでほしい」「文化財・河川・市街地関連の実績や地場の受注基盤を評価した同業他社・異業種からの引き合いがある」といったケースで、許可・経審を切らさずに引き継げるかが論点になります。

M&Aの具体的なスキームは建設業のM&Aスキーム|株式譲渡・事業譲渡・会社分割の比較、事業譲渡による承継は建設業の事業譲渡による承継で整理しています。

建設業ならではの壁|許可承継認可と経審スコアを切らさない

建設業許可の承継認可は書面提出が原則——申請書類一式をカウンターで提出する場面

鴻巣市の建設業の事業承継が、一般的な事業承継と決定的に違う点があります。「建設業許可」と「経営事項審査(経審)」という公的な資格を引き継がなければならないことです。

ここを軽視すると、株式や経営は引き継げても、肝心の許可が切れて事業が続けられない、という事態になりかねません。

建設業許可の承継認可(申請期限に注意)

2020年10月施行の改正建設業法により、事業譲渡・合併・分割・相続による建設業許可の承継は、事前に許可行政庁の「承継認可」を受ける仕組みになりました(建設業法第17条の2〜4)。

最も重要なのは、譲渡・合併・分割では承継予定日(効力発生日)の前日までに認可を受けていなければならないという点です(事前認可)。相続は被相続人の死亡後30日以内に認可申請をする必要があります。

なお、譲渡・合併・分割では承継予定日が各社の許可有効期間の満了日の30日前より前であることも求められます(これは相続の「死亡後30日以内」や、通常の更新申請〈有効期限の30日前まで〉とは別のルールなので混同に注意)。

承継認可の申請受付期限や審査にかかる期間は許可行政庁ごとに異なります。たとえば東京都は効力発生日の2か月前〜25日前まで・審査に25開庁日程度などの運用ですが、これは東京都の例で都県によってばらつきがあり、埼玉県の確定値ではありません。

そのため、鴻巣市を所管する埼玉県知事許可では、まず埼玉県庁 県土整備部 建設管理課に早めに事前相談し、効力発生日から十分な余裕(数か月)をもって申請するのが安全です。

事前認可を受ければ許可の空白期間ゼロで引き継げますが、怠ると一時的に無許可となり、500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請けられなくなります。

具体的な申請期限・標準処理期間は許可行政庁により異なるため、必ず提出先(埼玉県知事許可なら建設管理課)に事前確認してください。承継認可制度の全国共通の手引としては、国土交通省 関東地方整備局の建設業許可案内も参考になります。

鴻巣市ならではの注意点|窓口は埼玉県庁、知事許可か大臣許可かで変わる

鴻巣市内のみに営業所を置く事業者は埼玉県知事許可となり、承継認可・建設業許可・各種届出の提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課(さいたま市浦和区高砂3-15-1 第2庁舎3階)です。

建設業許可申請・各種届出は電子申請(JCIP)も利用できます。ただし事業承継等の認可申請(承継認可)はJCIPの電子申請対象に含まれず、書面提出が原則です(最新の取扱いは提出前に建設管理課へご確認ください)。

鴻巣市役所には建設業許可・承継認可の受付窓口はありません。市発注工事の入札・指名願いの相談が鴻巣市役所の契約担当部署になりますが、建設業許可・承継認可そのものは県(埼玉県庁 建設管理課)が窓口です。

取り違えやすい点として、鴻巣市内の県管理河川・道路の工事や占用は県の所管事務所(県土整備事務所)が窓口ですが、これは工事・河川管理の窓口であって、建設業許可・承継認可の受付とは別です。許可・承継認可の受付は本庁の建設管理課で行います。

さらに鴻巣市で重要なのが、承継認可の窓口は「知事許可か大臣許可か」で変わるという点です。

鴻巣市はJR高崎線を軸に、大宮・都心・熊谷・高崎方面へ通じる県央の要衝にあり、市内の事業者が近隣市や都内に営業所を構えて元請取引を広げているケースもあります。

本店を鴻巣市に置きつつ他の都道府県にも営業所を構える事業者の場合は国土交通大臣許可となり、承継認可の窓口は埼玉県庁 建設管理課ではなく関東地方整備局に変わります。自社がどちらに該当するかを早めに確認しておくことが、承継認可をスムーズに進めるうえで重要です。

参考までに、埼玉県知事許可の新規申請手数料は9万円、新規許可の標準処理期間はおおむね18日(埼玉県公式。土日祝・年末年始を除く。混雑等により前後する)です。

ただしこれはあくまで新規許可の参考値であり、事業承継の「承継認可」の審査に要する期間はこれとは別です。承継認可の審査期間は許可行政庁ごとに異なり「18日」と断定はできません。

そのため、埼玉県庁 県土整備部 建設管理課に早めに事前相談し、効力発生日から十分な余裕をもって申請してください。

知事許可と大臣許可の違いは大臣許可と知事許可の違い|営業所の所在地で変わる申請先で詳しく解説しています。承継認可制度そのものの詳細は建設業許可の事業承継認可(譲渡・合併・分割・相続)、相続による承継は建設業許可の相続による承継(30日以内の認可申請)、合併による承継は建設業の合併と承継認可、会社分割による承継は建設業の会社分割と承継認可を参照してください。

承継の類型 認可申請の期限 ポイント
事業譲渡 効力発生日(承継予定日)の前日までに認可 事前認可。承継予定日は許可有効期間満了日の30日前より前であることも必要
合併 効力発生日の前日までに認可 事前認可。消滅会社・存続会社の許可を整理して引継ぎ
分割(会社分割) 効力発生日の前日までに認可 事前認可。承継対象の事業・許可の範囲を明確に
相続 被相続人の死亡後30日以内に申請 相続人が事業を継続する場合。認可までは相続人が許可を承継したものとみなされる
(参考)通常の更新 有効期限の30日前まで 承継とは別。5年ごとの更新を切らさない
手続き 窓口・提出先 鴻巣市での進め方・注意点
建設業許可(埼玉県知事許可) 埼玉県庁 県土整備部 建設管理課(さいたま市浦和区)/電子申請はJCIP 営業所が鴻巣市内(埼玉県内)のみなら知事許可。他県にも営業所があれば大臣許可(関東地方整備局)
承継認可(譲渡・合併・分割・相続) 埼玉県庁 県土整備部 建設管理課(知事許可の場合)/JCIP対象外・書面提出が原則 譲渡等は効力発生日の前日までに認可(事前認可)/相続は死亡後30日以内に申請。埼玉は日数を断定せず建設管理課に事前相談
経営事項審査(経審) 埼玉県(県庁・建設管理課が窓口) 承継で経管・技術者が交代するとP点に影響。CCUS就業履歴でW点を加点
県管理の河川・道路工事 県の所管事務所(県土整備事務所) 県管理道路・県管理河川の工事発注・占用等を所管。許可・承継認可の受付はしない
市発注工事の入札・指名願い 鴻巣市役所 契約担当部署 経審・許可取得済が前提。市役所は許可・承継認可の受付は行わない

経審スコアと経営業務管理責任者(経管)の引継ぎ

公共工事の入札や、鴻巣市発注工事、荒川の河川・防災などの公共案件に参加している事業者にとっては、経審スコア(P点)を途切れさせないことも重要です。

承継のタイミングで経営業務管理責任者(経管)や営業所技術者等が交代すると、許可要件や経審の技術職員点(Z点)に影響します。特に経管は「建設業に関し5年以上の経営経験」が必要なため、後継者の育成には年単位の時間がかかります。

さらに鴻巣市では、CCUS(建設キャリアアップシステム)の就業履歴の蓄積による経審のW点加点が、文化財・河川・市街地や公共案件で効いてくるため、承継後も技能者の登録・運用を継続できる体制づくりが欠かせません。

経審を切らさない実務は事業承継で経審スコアを途切れさせない方法、経管交代の段取りは建設業の経管交代と事業承継、CCUSと経審の連動は鴻巣市のCCUS登録代行を参照してください。

そして、株式譲渡やM&Aが成立した後も、承継後の統合(PMI)で許可の一本化・経審の組み直し・技術者の定着を進める必要があります。「成立したら終わり」ではない点は建設業のPMI(承継後統合)完全ガイドで詳しく整理しています。

鴻巣市で事業承継を相談すべき専門家と費用の目安

行政書士を起点に税理士・弁護士・M&A仲介が連携する事業承継の専門家チーム

建設業の事業承継は、1人の専門家では完結しません。領域ごとに担い手が分かれます。建設業では「許可・経審を守りながら承継する」点が起点になるため、まず行政書士に相談し、税理士・社労士・M&A仲介と連携するのが実務的です。

なお、株価評価や相続・贈与税は税理士、M&Aの法務・契約は弁護士、買い手探し・条件交渉はM&A仲介の領域です。行政書士の業務範囲は建設業許可の承継認可と各種変更届です。役割を正しく切り分けて連携することが、過不足のない承継につながります。

専門家 主な役割 費用の目安
行政書士 建設業許可の承継認可、経審の継続設計、各種届出(独占業務) 承継認可で10〜30万円程度
税理士 株価評価、相続・贈与税、退職金設計 株価評価30〜100万円程度
弁護士 M&A契約・法務デューデリジェンス・紛争予防 スポット・タイムチャージ
M&A仲介・支援センター 買い手探し・条件交渉(M&Aの場合) 最低報酬2,000〜2,500万円が一般的

誰に・どの順で相談すべきかは建設業の事業承継は誰に相談すべき?、会社規模・スキーム別の総額の考え方は事業承継の費用総額シミュレーションで詳しく試算しています。

なお、M&A仲介はクロージング(成立)までで関与が終わることが多く、その後の許可・経審の統合は別途、地元で継続支援できる専門家に任せるのが安全です。鴻巣市は事業承継・引継ぎ支援センターなど公的相談窓口も活用でき、行政書士を起点に公的支援を組み合わせやすい地域です。

事業承継は、決算書や株主構成、家族関係といった極めて機微な情報を扱う相談です。だからこそ、顔の見える地元の専門家に継続して相談できる安心感は、鴻巣市の経営者にとって小さくない価値があります。

生成AIで制度の概要は調べられても、運用判断は現場経験のある専門家でなければ代替できません。「この承継で経審のP点がどう動くか」「廃業届と承継認可をどの順で出せば許可が切れないか」「知事許可と大臣許可のどちらで承継認可を申請すべきか」「鴻巣宿・雛人形のまち・河川・市街地の工事を扱える職人の技能をどう後継者に引き継ぐか」といった判断がそれにあたります。

IT化が遅れた業界だからこそ、知識と仕組みで先に動いた事業者から差がつきます。

鴻巣市の建設業の事業承継は「5〜10年前」から動くほど有利

現経営者と後継者が事業計画を前に将来を描く(鴻巣市の事業承継は5〜10年前から)

事業承継でいちばん多い失敗は、「動き出すのが遅れること」です。建設業の承継には、時間をかけなければ解決できない要素が重なっています。

  • 経管要件:後継者が5年以上の経営経験を積む必要がある → 最低5年前から
  • 株価対策:自社株評価の圧縮(役員退職金・利益調整など)は数年がかり
  • 経営者保証の解除:金融機関との交渉に時間を要する
  • 経審スコアの引継ぎ:決算期・技術者配置・CCUS就業履歴の蓄積を計画的に
  • 技能承継と取引口座の引継ぎ:鴻巣宿・雛人形のまち・河川・市街地の工事を扱える職人の技量や、大宮・都心・熊谷方面の元請担当者への“顔つなぎ”は一朝一夕にはいかない

経営者が60代に入ったら、まずは現状把握(許可・経審・株価・後継者の有無・取引先の棚卸し)から始めるのが安全です。

準備の年次タスクは建設業の事業承継 完全ロードマップ、親族内承継の3年計画は建設業の親族内承継 完全ロードマップ、避けるべき失敗は建設業の事業承継 失敗パターン集、経営者保証の解除は建設業の経営者保証と事業承継で詳しく解説しています。

「まだ元気だから先でいい」と先送りした結果、経営者の体調悪化や急逝で準備が間に合わず、相続トラブルや黒字廃業に至るケースが後を絶ちません。

承継は、やる気が出てから始めるものではなく、仕組みとして早く着手するものです。創業世代の高齢化が進む県央では、この“先送りリスク”がとりわけ大きいだけに、早く動いて事業を整えた会社ほど、承継でも有利になります。

鴻巣市の建設業の事業承継に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 鴻巣市で建設業の事業承継はどこに相談すればよいですか?

建設業の事業承継は、許可・経審を扱う行政書士、株価・税務の税理士、給与・社会保険の社会保険労務士、M&Aを伴う場合のM&A仲介や事業承継・引継ぎ支援センターなど、複数の専門家が関わります。

建設業特有の「許可承継認可」「経審スコアの継続」が成否を左右するため、まず行政書士を起点に相談するのが実務的です。鴻巣市内のみに営業所がある事業者は埼玉県知事許可で、許可・承継認可・各種届出の提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課(さいたま市浦和区高砂3-15-1 第2庁舎3階)です。

建設業許可申請・各種届出は電子申請(JCIP)も利用できますが、承継認可(事業承継等の認可申請)はJCIPの対象外で書面提出が原則です(最新の取扱いは建設管理課に要確認)。鴻巣市役所に建設業許可・承継認可の受付窓口はなく、市発注工事の入札相談のみ市の契約担当部署です。

中山道の宿場町「鴻巣宿」の歴史的まちなみの保全、鴻巣雛(人形のふるさと)に関わる「ひなの里」など施設の整備、埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設の維持更新、川幅日本一の荒川の河川・防災土木、鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地整備、そしてJR高崎線から大宮・都心・熊谷方面へ通う取引まで踏まえて、地元の行政書士なら一体で設計できます。

Q2. 鴻巣市の建設業を後継者に継がせるとき、建設業許可はそのまま引き継げますか?

自動では引き継げません。2020年10月施行の改正建設業法による承継認可(法第17条の2〜4)を、譲渡・合併・分割は承継予定日(効力発生日)の前日までに認可を受けておく必要があり(事前認可)、相続は死亡後30日以内に認可申請をして受ける必要があります。

承継認可の申請受付期限・審査期間は許可行政庁ごとに異なるため、鴻巣市の埼玉県知事許可では埼玉県庁 県土整備部 建設管理課への早めの事前相談が前提で、効力発生日から十分な余裕をもって申請します。

事前認可を受ければ許可の空白期間ゼロで引き継げますが、怠ると一時的に無許可となり、500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請けられなくなります。

鴻巣市内のみに営業所がある場合は埼玉県知事許可で、承継認可の提出先は埼玉県庁 県土整備部 建設管理課です(承継認可は電子申請JCIPの対象外で書面提出が原則。許可申請・各種届出はJCIPも利用可)。他の都道府県にも営業所を置く場合は大臣許可となり、承継認可の窓口は関東地方整備局に変わります。

Q3. 後継者がいない鴻巣市の建設業者は廃業するしかないのですか?

廃業だけが選択肢ではありません。従業員への承継(MBO)や第三者へのM&Aで事業と雇用を残す道があります。

鴻巣市は、中山道の宿場町「鴻巣宿」の歴史的まちなみや鴻巣雛(人形のふるさと)に関わる「ひなの里」など施設の整備・改修、埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設の維持更新、川幅日本一の荒川の河川・防災土木、鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地整備、旧吹上・川里エリアの田園インフラ、そしてJR高崎線を拠点に大宮・都心・熊谷方面のゼネコン現場に入る専門技能の取引で建設需要が続いています。

許可・経審・技術者、そして宿場町・雛人形・県の公共施設・河川・市街地整備のインフラで培った実績と長年かけた取引口座を備えた会社には買い手がつきやすい環境です。廃業は許可抹消・解雇・取引先影響を伴うため、決める前に承継・M&Aの可能性を専門家に相談することをおすすめします。

Q4. 鴻巣市の建設業の事業承継はいつから準備すべきですか?

親族内承継・従業員承継なら5〜10年前、M&Aでも1〜3年前からが理想です。建設業では経管の後継者が5年以上の経営経験を積む必要があり、これだけで5年前から動く理由になります。

加えて株価対策、経営者保証の解除、経審の引継ぎ、そして鴻巣宿の歴史的まちなみや雛人形のまちの施設整備、荒川の河川・防災の現場、県の公共施設や鴻巣駅周辺の市街地整備、大宮・都心・熊谷方面の元請との取引口座の顔つなぎなど時間のかかる準備が重なります。

鴻巣市の人口は117,607人・54,841世帯(令和8年7月1日現在・住民基本台帳/鴻巣市公式。最新値は鴻巣市公式で要確認)で、県内有数の規模を保ちつつも創業世代の高齢化が進んでおり、後継者不在は他人事ではありません。経営者が60代に入ったら、鴻巣市の建設業者はまず現状把握から始めるのが安全です。

Q5. 鴻巣市の建設業の事業承継にはどれくらい費用がかかりますか?

スキームにより大きく異なります。親族内承継なら株価評価・税理士報酬・許可承継認可で数十万円〜、M&Aを伴う場合はM&A仲介手数料(最低報酬2,000〜2,500万円が一般的)が加わり総額が数百万円規模になることもあります。

建設業許可の承継認可の行政書士報酬は10〜30万円程度が目安です。詳しくは費用シミュレーション記事で会社規模別に試算しており、鴻巣市の事業者にも初回無料相談で概算をお示しします。

まとめ:鴻巣市の建設業の事業承継は「残す」前提で早めに動く

鴻巣市の建設業の事業承継について、本記事のポイントをまとめます。

  • 鴻巣市は中山道の宿場町「鴻巣宿」の歴史的まちなみ、鴻巣雛(人形のふるさと)に関わる施設整備、埼玉県警察 運転免許センターなど県の公共施設、川幅日本一の荒川の河川・防災、鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地整備、JR高崎線を拠点に大宮・都心・熊谷方面に入る専門技能で建設需要が続く=事業を「残す」価値が高い
  • 鴻巣市の承継価値は「宿場町・雛人形・県の公共施設・荒川で培った実績・技能と半世紀かけた取引口座(残す・売れる資産)」と「文化財保全・河川防災・市街地整備の維持更新で途切れない需要基盤(続く価値)」。経審のP点・許可・技術者とともに、決算書の利益以上に買い手・後継者が評価する中核資産
  • 選択肢は親族内承継・親族外承継(MBO)・M&A・廃業の4つ。廃業は最後の手段で、まず3つの“残す”道を検討する
  • 建設業特有の壁は「許可承継認可(譲渡等は効力発生日の前日までに認可が必要な事前認可制度。相続は死亡後30日以内。申請受付期限は許可行政庁ごとに異なり埼玉県は建設管理課への事前相談が前提)」と「経審スコアの継続」。鴻巣市内のみなら埼玉県知事許可で窓口は埼玉県庁 建設管理課(許可申請・届出はJCIP可だが承継認可は書面提出が原則・鴻巣市役所に窓口はない/県管理河川・道路の工事は県の所管事務所〈県土整備事務所〉が窓口だが許可・承継認可の受付はしない)、他県にも営業所があれば大臣許可で関東地方整備局が窓口
  • 相談は行政書士を起点に、税理士・弁護士・社労士・M&A仲介と役割を切り分けて連携する
  • 経管要件・株価・経営者保証の解除・技能承継・取引口座の顔つなぎは数年がかり。60代に入ったら現状把握から着手を

建設業の事業承継は、許可・経審・技術者・取引先という“見えない資産”を次世代に引き継ぐ仕事です。鴻巣市では、これに宿場町の歴史的まちなみ、雛人形のまちの文化、荒川の河川・防災、鴻巣駅周辺の市街地整備で培った実績という地域固有の価値も加わります。

これらは正しく段取りすれば残せますが、先送りすると黒字廃業や相続トラブル、そして二度と取り戻せない技能・取引基盤の途絶につながります。

やる気ではなく仕組みで、廃業ではなく承継で——創業世代の高齢化が進む県央だからこそ、鴻巣市の建設業者が今すぐ動くべきタイミングです。

鴻巣市の建設業|事業承継・許可承継のご相談窓口

当事務所は、鴻巣駅・北鴻巣駅周辺の市街地から中山道沿いの宿場まちなみ、旧吹上・川里エリア、さらに行田市・熊谷市・北本市・桶川市までを対応エリアに、建設業の事業承継をワンストップで支援しています。

行政書士の独占業務として、承継認可(譲渡・合併・分割・相続)・経審の継続設計・業種整理や各種届出を担当します。株価や税務は税理士、M&A契約は弁護士、労務は社会保険労務士、買い手探しはM&A仲介と組み、許可と経審を切らさない形を一緒に設計します。

提出先である埼玉県庁 県土整備部 建設管理課の運用(許可申請・届出はJCIP可/承継認可は書面提出が原則)にも通じており、知事許可・大臣許可のどちらにも対応します。

「子は継がない」「番頭に任せたい」「同業から声がかかっている」「たたむことも視野に入れている」——どの段階でも構いません。初回相談は無料です。お問い合わせから、現状の棚卸しと残すための選択肢を、率直にお伝えします。

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