最終更新日:2026年6月5日|令和6年改正建設業法(2024年12月13日施行)対応/建設業許可申請手数料・登録免許税対応

建設業許可の取得費用は総額でいくらかかるのか」——許可取得を検討する経営者から最も多く寄せられるのが、この一言です。ネットで調べると「9万円で取れる」「相場20万円」とバラバラの数字が並び、しかも自社が個人事業主なのか中規模法人なのか、知事許可なのか大臣許可なのかで前提が違うため、結局自社のケースに当てはまりません。

本記事では、会社規模(個人事業主/小規模法人/中規模法人)×申請区分(知事新規/大臣新規/般特新規・業種追加)の「9マス総額レンジ表」を先に提示し、そこから法定費用・行政書士報酬・証明書実費の単価表、ケース別の実質総額シミュレーション、自分でやる vs 行政書士依頼の損益分岐までを積み上げて分解します。共通数値(申請手数料9万円・標準処理約30日・取得まで2〜4か月)は当サイトの建設業許可の費用はいくら?と完全に整合させています。

そして本記事の核心は、「9万円で済むと思ったら違った」という隠れコストを正直に開示することにあります。残高証明(財産的基礎500万円)、常勤役員・営業所技術者の人件費、見落としやすい証明書実費、取得後の維持費——これらは広告的な「9万円」には決して含まれません。費用が読めず先送りするのは経営者のやる気の問題ではなく、総額の見える化という仕組みが無いだけです。本記事を読めば、自社の規模と申請区分から「いくら用意すべきか」を1時間以内に試算できる状態を目指します。

この記事でわかること:

  • 会社規模(個人事業主/小規模法人/中規模法人)×申請区分(知事新規/大臣新規/般特新規・業種追加)の費用総額9マスレンジ表
  • 法定手数料(知事新規9万円・大臣新規は登録免許税15万円)・証明書実費・行政書士報酬相場の費用項目別単価表
  • 「9万円で済むと思ったら違った」4つの隠れコスト(残高証明・常勤性確保の人件費・証明書実費・維持費)の率直な開示
  • ケース別の実質総額シミュレーション(一人親方の知事新規/元請昇格を狙う中規模法人の般特新規)
  • 自分でやる vs 行政書士に依頼するの区分け表(時間コスト・不許可リスク・差戻し往復回数で定量比較)

本記事の対象読者:これから建設業許可を取得する個人事業主・小規模法人の経営者、および元請昇格・公共工事入札のために般特新規や大臣許可へ進む中規模建設業者の経営者・経理担当の方。「許可って結局いくら?」「行政書士に頼むと法定費用以外にいくら上乗せ?」「自分でやれば9万円で済む?」を比較検討中の方が、自社の総額を数字で出すための実務記事です。許可要件をまだ確認していない方は建設業許可の要件とは?取得に必要な5つの条件を先に押さえると、本記事の費用がどの要件に紐づくか理解しやすくなります。

目次

結論:会社規模×申請区分別 建設業許可の取得費用 総額9マスレンジ表(2026年版)

先に結論から示します。建設業許可の取得費用の総額は、会社規模(おおむね個人/小規模法人/中規模法人)×申請区分で以下のレンジに収まります。これは法定手数料+証明書類実費+行政書士報酬を合算したグロス(要件を満たしている前提)の試算で、後述する残高証明・常勤性確保などの隠れコストは含みません(隠れコストはブロック3で別建て)。

会社規模 知事許可・新規 大臣許可・新規 般特新規・業種追加
個人事業主(1業種・実務経験で立証) 約19万〜25万円 約30万〜40万円 般特新規 約14万〜20万円/業種追加 約10万〜15万円
小規模法人(1〜2業種・資本金〜1,000万円) 約20万〜30万円 約30万〜42万円 般特新規 約16万〜25万円/業種追加 約10万〜18万円
中規模法人(複数業種・特定建設業/元請昇格) 約25万〜40万円 約35万〜50万円 般特新規(特定)約20万〜35万円/業種追加 約13万〜22万円

このレンジを読むときの注意点は4つあります。

第一に、知事許可・新規の法定手数料は9万円で全国一律です。1〜2業種でも複数業種をまとめて申請しても手数料は9万円のまま変わりません。レンジの幅を生んでいるのは主に行政書士報酬(10万〜20万円)で、法人か個人か・業種数・営業所数・実務経験証明の有無で振れます。

第二に、大臣許可・新規だけは法定費用の性質が変わります。大臣許可の新規申請の手数料は「申請手数料」ではなく登録免許税15万円として国に納付します(2つ以上の都道府県に営業所がある場合に必要)。知事新規の9万円より高く、行政書士報酬も15万〜25万円と上がるため、総額は知事新規より一段高くなります。知事許可と大臣許可の違いは大臣許可と知事許可の違いで整理しています。

第三に、般特新規・業種追加はすでに許可を持っている前提の区分です。般特新規(一般↔特定の切替え)の手数料は新規と同じ知事9万円・大臣15万円、業種追加・更新の手数料は5万円です。同じ「追加で取る」でも手数料が4万円違うため、自社がどの区分かを最初に確定させることが総額試算の出発点になります。区分の違いは建設業許可の業種追加とは?で詳しく解説しています。

第四に、この9マス表はあくまで「要件を満たしている前提」のグロス金額です。財産的基礎500万円の残高証明が出せない、常勤役員や営業所技術者を新たに確保する必要がある、といったケースでは表面金額の外側に隠れコストが乗ります。ここがネットの「相場」だけでは見えない最大の落とし穴で、ブロック3で正直に開示します。本記事ではこの後、費用項目別の単価表→隠れコストの開示→ケース別シミュレーション→自分でやる vs 依頼、の順に深掘りします。

費用項目別の単価表|建設業許可の取得で発生する6費目

建設業許可の取得費用は、大きく6つの費目に分解できます。それぞれ支払い先と発生タイミングが異なるため、一括でイメージするとコスト感が掴めません。まず費目ごとに整理します。法定手数料は建設業法施行令・登録免許税法に基づく全国一律の金額です。

費目 単価相場 区分 発生タイミング
申請手数料(知事新規) 9万円 法定費用 申請時(都道府県証紙・現金)
登録免許税(大臣新規) 15万円 法定費用 申請時(国へ納付)
手数料(更新・業種追加) 5万円 法定費用 申請時
証明書類実費 0.3万〜0.5万円 実費 書類準備時
行政書士報酬 10万〜25万円(区分・規模による) 任意(自分でやれば0円) 依頼時〜許可取得時
付随コスト(隠れコスト) 0円〜数百万円 要件充足のための実費・人件費 申請前〜取得後

法定手数料は区分で決まる|知事新規9万円・大臣新規は登録免許税15万円

行政庁に支払う法定手数料は、申請区分と許可の種類で機械的に決まり、全国一律です。一般・特定の区分や、同時に申請する業種数によって変わらないのが特徴です(複数業種を同時に新規申請しても知事新規は9万円のまま)。総額試算で使う主要区分を整理します。

申請区分 知事許可 大臣許可
新規申請 9万円 15万円(登録免許税)
般特新規 9万円 15万円
許可換え新規 9万円 15万円
業種追加 5万円 5万円
更新 5万円 5万円

注意点として、大臣許可の新規申請だけは「登録免許税15万円」として国に納付する点が知事許可と異なります。知事許可は都道府県の収入証紙または現金納付です。なお更新・業種追加は知事・大臣ともに5万円で、いったん許可を取得した後の維持・拡張は新規より法定費用が軽くなる設計です。各区分の使い分けは業種追加の解説記事で具体例とともに整理しています。

証明書類実費は0.3万〜0.5万円|見落としやすい証明書に注意

申請には各種証明書の添付が必要で、その取得実費が数千円かかります。1枚あたりは少額ですが、「登記されていないことの証明書」「身分証明書」など見落としやすい証明書が含まれ、取得先(法務局・本籍地の市区町村など)が分かれるため、抜けると差戻しの原因になります。

証明書 実費 取得先
登記事項証明書(法人) 600円 法務局
納税証明書 400円 税務署・都道府県
住民票 300円 市区町村
身分証明書(本籍地) 300〜400円 本籍地の市区町村
登記されていないことの証明書 300円 法務局(東京法務局へ郵送可)

合計でも0.3万〜0.5万円前後で総額への影響は小さいものの、「登記されていないことの証明書」は成年被後見人等でないことを示す書類で、役員全員分が必要になるため、役員が多い法人ほど取得に手間がかかります。ここを自分で集めるか行政書士に代行させるかが、後述の「自分でやる vs 依頼」の判断材料の一つになります。

行政書士報酬は10万〜25万円|区分・規模・実務経験証明の有無で振れる

行政書士の報酬は各事務所が自由に設定するため幅がありますが、申請区分・会社規模・立証難度でおおむね相場が決まります。

申請区分 行政書士報酬の相場
新規申請(知事・一般) 10万〜20万円
新規申請(大臣・一般) 15万〜25万円
新規申請(特定建設業) 15万〜25万円
般特新規 10万〜20万円
業種追加 5万〜10万円
更新 5万〜10万円

報酬が上振れする主因は実務経験10年での営業所技術者(旧:専任技術者)立証です。国家資格があれば合格証の写しで足りますが、実務経験で立証する場合は在籍期間分の工事請負契約書・注文書・請求書を月単位で揃える必要があり、証憑整理の工数が報酬に反映されます。営業所技術者の要件は主任技術者・監理技術者・営業所技術者の要件、報酬を下げる工夫は行政書士費用を節約する方法で詳しく扱っています。

「9万円で済むと思ったら違った」4つの隠れコストを正直に開示する

ここが本記事で最も重要なブロックです。9マス表のグロス金額(法定費用+実費+行政書士報酬)はあくまで要件を満たしている事業者の金額であり、要件をこれから整える事業者には、表面に出ない隠れコストが乗ります。「9万円で取れる」という広告的表現を信じて着手し、後から想定外の負担に直面するのを防ぐため、ここでは不都合な実費を率直に開示します。

隠れコスト1:財産的基礎500万円の残高証明(資金繰り負担)

一般建設業許可では財産的基礎として500万円以上を備えていることの証明が必要です(自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力=残高証明書での立証)。新規・自己資本が足りない場合は、申請直前に500万円を口座に用意して残高証明書を取得するのが実務の定石ですが、これは「費用」ではなく「一時的に500万円を寝かせる資金繰り負担」として効いてきます。

とくに資材高騰・人手不足で運転資金が逼迫している今、500万円を一時的に動かせない事業者が増えています。借入で用意する場合は金利負担も発生します。財産的基礎の証明方法と、500万円を確保できないときの対処は建設業許可の財産的基礎要件で具体的に解説しています。これは法定手数料9万円には一切含まれない、最大級の隠れコストです。

隠れコスト2:常勤役員(経管)・営業所技術者の人件費

建設業許可には常勤役員等(経営業務の管理責任者=経管)と営業所技術者等(旧:専任技術者)を常勤で配置する要件があります。社内に該当者がいれば追加費用はゼロですが、いない場合は社会保険に加入させたうえで常勤役員・技術者を確保する人件費が発生します。これは月額数十万円×継続の重い固定費で、許可費用の中で最も見落とされます。

  • 常勤役員(経管):建設業の経営経験を持つ役員を常勤で置く必要がある。要件と立証は経営業務の管理責任者(経管)完全ガイドを参照
  • 営業所技術者(専任技術者):業種ごとに資格者または実務経験者を常勤配置。資格者の採用は人件費が、実務経験者の活用は証明工数がかかる

マクロで見ると、人手不足と賃金上昇により常勤役員・技術者の確保難度は年々上がっています。「許可は取れたが常勤性を維持できず更新で躓く」事例も増えており、取得時の人件費だけでなく維持の人件費まで見込むのが正確な試算です。営業所技術者の業種別要件は技術者要件の解説で確認できます。

隠れコスト3:見落としやすい証明書実費と定款変更

ブロック2で触れた「登記されていないことの証明書」「身分証明書」に加え、法人で定款の事業目的に申請業種の記載がない場合は定款変更(登記費用込みで約3万円)が必要です。塗装工事業を取りたいのに定款に建設関連の目的がない、というケースは珍しくなく、株主総会決議→登記→登記事項証明書の取り直しで時間と費用が追加されます。これも9万円には含まれません。

隠れコスト4:取得後の維持費(毎年の決算変更届・5年ごとの更新)

建設業許可は取得して終わりではなく、維持費が継続的にかかります。許可費用を「取得時の一時金」とだけ捉えると、後から維持費に驚くことになります。

維持費の項目 頻度 金額の目安
決算変更届(事業年度終了届) 毎年 行政書士依頼で3万〜5万円/年
更新申請 5年ごと 法定5万円+報酬5万〜10万円=10万〜15万円/回
各種変更届 役員・所在地変更の都度 行政書士依頼で2万〜5万円/件

たとえば5年間の維持費は、決算変更届(年3万〜5万円×5年=15万〜25万円)+更新10万〜15万円で合計約25万〜40万円になります。決算変更届を毎年きちんと出さないと、更新・業種追加の際に過年度分をまとめて出す羽目になり費用が膨らむため、維持費の最適化は毎年の積み上げが鍵です。決算変更届の実務は決算変更届の書き方、更新の流れは建設業許可の更新で解説しています。

ケース別の実質総額シミュレーション

9マス表と単価表・隠れコストを使って、代表的な2ケースの実質総額を積み上げます。自社に近いケースを起点に数字を当てはめてください。

シミュレーション例1:一人親方(個人事業主)・知事許可・新規・1業種

内装仕上工事業を、10年の実務経験で営業所技術者要件を満たす一人親方が知事許可で新規取得するケースです。財産的基礎は自己資本または残高証明で500万円を満たしている前提とします。

費目 金額 備考
申請手数料(知事・新規) 90,000円 1業種でも複数でも9万円
証明書類実費 3,200円 住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書等
行政書士報酬 120,000円 個人・1業種でシンプル。実務経験立証含む
表面総額 約213,200円 9マス表の知事新規レンジ内
(隠れコスト)財産的基礎500万円の用意 一時的な資金繰り負担 自己資金で足りれば追加支出なし

このケースの実質総額は約21万円で、自分で申請すれば行政書士報酬12万円が浮き、法定費用+実費の約9万3,000円まで下がります。ただし実務経験10年の証憑(契約書・請求書)を月単位で揃える工数と、要件判断の難しさが残ります。一人親方の許可取得の流れは建設業許可を自分で申請する方法も参考になります。

シミュレーション例2:元請昇格を狙う中規模法人・般特新規(一般→特定)

すでに一般建設業許可(電気工事業など)を持つ中規模法人が、元請として4,000万円以上(建築一式は6,000万円以上)の下請契約を結べるよう、特定建設業許可へ般特新規で切り替えるケースです。元請昇格・公共工事入札の拡大が目的です。

費目 金額 備考
申請手数料(般特新規・知事) 90,000円 新規と同額。大臣なら登録免許税15万円
証明書類実費 5,000円 役員数が多く取得枚数が増える
行政書士報酬(特定建設業) 200,000円 財産要件・1級技術者の確認作業が増える
表面総額 約295,000円 9マス表の中規模・般特新規(特定)レンジ内
(隠れコスト)特定の財産的基礎 自己資本4,000万円・資本金2,000万円・流動比率75%・欠損20%以内 直前決算で未達なら申請不可。増資等が必要
(隠れコスト)1級国家資格者の確保 人件費(採用時) 特定の営業所技術者は原則1級資格者

表面総額は約30万円ですが、特定建設業の真のコストは財産的基礎と1級技術者の確保にあります。直前決算で自己資本4,000万円・資本金2,000万円・流動比率75%以上・欠損20%以内のすべてを満たす必要があり、未達なら増資や決算対策が前提になります。特定建設業の要件は許可要件の解説で確認したうえで着手するのが安全です。元請昇格は受注機会の拡大という回収効果が大きいため、コストではなく投資として便益とセットで評価するのが実務的です。

自分でやる vs 行政書士に依頼の区分け表

建設業許可は自分で申請すれば行政書士報酬は0円で、知事新規なら法定費用+実費の約9万〜10万円で取得できます。ただし精神論ではなく、時間コスト・不許可リスク・差戻し往復回数で定量的に比較するのが正しい判断です。手数料は不許可でも返還されないため、リスクの可視化が欠かせません。

比較項目 自分で申請する場合 行政書士に依頼する場合
支出額(知事新規) 約9万〜10万円(法定費用+実費) 約19万〜30万円(+報酬10万〜20万円)
自社の時間コスト 書類作成・証明書収集に数週間〜1か月の社内工数 打ち合わせと情報提供のみ(本業に集中可)
差戻し・補正の往復回数 要件判断ミスで2〜3往復になりやすい 事前精査で往復が少なくスムーズ
不許可リスク 要件誤認で不許可の可能性(手数料9万円は返還なし) 要件診断済みで不許可リスクが低い
実務経験10年立証 証憑収集・整理を自力で(最難関) 立証設計を代行
向いているケース 更新など2回目以降の定型手続き・国家資格で要件が明快 初回新規・実務経験立証・特定建設業・大臣許可

判断の目安は明快です。更新のように手順が分かっている定型手続きや、国家資格で要件が一目瞭然のケースは自分でやって報酬10万〜20万円を節約するのが合理的。一方、初回の新規申請・実務経験10年での立証・特定建設業・大臣許可が絡む場合は依頼がトータルで安く済みます。たとえば実務経験立証は証憑収集だけで数週間かかり、経営者が本業の合間に進めると「いつか着手」で半年停滞するのが平均的です。経営者の時間単価で換算すると、依頼料が自社人件費を下回るケースが多くなります。

もう一つ重要なのは、AIや汎用の解説では代替できない専門判断の存在です。財産的基礎500万円の充足方法の設計、常勤性の立証、実務経験の通算可否、特定建設業の財務基準クリアの段取りは、制度横断の実務知識が必要で、ここが行政書士の付加価値です。書類作成そのものは自力でも、「どう要件を満たすか」の設計は専門家の領域です。費用を抑える具体策は行政書士費用の節約方法に整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 建設業許可の取得費用は総額でいくらかかりますか?

知事許可・新規なら、法定手数料9万円+証明書実費0.3万〜0.5万円+行政書士報酬10万〜20万円で総額約19万〜30万円が目安です。自分で申請すれば報酬が不要で約9万〜10万円に収まります。大臣許可・新規は法定費用が登録免許税15万円となり、報酬15万〜25万円を加えて総額約30万〜45万円です。ただしこれは要件を満たしている前提で、財産的基礎500万円の残高証明や常勤役員・営業所技術者の確保が必要なケースでは、表面金額の外側に数十万円〜数百万円の隠れコストが乗ります。

Q. 「建設業許可は9万円で取れる」というのは本当ですか?

9万円は知事許可・新規の法定手数料のみを指した金額で、これだけで許可が取れるわけではありません。実際は証明書類実費が数千円、行政書士に依頼すれば報酬10万〜20万円が乗ります。さらに財産的基礎500万円の確保、常勤役員(経管)・営業所技術者の社会保険加入・常勤性整備の人件費は表に出ない最大の隠れコストです。広告の「9万円」は法定費用の一部であり、総額の入口にすぎないと理解してください。

Q. 建設業許可は自分で申請したほうが安いですか?

純粋な支出額だけなら自分で申請するほうが安く、知事新規で約9万〜10万円に収まり、報酬10万〜20万円を節約できます。ただし書類作成・証明書収集に数週間〜1か月の自社工数がかかり、要件判断を誤ると差戻しや不許可(手数料は返還されません)のリスクがあります。更新など定型手続きは自分で、初回新規・実務経験立証・特定建設業が絡む案件は依頼、という線引きが実務的です。経営者の時間単価で換算すると依頼が割安になるケースも多くなります。

Q. 建設業許可の隠れコストにはどんなものがありますか?

表面の法定費用・行政書士報酬の外側に発生する主な隠れコストは4つです。第一に財産的基礎500万円の残高証明(一時的な資金繰り負担)、第二に常勤役員(経管)・営業所技術者を社会保険加入で常勤配置する人件費、第三に登記されていないことの証明書・身分証明書・定款変更など見落としやすい実費、第四に取得後の維持費(決算変更届を毎年3万〜5万円、更新を5年ごとに10万〜15万円)です。資材高騰・人手不足で人件費と500万円確保の難度が上がっており、維持・要件充足のほうが重い時代です。

Q. 建設業許可の取得にはどれくらい期間がかかりますか?

標準処理期間は知事許可で約30日、大臣許可で約120日です。これに書類準備・証明書収集の1〜2か月が加わり、相談開始から取得まで知事許可で2〜4か月、大臣許可で4〜6か月が目安です。決算変更届の未提出、定款の事業目的の不一致、実務経験証憑の収集難航があると補正で期間が伸びます。費用と同様、期間も表面値ではなく準備工数まで含めて見積もるのが正確です。

まとめ:建設業許可の取得費用は「規模×区分」で総額が機械的に出せる

建設業許可の取得費用は、数字がバラバラで見えにくいだけで、会社規模×申請区分の9マスに分解すれば機械的に総額を試算できます。ポイントを整理します。

  • 知事新規の法定手数料は9万円(全国一律・複数業種でも同額)、大臣新規だけは登録免許税15万円。区分の確定が試算の出発点
  • 表面総額は知事新規で約19万〜30万円、大臣新規で約30万〜45万円。レンジの幅は行政書士報酬と立証難度で決まる
  • 「9万円で取れる」は法定費用の一部。財産的基礎500万円の残高証明・常勤役員/技術者の人件費・証明書実費・維持費という4つの隠れコストが表の外側に乗る
  • 自分でやる vs 依頼は精神論でなく時間コスト・差戻し往復・不許可リスクで判断。定型手続きは自分で、初回新規/実務経験立証/特定/大臣は依頼が合理的
  • 資材高騰・人手不足で500万円の確保と常勤役員/技術者の確保難度が上昇。許可は取得時より維持・要件充足のほうが重い時代

費用試算をさらに広げたい場合は、建設業許可の費用はいくら?で各区分の手数料・節約方法を確認し、CCUS導入の費用総額シミュレーション建設業の事業承継費用総額シミュレーションを併読すると、許可・CCUS・承継という建設業の3大費用を横断で年度予算に落とし込めます

建設業許可の取得費用の総額試算・要件診断のご相談

朝霞市・志木市・新座市・富士見市・ふじみ野市・三芳町・和光市の建設業者様へ。当事務所では、自社の会社規模(個人/法人・資本金)・申請区分(知事/大臣・新規/般特)・業種数・人材状況をうかがって、法定費用・行政書士報酬・隠れコストまで含めた取得費用の総額を即日でシミュレーションします。財産的基礎500万円の充足設計、常勤役員(経管)・営業所技術者の要件診断、実務経験の立証可否、特定建設業・大臣許可への移行まで、埼玉県知事許可の窓口対応に精通した行政書士がワンストップでご提案します。

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