建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「決算変更届は毎年提出が必要だが、自社で対応できるのか、それとも行政書士に依頼すべきか」——建設業許可を取得した事業者なら、決算が締まるたびに必ず突き当たる悩みです。

結論からいえば、建設業許可の決算変更届は自分で作成して提出することは可能です。ただし、すべての事業者が自社対応に向いているわけではありません。工事件数や経審の有無、経理体制によって、自社で出すべきか・専門家に依頼すべきかは大きく変わります。

この記事では、建設業許可の決算変更届を自分で出すべきか、行政書士に依頼すべきかを判断するための5つの基準を提示し、それぞれの費用・所要時間・リスクを比較します。さらに、自分で作成する場合の最低限の手順、依頼する場合の費用相場(3万〜8万円程度)の内訳までを解説します。

※2026年4月時点の建設業法および国土交通省・各都道府県の運用に基づき記述しています。

この記事でわかること:

  • 決算変更届を自分で出すことの可否と前提条件
  • 自社対応か行政書士依頼かを判断する5つの基準
  • 行政書士に依頼する場合の費用相場と内訳
  • 自分で出す場合の実質コスト(時間・誤記リスク)
  • 「決算変更届は難しい」と感じる典型的なつまずきポイント

目次

結論:決算変更届は「自分で出せる」が、誰にでも向くわけではない

建設業許可の決算変更届(正式名称:事業年度終了届)は、建設業法第11条第2項に基づき、許可業者が毎事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁へ提出しなければならない年次の届出です。

この届出に法律上の代理人要件はなく、事業者自身(法人の役員・従業員、個人事業主本人)が作成・提出することは可能です。実際、ベテラン経理担当者が長年自社で対応している建設業者も少なくありません。

一方で、決算変更届は単なる決算書の写しを提出するものではなく、建設業法独自のルールに沿って税務申告書類を組み替え、工事経歴書を作成する作業が必要です。ここに難しさの本質があります。

決算変更届を「自分で出す」と「行政書士に依頼する」の選択肢

選択肢 金銭コスト 時間コスト 主なリスク
自分で作成・提出 収入証紙等の実費のみ(自治体により無料〜数百円) 初年度10〜20時間、慣れれば5〜10時間程度が目安 記載誤り・添付書類漏れによる補正対応、提出遅延
行政書士に依頼 3万〜8万円程度(事業規模・経審受審の有無で変動) 資料提供と打合せで2〜4時間程度 依頼先の品質差、追加業務発生時の費用増

※行政書士報酬は事務所ごとに大きく異なる「相場の目安」です。経審を受審する年度や、決算書の組み替えが複雑な場合はさらに高くなることがあります。

決算変更届を自分で出す前に確認すべき3つの前提

「自分で出せるかどうか」を考える前に、まずそもそも届出の難度を左右する3つの前提条件を確認してください。これらが整っていないと、自社対応のハードルは急に上がります。

前提1:直前期の決算書が確定し、税務申告が完了していること

決算変更届は、確定した決算書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表)を建設業法上の様式に組み替えて提出します。顧問税理士の決算作業が完了し、法人税申告書(または所得税申告書)の控えが手元にあることが出発点です。

前提2:当期の工事台帳・売上明細がきちんと整理されていること

工事経歴書には、当期に完成・施工中だった工事を業種ごと・元請下請別に整理して記載します。工事ごとの注文者・工事名・工事現場・請負代金・着工/完成年月の情報がすぐに取り出せる帳簿管理が必要です。エクセル等で工事台帳を運用している事業者は自社対応がしやすいですが、紙の見積書・請書をその都度探す運用だと作業負担が大きくなります。

前提3:申請先行政庁の最新の手引きを入手していること

建設業許可は知事許可・大臣許可とも申請先行政庁の手引きに沿って書類を整備します。様式や添付書類の細かな運用は都道府県・地方整備局ごとに差異があり、毎年更新されることもあります。最新の手引き(PDF)を必ずダウンロードし、当該年度版で作業してください。

自社対応か行政書士依頼かを判断する5つの基準

前提が整ったうえで、自分で出すべきか、行政書士に依頼すべきかを判断する基準を5つに整理しました。1つでも「依頼寄り」に該当する事項が複数ある場合は、外注を前向きに検討する価値があります。

基準1:年間の工事件数(工事経歴書の量)

工事経歴書は当期に係る工事を一定のルール(軽微な工事の取扱い、業種別の上位順記載など)で並べ替えて記載します。件数が多いほど作業ボリュームが増えます。

年間工事件数の目安 自社対応の難易度 判断の方向性
10件未満 低い(半日〜1日で集計可能) 自社対応がしやすい
10〜50件 中程度(業種仕分けと並べ替えに時間を要する) 体制次第。経理担当者がいれば自社対応可能
50件超 高い(複数業種・元請下請混在で集計が複雑) 行政書士依頼を検討

基準2:経営事項審査(経審)を受審するかどうか

公共工事の入札参加資格を維持するために経営事項審査(経審)を受審する事業者は、決算変更届の精度がそのまま経審の評点(Y点・X1点等)に直結します。建設業法上の科目組み替えを誤ると、評点が下がる・受審が遅れるという実害が出ます。

経審受審年度は、行政書士に依頼するメリットが特に大きいといえます。決算変更届と経審を一括で依頼することで、書類整合性の確認や審査対応もまとめて任せられます。

基準3:社内の経理体制(担当者の経験・本業との兼務度)

経理担当者の有無と、その経験値が大きな分岐点です。

  • 専任の経理担当者がいて、過去の決算変更届を経験している:自社対応の有力候補
  • 経理は社長や奥様が本業の合間に対応している:自社対応は時間圧迫の原因に。依頼の検討価値が高い
  • 創業まもなく初めての決算変更届:初年度だけ依頼して書類一式を作ってもらい、翌年以降を自社対応に切り替える方法も合理的

基準4:本業の繁忙度と決算月のタイミング

決算変更届の提出期限は事業年度終了後4か月以内です。この期間が建設業の繁忙期(公共工事の年度末完工、建築の引渡しシーズン等)と重なる事業者は、自社対応の負荷が一気に高まります。

たとえば3月決算の事業者は7月末が期限となり、現場が落ち着いた時期に作業できますが、9月決算(期限1月末)や12月決算(期限4月末)など、繁忙期と期限が重なる事業者は外注を検討する価値が高いでしょう。

基準5:税務上の科目から建設業法上の科目への「組み替え」の難度

決算変更届の財務諸表は、税務申告書のままでは提出できません。建設業法施行規則で定められた様式(様式第十五号〜十七号の三)に沿って、勘定科目を組み替える必要があります。

典型的な組み替えのポイント:

  • 売上高を「完成工事高」と「兼業事業売上高」に分離
  • 売掛金を「完成工事未収入金」に振替
  • 仕入債務を「工事未払金」へ整理
  • 未成工事支出金・未成工事受入金の計上整理
  • 兼業事業がある場合の損益計算書の区分表示

建設業以外の兼業(不動産業、機械販売、運送等)の比率が高い事業者や、未成工事勘定の残高が大きい事業者は、組み替え作業が複雑化しやすく、税理士の決算書をそのまま転記してしまう典型的な誤りが起きやすい領域です。判断に迷う場合は、専門家に依頼するか、最低でも一度はチェックを受けることをおすすめします。

判断早見表:あなたはどちらが向いているか

5つの基準を組み合わせた判断の目安です。あくまで一般論ですので、自社の事情に応じて調整してください。

事業者像 推奨 理由
一人親方・小規模個人事業主、工事件数年5〜10件、経審なし 自社対応に適性 件数が少なく組み替えも単純。手引きと前年書類があれば対応可能
従業員数名の中小建設業、専任経理あり、経審なし 条件次第で自社対応可 初年度は依頼、2年目以降は社内対応に切り替える方法が合理的
経審受審あり、公共工事の比率が高い事業者 行政書士依頼を強く推奨 評点への影響が大きく、経審と一体で依頼するメリット大
建設業以外の兼業比率が高い事業者 行政書士依頼を推奨 区分計算・科目組み替えが複雑になりやすい
過去に決算変更届を未提出にしてしまった事業者 行政書士依頼を推奨 過年度遡及分の整備や更新への影響対応が必要

行政書士に依頼する場合の費用相場と内訳

建設業許可の決算変更届を行政書士に依頼する場合の費用相場は、おおむね3万〜8万円程度です。事業規模・工事件数・経審の有無・兼業の有無によって変動します。あくまで一般的な目安であり、個別事務所の料金体系を保証するものではありません。建設業許可の年度報告(事業年度終了届)の代行を専門に扱う事務所は多く、年次顧問のセットで提案されるケースもあります。

依頼内容 報酬相場の目安 主な業務範囲
決算変更届のみ(小規模・経審なし) 3万〜5万円程度 工事経歴書作成、財務諸表組み替え、提出代行
決算変更届のみ(中規模・兼業あり) 5万〜8万円程度 上記+区分計算、複雑な工事整理
決算変更届+経審申請 10万〜25万円程度(経審込み) 上記+経審の事前審査・申請
過年度未提出分の整備 1期あたり3万〜5万円程度の追加 遡及して複数期分を整備

依頼前に確認すべき4つのポイント

  • 見積もりの内訳が明示されているか(工事経歴書の件数別単価、財務諸表組み替えの基本料金など)
  • 毎年継続して依頼する場合の割引・顧問契約の有無
  • 経審を将来的に受審する予定がある場合の対応可否
  • 提出代行に必要な委任状・資料の範囲(顧問税理士からの直接連携が可能か等)

自分で出す場合の実質コスト:時間と誤記リスク

「自分で出せば無料」は半分正しく、半分は誤解です。金銭コストはほぼゼロでも、時間コストと誤記リスクという目に見えないコストが発生します。

時間コストの目安

作業フェーズ 初年度 2年目以降(慣れた場合)
手引きの読み込み・様式準備 3〜5時間 0.5〜1時間
工事経歴書の作成 3〜6時間 2〜4時間
財務諸表の組み替え 3〜5時間 1〜2時間
納税証明書取得・添付書類整理 1〜2時間 0.5〜1時間
窓口提出・補正対応 1〜2時間 0.5〜1時間
合計(目安) 11〜20時間 4.5〜9時間

経営者・経理担当者の時給換算で考えれば、初年度の自社対応は実質的に行政書士報酬と大差ない、または上回るケースも珍しくありません。2年目以降に作業が定型化すれば、自社対応のコストメリットは出やすくなります。

誤記・不備による隠れたリスク

提出時に書類不備があれば、補正対応で再提出が必要になります。許可行政庁から決算変更届の不備を指摘される典型的なポイントは以下のとおりです。

  • 工事経歴書の業種仕分け誤り(とび土工と土木一式の混同等)
  • 完成工事高と兼業売上の按分誤り
  • 未成工事支出金・受入金の計上漏れ
  • 納税証明書の種類間違い(法人税・消費税の取り違え等)
  • 使用人数・健康保険等の加入状況届の更新漏れ

さらに重要なのは、決算変更届が未提出または不備のまま放置されると、許可の更新申請や業種追加の申請が受け付けられなくなる点です。罰則として6月以下の懲役または100万円以下の罰金(建設業法第50条)の対象にもなり得ます。詳しくは関連記事で解説しています。

「決算変更届は難しい」と感じる典型的なつまずきポイント

自分で出すと決めた事業者が実際に作業を始めて「難しい」と感じる代表的な場面を挙げます。これらに心当たりが多い場合は、自社対応を見直す材料になります。

つまずき1:税務申告書と建設業法様式の対応関係がわからない

税理士から受け取った決算書は法人税法ベースの表示です。これを建設業法施行規則の様式(様式第十五号:貸借対照表など)に組み替える際、勘定科目の対応関係を理解できないと先に進めません。

つまずき2:軽微な工事と許可業種工事の区分けがあいまい

工事経歴書には、許可業種に係る工事は原則すべて記載します。500万円未満(建築一式は1,500万円未満)の軽微な工事も、許可業種に該当するなら記載対象です。「許可がいらない金額だから書かなくていい」という誤解は典型的な不備の原因です。

つまずき3:兼業事業の損益区分

建設業以外の事業(不動産仲介、設備販売、リフォーム以外の工事など)がある場合、損益計算書を建設業と兼業に区分して記載します。共通費の按分ルールを社内で決めておかないと、毎年数字がぶれる原因になります。

つまずき4:使用人数・健康保険等の加入状況の更新忘れ

決算変更届とあわせて提出する使用人数(様式第四号)健康保険等の加入状況(様式第七号の三)は、人員変動があれば更新が必要です。前年と同じ書類を流用して提出してしまう誤りがよく見られます。

自分で出す場合のおすすめステップ

自社対応を選ぶ場合は、以下の順序で進めると効率的です。

  1. 申請先行政庁の最新手引きをダウンロード(都道府県庁または地方整備局のサイト)
  2. 前年の決算変更届の控えを手元に揃える(初年度は新規許可申請時の書類を参考に)
  3. 顧問税理士から決算書一式と勘定科目内訳明細書を取得
  4. 工事台帳から当期工事を業種別・元請下請別にエクセル整理
  5. 様式に従って入力(手引きの記載例を必ず参照)
  6. 提出前に第三者チェック(顧問税理士・行政書士のスポット相談を活用)
  7. 窓口提出または電子申請(JCIP対応自治体)

特に「6.提出前の第三者チェック」は強く推奨します。完全自社対応にこだわらず、最終確認だけ行政書士に依頼する「ハイブリッド型」も合理的な選択肢です。

よくある質問(FAQ)

Q. 決算変更届を自分で作成・提出することは違法ではないですか?

違法ではありません。決算変更届は事業者本人が作成・提出することができます。行政書士法上、報酬を得て他人の代理で作成できるのは行政書士のみですが、自社の届出を自社で作成することに制限はありません。

Q. 決算変更届の費用はいくらですか?

申請手数料(収入証紙等)は自治体により無料または数百円程度です。行政書士に依頼する場合は、業務範囲にもよりますが3万〜8万円程度が一般的な相場です。経審を併せて依頼する場合は10万円超になることもあります。

Q. 自分で出して間違えた場合、すぐに修正できますか?

窓口提出時に軽微な不備があれば、その場で補正できる場合もあります。受理後に内容の誤りが判明した場合は、変更届の差し替え提出や訂正届で対応します。ただし、誤った数値が経審の評点に影響していた場合の遡及修正は手続きが複雑になるため、経審受審年度は特に慎重さが求められます。

Q. 行政書士費用は経費にできますか?

建設業許可関連の行政書士報酬は、事業に必要な支出として支払手数料・租税公課等の科目で経費計上できるのが一般的です。具体的な勘定科目や仕訳は顧問税理士にご確認ください。

Q. 毎年依頼するのと、初年度だけ依頼してその後自社対応にするのはどちらが得ですか?

事業の安定度・経理体制によります。工事構成や兼業比率が毎年大きく変わらない事業者は、初年度依頼+翌年以降自社対応のハイブリッド型が合理的です。一方、経審受審を継続する事業者・年度ごとに事業内容が変動する事業者は、毎年依頼するメリットが大きいといえます。

Q. 決算変更届を出さないとどうなりますか?

建設業法に基づく届出義務違反として6月以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となり得るほか、許可の更新が受けられない・業種追加申請が受理されないといった実務上の不利益が生じます。詳しくは「決算変更届を出さないとどうなるか」の関連記事で解説しています。

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まとめ:判断は「件数・経審・体制」で決める

建設業許可の決算変更届を自分で出すか、行政書士に依頼するかの判断は、抽象的な「難しい・難しくない」ではなく、自社の工事件数・経審の有無・経理体制・繁忙度・組み替えの難度という具体的な5つの基準で決めることが現実的です。

  • 小規模・経審なし・工事件数が少ない事業者は自社対応に十分な適性があります
  • 経審受審年度・兼業比率が高い事業者・繁忙期と期限が重なる事業者は行政書士依頼の価値が高いといえます
  • 初年度は依頼して書類一式を整えてもらい、翌年以降は自社で対応するハイブリッド型も合理的な選択肢です
  • 自社対応の場合でも、提出前の第三者チェックを活用するとリスクを大きく下げられます

毎年の決算変更届は、許可を維持し続けるための土台となる届出です。「とりあえず去年と同じ書類を流用」ではなく、自社の状況にあわせて毎年最適な進め方を選ぶことが、長く許可を維持するうえでの近道になります。

「自社で対応すべきか判断がつかない」「過去の届出に不安がある」「経審受審の年度はどう進めれば良いか」など、決算変更届の進め方でお悩みの場合は、建設業許可の専門家である行政書士にご相談ください。自社の状況に合った最適な進め方をご提案いたします。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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