「埼玉県で建設業許可を取りたいけれど、どこに申請すればいいの?」「必要書類は何を揃えればいい?」——これから埼玉県で建設業許可の取得を目指す事業者の方から、こうしたご相談を多くいただきます。

建設業許可の申請手続きは全国共通の部分もありますが、申請窓口や提出書類の細かなルールは都道府県ごとに異なります。埼玉県には独自の申請ルールや窓口の振り分けがあるため、一般的な解説だけでは迷ってしまうケースも少なくありません。

この記事では、埼玉県で建設業許可を取得するために必要な情報を、申請先・手続きの流れ・必要書類・費用・審査期間まで網羅的に解説します。令和6年(2024年)12月施行の改正建設業法にも対応した最新情報をお届けします。

※令和6年12月13日施行の改正建設業法により、「専任技術者」の法律上の名称は「営業所技術者等」に変更されました。本記事では検索される方のわかりやすさを考慮し、旧名称も併記しています。

この記事でわかること:

  • 埼玉県の建設業許可の申請先(県土整備事務所の管轄一覧)
  • 知事許可と大臣許可の違いと判断基準
  • 建設業許可に必要な5つの要件(2024年改正対応)
  • 埼玉県での申請手続きの流れと必要書類
  • 申請手数料・審査期間の目安
  • 埼玉県で建設業許可を取得する際の注意点

埼玉県の建設業許可とは?知事許可と大臣許可の違い

建設業許可には「知事許可」「大臣許可」の2種類があります。埼玉県で建設業許可を取得する場合、まずどちらの許可が必要かを判断することが第一歩です。

許可の種類 要件 申請先
埼玉県知事許可 埼玉県内のみに営業所を設置する場合 埼玉県(県土整備事務所)
国土交通大臣許可 埼玉県と他の都道府県の両方に営業所を設置する場合 関東地方整備局

営業所が埼玉県内だけにある事業者は「埼玉県知事許可」を取得します。東京都や千葉県など他県にも営業所がある場合は「国土交通大臣許可」が必要です。なお、工事の施工場所は許可の区分に関係ありません。埼玉県知事許可であっても、他県の工事を請け負うことは可能です。

本記事では、多くの事業者が該当する埼玉県知事許可を中心に解説します。

埼玉県の建設業許可の申請先|県土整備事務所の管轄一覧

埼玉県知事許可の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する県土整備事務所に提出します。埼玉県内には複数の県土整備事務所があり、管轄地域が決まっています。

県土整備事務所 管轄地域
さいたま県土整備事務所 さいたま市
南部地域振興センター 川口市、蕨市、戸田市
朝霞県土整備事務所 朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町
川越県土整備事務所 川越市、所沢市、狭山市、入間市、日高市、飯能市、坂戸市、鶴ヶ島市、毛呂山町、越生町
東松山県土整備事務所 東松山市、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉見町、鳩山町、ときがわ町、東秩父村
秩父県土整備事務所 秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町
本庄県土整備事務所 本庄市、美里町、神川町、上里町
熊谷県土整備事務所 熊谷市、深谷市、寄居町
行田県土整備事務所 行田市、加須市、羽生市
杉戸県土整備事務所 春日部市、久喜市、蓮田市、幸手市、白岡市、宮代町、杉戸町
越谷県土整備事務所 越谷市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町
北本県土整備事務所 鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市、伊奈町

申請先を間違えると受理されませんので、主たる営業所の所在地がどの県土整備事務所の管轄にあたるかを事前に確認してください。不明な場合は、埼玉県県土整備部建設管理課の公式ページ(電話:048-830-5176)で最新の管轄情報を確認できます。

【実務上のポイント】埼玉県では、申請前に管轄の県土整備事務所で事前相談を受けることを強く推奨します。事前相談では、要件を満たしているかの見通しや、必要書類の確認ができるため、書類不備による差し戻しを防ぐことができます。特に経営業務管理責任者の経験年数の計算方法や、営業所技術者等の実務経験の証明方法について、事前に確認しておくことで申請がスムーズに進みます。

埼玉県で建設業許可を取得するための5つの要件

建設業許可の取得には、建設業法で定められた全国共通の5つの要件を満たす必要があります(建設業法第7条・第15条)。詳しくは建設業許可の要件とは?取得に必要な5つの条件をわかりやすく解説で解説していますが、ここでは概要をまとめます。

要件 内容
1. 経営業務の管理責任者 建設業に関し5年以上の経営経験を持つ常勤役員等がいること
2. 営業所技術者等(旧:専任技術者) 許可を受ける業種に対応した資格・実務経験を持つ常勤の技術者がいること
3. 誠実性 法人・役員等が請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
4. 財産的基礎 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること(一般建設業の場合)
5. 欠格要件に非該当 破産者・暴力団員等の欠格要件に該当しないこと

埼玉県では、経営業務管理責任者や営業所技術者等の常勤性の確認書類として、健康保険証の写し等に加えて住民票の提出を求められるケースがあります。他県で許可を取得した経験がある方でも、埼玉県独自のルールに注意が必要です。

埼玉県での建設業許可申請の流れ|5つのステップ

埼玉県で建設業許可を取得するまでの手続きは、以下の5ステップで進めます。

ステップ1:許可の種類と業種を決定する

まず、取得する許可の種類(一般建設業特定建設業か)と、申請する業種を決定します。建設業は29業種に分かれており、請け負う工事の内容に合った業種を選ぶ必要があります。

特定建設業許可は、元請として下請代金の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の下請契約を締結する場合に必要です。それ以外の場合は一般建設業許可で足ります。

ステップ2:要件を満たしているか確認する

前述の5つの要件を自社で満たしているかを確認します。特に重要なのが経営業務の管理責任者営業所技術者等の2つです。

埼玉県では、要件の確認について事前相談を受け付けています。管轄の県土整備事務所に相談することで、要件を満たしているかどうかの見通しを立てることができます。

ステップ3:必要書類を準備する

埼玉県知事許可の新規申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

書類名 備考
建設業許可申請書(様式第一号) 申請区分「新規」を選択
工事経歴書(様式第二号) 申請業種ごとに作成
直前3年の各事業年度の工事施工金額(様式第三号)
常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書 経験を証明する確認資料を添付
営業所技術者等証明書(様式第八号) 資格証の写しまたは実務経験証明書を添付
財務諸表 直前1期分(法人は貸借対照表・損益計算書等)
登記事項証明書 法人の場合(発行から3か月以内)
納税証明書 法人事業税の納税証明書(埼玉県税事務所で取得)
定款の写し 法人の場合
身分証明書・登記されていないことの証明書 役員全員分
健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況確認書類 社会保険適用事業所であることの証明
営業所の写真 外観・内部・看板等

書類の様式は、埼玉県のホームページからダウンロードできます。また、埼玉県では「建設業許可申請の手引き」を公開しており、記載例も掲載されていますので、申請前に必ず確認してください。

ステップ4:県土整備事務所へ申請書を提出する

書類が整ったら、管轄の県土整備事務所へ申請書を提出します。埼玉県では窓口への持参が基本的な提出方法です。

また、国土交通省が運営する建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)による電子申請にも対応が進んでいます。JCIPを利用すれば、窓口に出向くことなくオンラインで申請手続きを完了できます。

ステップ5:審査・許可通知書の受領

申請後、県による審査が行われます。埼玉県知事許可の審査期間は約30日が目安です。書類に不備があれば補正を求められ、審査期間がさらに延びることがあります。

審査を通過すると許可通知書が郵送されます。許可通知書は再発行されませんので、大切に保管してください。

埼玉県の建設業許可にかかる費用

埼玉県知事許可の申請にかかる手数料は以下のとおりです。詳しい費用の内訳については建設業許可の費用はいくら?申請手数料・行政書士報酬の相場と節約方法を解説もあわせてご覧ください。

申請区分 手数料 納付方法
新規申請 9万円 埼玉県収入証紙
業種追加 5万円 埼玉県収入証紙
更新 5万円 埼玉県収入証紙
般特新規 9万円 埼玉県収入証紙

手数料は埼玉県収入証紙で納付します。収入証紙は県土整備事務所や県庁内の売店等で購入できます。なお、国の「収入印紙」とは別物ですので間違えないよう注意してください。

手数料のほか、登記事項証明書(600円)、身分証明書(300円程度)、納税証明書(400円)などの証明書取得費用が別途かかります。行政書士に依頼する場合は、報酬の相場が10万〜20万円程度です。

埼玉県で建設業許可を取得する際の4つの注意点

注意点1:社会保険の加入が必須

令和2年(2020年)10月以降、適用事業所に該当するすべての建設業者は社会保険への加入が許可要件となりました。健康保険・厚生年金保険・雇用保険に未加入の場合、建設業許可は取得できません。埼玉県でも申請時に加入状況を厳格に確認されますので、未加入の場合は先に加入手続きを済ませてください。

注意点2:営業所の要件に注意

建設業許可を取得するには、営業所としての実態が必要です。埼玉県では申請時に営業所の外観・内部の写真を提出するほか、場合によっては現地確認が行われることもあります。自宅兼事務所の場合は、事務所としての独立性(居住スペースとの区分)が確認されるため、事前に環境を整備しておきましょう。

注意点3:許可取得後も届出義務がある

建設業許可を取得した後も、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出する義務があります。届出を怠ると、許可の更新業種追加の申請が受理されなくなります。詳しくは決算届を出し忘れた場合の対処法もご確認ください。

注意点4:許可の有効期間は5年間

建設業許可の有効期間は許可日から5年間です。期間満了の30日前までに更新申請を行わなければ、許可が失効してしまいます。更新手続きの詳細は建設業許可の更新とは?手続きの流れ・必要書類・費用を徹底解説をご覧ください。

埼玉県の建設業許可申請チェックリスト

申請の準備漏れを防ぐために、以下のチェックリストで自社の状況を確認してください。

【要件の確認】

  • 建設業に関し5年以上の経営経験を持つ常勤役員等がいるか
  • 申請業種に対応する資格・実務経験を持つ常勤技術者がいるか
  • 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があるか
  • 役員等に欠格要件に該当する者がいないか
  • 健康保険・厚生年金・雇用保険に加入しているか

【書類の準備】

  • 建設業許可申請書(様式第一号)を作成したか
  • 常勤役員等の経験を証明する書類(確認書類含む)を準備したか
  • 営業所技術者等の資格証写しまたは実務経験証明書を準備したか
  • 財務諸表(直前1期分)を準備したか
  • 登記事項証明書(発行から3か月以内)を取得したか
  • 法人事業税の納税証明書(埼玉県税事務所)を取得したか
  • 身分証明書・登記されていないことの証明書(役員全員分)を取得したか
  • 営業所の写真(外観・内部・看板等)を撮影したか
  • 埼玉県収入証紙(9万円分)を購入したか

【申請前の最終確認】

  • 定款の事業目的に申請業種に関する記載があるか(法人の場合)
  • 管轄の県土整備事務所を確認したか
  • 事前相談を受けたか(強く推奨)

よくある質問(FAQ)

Q. 埼玉県の建設業許可はどこに申請すればいいですか?

埼玉県知事許可の場合、主たる営業所の所在地を管轄する県土整備事務所に申請します。さいたま市ならさいたま県土整備事務所、川越市なら川越県土整備事務所が窓口です。管轄は本記事の一覧表をご確認ください。

Q. 埼玉県の建設業許可の審査期間はどのくらいですか?

埼玉県知事許可の審査期間は約30日が目安です。書類の準備期間を含めると、申請を決めてから許可取得までトータルで2〜3か月程度を見込んでおくとよいでしょう。

Q. 埼玉県知事許可で他県の工事を請け負えますか?

はい、請け負えます。知事許可と大臣許可の区分は「営業所の所在地」で決まるものであり、工事の施工場所とは無関係です。埼玉県知事許可であっても、東京都や千葉県など他の都道府県の工事を施工することに制限はありません。

Q. 個人事業主でも埼玉県の建設業許可を取得できますか?

はい、個人事業主でも取得できます。法人と同様に5つの許可要件を満たせば申請可能です。ただし個人で取得した許可は、法人成りした場合に引き継ぐことができないため、近いうちに法人化を予定している場合は法人設立後に申請することも検討してください。

Q. 埼玉県の建設業許可申請を行政書士に依頼する費用はいくらですか?

埼玉県内の行政書士に建設業許可の新規申請を依頼する場合、報酬の相場は10万〜20万円程度です。これに申請手数料9万円と証明書取得費用が加わります。費用の詳細は建設業許可の費用はいくら?で詳しく解説しています。

まとめ:埼玉県の建設業許可は管轄の県土整備事務所へ申請

埼玉県で建設業許可を取得するための手続きについて解説しました。ポイントをまとめます。

  • 埼玉県内のみに営業所がある場合は埼玉県知事許可を取得する
  • 申請先は主たる営業所の所在地を管轄する県土整備事務所
  • 許可要件は全国共通の5つの要件(経営業務管理責任者・営業所技術者等・誠実性・財産的基礎・欠格要件)
  • 新規申請の手数料は9万円(埼玉県収入証紙で納付)
  • 審査期間は約30日が目安
  • 許可取得後も決算変更届の提出5年ごとの更新が必要

建設業許可の申請は、要件の確認から書類の準備まで専門的な知識が必要です。特に経営業務管理責任者の経験証明営業所技術者等の資格確認は判断が難しいケースも多く、書類の不備で申請が長引いてしまうことも珍しくありません。

「自社で要件を満たしているか分からない」「書類の準備に不安がある」という方は、建設業許可の専門家である行政書士にご相談ください。要件の事前確認から申請書類の作成・提出まで、トータルでサポートいたします。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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