建設業許可の料金

サービス 弊所報酬(税込) 法定費用(別途)
新規申請(知事・一般) 110,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(知事・特定) 165,000円〜 申請手数料 90,000円
新規申請(大臣・一般) 165,000円〜 申請手数料 150,000円
更新申請 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
業種追加 55,000円〜 申請手数料 50,000円(知事)
決算変更届 44,000円〜 実費のみ
各種変更届 33,000円〜 実費のみ
経審申請 別途お見積もり 審査手数料(規模により変動)

「外国人を雇えば人件費が下がる」——これはもはや成立しない神話です。建設業で外国人材を受け入れる総コストは、初年度で1人あたり120万〜200万円の追加費用が乗ることが珍しくなく、3年累計では300万〜500万円規模になります。日本人雇用との単純比較で「安い」と判断すると、3年目に資金繰りが詰まる典型パターンに入ります。

2027年に施行予定の育成就労制度、すでに建設分野3区分(土木・建築・ライフライン設備)に再編された特定技能、そして廃止が確定した技能実習——制度移行期の今、受入コストを正確に試算できるかが経営判断の分かれ目になります。

本記事では、建設業の外国人材受入にかかる費用を、初期費用・月次ランニングコスト・3年累計の3軸で行政書士が試算します。監理費・登録支援機関報酬・住居費・CCUS関連費・帰国費まで、見落としやすい項目を網羅した内容です。

この記事でわかること:

  • 3制度(特定技能/育成就労/技能実習)の費用構造の違い
  • 1人受け入れる場合の初期費用と月次ランニングコストの内訳
  • 3年累計の総コスト試算(人数別シミュレーション)
  • 見落としやすい隠れコスト6項目
  • CCUS関連費用と経審加点で回収できる金額
  • 受入コストを下げる現実的な3つの方法

目次

建設業の外国人材受入:3制度の費用構造を一気に整理

外国人材の受入は、在留資格によって関与する第三者機関が異なり、それが費用構造の決定的な違いを生みます。まず全体像を3制度で比較します。

項目 技能実習(〜2027年廃止) 育成就労(2027年施行予定) 特定技能1号
第三者機関 監理団体(必須) 監理支援機関(必須) 登録支援機関(任意・実務上ほぼ必須)
第三者機関への支払 監理費 月3〜5万円/人 監理支援費 月3〜5万円/人(想定) 支援委託費 月2〜4万円/人
在留期間 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年) 原則3年(特定技能への接続前提) 通算5年
転籍可否 原則不可 1〜2年経過後可能 同一区分内で可能
建設業独自の認定 建設特定技能受入計画認定 不要 建設受入計画認定 必要見込み 建設特定技能受入計画認定 必須
CCUS技能者登録 実務上必要 必須化見込み 必須

ポイントは、どの制度を選んでも第三者機関への継続支払いから逃れられないこと、そして建設業の場合は国土交通省の上乗せ規制(建設特定技能受入計画認定・CCUS登録)が追加コストになることです。一般の製造業より建設業のほうがコスト構造は重くなります。

1人受け入れる場合の初期費用|入国前から就労開始までの実費

初期費用は「人材紹介・選考」「在留資格手続き」「入国・配属」「住居準備」「CCUS登録」の5カテゴリに分かれます。1人あたりの相場は以下のとおりです。

初期費用項目 特定技能1号 育成就労(想定) 技能実習(参考)
人材紹介手数料 15〜30万円/人 20〜40万円/人 20〜40万円/人
事前ガイダンス・健康診断費 2〜5万円 2〜5万円 1〜3万円
在留資格認定証明書交付申請 3〜10万円(行政書士報酬込) 3〜10万円 3〜10万円
建設特定技能受入計画認定申請 5〜15万円(同上) 5〜15万円(想定)
航空券・入国時送迎 10〜15万円 10〜15万円 10〜15万円
入国後講習(育成就労・実習のみ) 10〜25万円 15〜30万円
住居初期費用(敷金礼金・家具家電) 15〜30万円 15〜30万円 15〜30万円
CCUS事業者・技能者登録 3〜5万円(事業者初回+技能者1名分) 3〜5万円 3〜5万円
初期費用合計(1人あたり) 53〜110万円 68〜145万円 67〜148万円

特定技能が最も初期費用を抑えやすいのは、入国後講習が原則不要だからです。一方、育成就労は技能実習と同様に入国後講習が義務化される見込みで、初期費用は1.3倍程度に膨らみます。

「人材紹介手数料」の落とし穴

送り出し国の送出機関に支払う費用が、上記の人材紹介手数料とは別に発生するケースがあります。特にベトナム・インドネシア・フィリピンからの受入では、現地仲介業者が介在し、見積に明示されない「現地手数料」を本人負担として徴収する事例が問題視されてきました。育成就労では本人負担の上限規制が強化される方向ですが、現時点では受入企業側の見えないコストとして残っています。契約前に「総額」を確認するのが鉄則です。

月次ランニングコスト|給与以外で毎月出ていく金額

受入後の月次コストは、給与本体以外に以下の項目が固定費として発生します。1人あたりの月額相場です。

月次ランニング項目 特定技能1号 育成就労(想定) 技能実習(参考)
給与(日本人同等以上が法定要件) 22〜30万円 20〜26万円 18〜22万円
社会保険料(事業主負担分) 3.3〜4.5万円 3.0〜3.9万円 2.7〜3.3万円
監理費/監理支援費/支援委託費 2〜4万円 3〜5万円(想定) 3〜5万円
住居費(家賃の事業主負担分) 1〜3万円 1〜3万円 1〜3万円
CCUS就業履歴蓄積費(カードリーダー運用・代行費) 0.3〜0.8万円 0.3〜0.8万円 0.3〜0.8万円
通訳・日本語学習サポート費 0.5〜1.5万円 1〜2万円 1〜2万円
月次合計(1人あたり) 29.1〜43.8万円 28.3〜40.7万円 26.0〜36.1万円

育成就労は技能実習より給与水準を引き上げる方向で議論されており、月次合計で技能実習比+2〜5万円のレンジに収まる見通しです。特定技能はキャリアが進んだ人材が対象のため給与帯がさらに上がります。

日本人と比べて本当に「安い」のか

同じ技能水準の日本人技能者を雇用した場合、月次合計はおよそ32〜45万円(給与26〜35万円+社保+現場経費)。外国人材は「安い」のではなく、「採れる」のが価値と捉えるのが正確です。建設業界の人手不足という構造問題に対する「採用の手段」であって、人件費削減の手段ではない——この前提を経営者がどこまで腹落ちさせているかで、受入後のミスマッチが大きく変わります。

3年累計コスト試算|人数別シミュレーション

1人・3人・5人を3年間受け入れた場合の累計コストを、特定技能1号と育成就労(想定値)で試算します。

受入人数・期間 特定技能1号 育成就労(想定)
1人 × 3年(中央値ベース) 約1,400万円 約1,350万円
3人 × 3年 約4,000万円 約3,850万円
5人 × 3年 約6,500万円 約6,300万円

※給与中央値・月次中央値・初期費用中央値で機械的に計算した参考値。社宅集約・支援委託の規模割引で2〜3割圧縮可能なケースもあります。

注目すべきは、5人受け入れる場合の3年累計が6,000万円超になることです。これは中小建設業者にとっては年間2,000万円の固定費が増えるインパクトであり、建設業許可の財産的基礎要件(500万円)の12倍に相当します。「人手不足だから外国人を入れる」という発想だけで踏み込むと、運転資金が一気にタイトになります。

見落としやすい隠れコスト6項目

初期費用・月次ランニングの表に出てこないが、受入後に必ず発生する「隠れコスト」を6つ整理します。これを試算に入れていないと、3年目の決算で「想定より1人あたり50万円多かった」となります。

隠れコスト1:帰国費・出国時の精算費

育成就労・技能実習では帰国旅費を受入企業が負担するのが原則です。航空券+送出機関への精算で1人あたり15〜25万円。3年に1回まとめて出ていきますが、退職・転籍で前倒し発生もあります。

隠れコスト2:転籍リスクに伴う再採用コスト

育成就労では1〜2年経過後に同業種内での転籍が認められます。せっかく育てた人材が他社へ移った場合、再採用の初期費用が丸ごと発生します。「教育投資の回収期間が短くなる」点は、特定技能・育成就労時代の構造的リスクです。

隠れコスト3:日本語学習支援の追加投資

建設現場では安全教育・作業指示が日本語で行われるのが大半。日本語能力試験N4レベルでは現場の細かい指示理解に不足することが多く、追加の日本語学習を企業負担で提供するケースが増えています。年間6〜12万円/人の上乗せが目安です。

隠れコスト4:建設特定技能受入計画変更認定の都度発生費用

建設特定技能受入計画認定(国土交通省)は、受入計画の変更(人数増・業種変更・営業所追加)の度に変更認定申請が必要です。1回あたり3〜8万円の行政書士報酬がかかります。

隠れコスト5:CCUS就業履歴の蓄積運用コスト

CCUS技能者登録は1回ですが、現場で就業履歴を蓄積し続けるにはカードリーダー設置・運用が必要です。自社現場ならカードリーダー初期費5〜10万円+通信費、元請現場での履歴蓄積を委ねる場合は元請との運用調整に手間がかかります。外国人技能者を雇うと「CCUS運用を本気でやる」フェーズに入らざるを得ません。詳しくはCCUSの現場運用|カードリーダー設置・就業履歴蓄積のリアルもご覧ください。

隠れコスト6:労務トラブル時の弁護士費用・通訳費

労働条件・寮環境・人間関係のトラブルが発生した際、通訳付き面談・行政書士/社会保険労務士/弁護士の関与が必要になることがあります。1件あたり10〜30万円規模の予備費を見込んでおくのが現実的です。

CCUS関連費用と経審加点で「回収できる」金額

外国人材の受入はコスト増ですが、CCUSと経営事項審査(経審)の運用次第で一部を点数として回収できます。公共工事を狙う事業者にとっては、ここが投資判断の分かれ目です。

項目 内容 経審への影響
CCUS技能者レベル判定 外国人技能者もレベル1〜4取得可能 レベル2以上で技術職員数(W)に算入
CCUS事業者の能力評価 事業者の能力評価制度(5段階) その他審査項目(W)で加点
若年技術者・若手登用 育成就労・特定技能の若手も対象 その他審査項目(W)で加点
建退共加入 外国人技能者も加入対象 その他審査項目(W)で加点

経審のP点(総合評定値)への影響は1〜5点程度ですが、入札格付けが1ランク上がれば年間の受注機会が大きく変わります。受入コストを「採用コスト」だけで見ず、経審点数の獲得手段として位置づける視点が重要です。詳しくはCCUSと経審加点の関係|入札格付けを上げる戦略をご覧ください。

補助金・助成金で回収できる範囲

2026年時点で外国人材受入に直接使える補助金は限定的ですが、CCUS事業者登録・カードリーダー設置・登録料の建設キャリアアップシステム関連の補助制度が継続しています。詳しくはCCUS関連の補助金・助成金まとめをご覧ください。

受入コストを下げる現実的な3つの方法

コスト試算を踏まえて、中小建設業者が現実的に取れる打ち手を3つ整理します。理想論ではなく、当事務所が顧問先で実際に検証してきた手段です。

方法1:社宅・寮の集約で住居コストを2割圧縮する

1人ずつ単身アパートを借りると初期費用も家賃も嵩みます。2〜4人で共同利用できる社宅(戸建または2DK以上)に集約することで、1人あたりの住居費を月1.5万円→0.7万円程度まで下げられます。3年累計で1人あたり30万円弱の圧縮効果。ただし、生活時間帯のミスマッチによる人間関係トラブルもあるため、国籍・年齢・就業時間帯を揃える設計が必要です。

方法2:登録支援機関を「機能で選び」、報酬を交渉する

登録支援機関の月次報酬は2〜4万円が相場ですが、義務的支援10項目のうち自社で対応できる項目を切り出して「部分委託」に切り替えると、月1〜2万円台まで下がるケースがあります。3年累計で1人あたり40〜70万円の圧縮余地。ただし、行政報告・住居サポート・生活オリエンテーションの自社対応負荷を見極めずに切り出すと、本業の管理工数が逼迫します。

方法3:CCUS運用を「業務効率化」と統合する

CCUS就業履歴の蓄積は手間ですが、勤怠管理・出面管理・建退共証紙貼付の代替手段として運用設計すれば、別途のIT投資(勤怠アプリ・現場管理SaaS)を統合できます。建設業界はIT化の遅れが構造的な弱点ですが、外国人受入を機にCCUS運用と日々の勤怠管理を一本化できた事業者は、3年で年間100時間以上の事務工数削減に成功しています。「やる気で勤怠管理」を「仕組みで勤怠管理」に置き換える絶好の機会です。

建設業の外国人受入コストに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 建設業の外国人材受入で「結局いちばん安い」のはどの制度ですか?

3年累計で見ると、育成就労(想定値)が技能実習と同水準特定技能1号は給与水準が高い分わずかに上になる見通しです。ただし、特定技能はキャリアの長い人材を即戦力で確保できるため、戦力化までの時間コストを含めると総合的に有利なケースが多くなります。「単価が安い=有利」とは限らないのが建設業の外国人受入の特徴です。

Q2. 建設業の外国人受入に建設業許可は必要ですか?

建設業許可がなくても外国人技能者の雇用は可能ですが、特定技能の受入には建設特定技能受入計画認定(国土交通省)が必須で、その要件の中で建設業許可の取得が事実上前提となります。詳しくは朝霞市で建設業許可を取るには?などの地域別解説、または建設業許可の取り方を参照してください。

Q3. 育成就労が始まる2027年4月までに、今いる技能実習生はどうなりますか?

施行日時点で在留中の技能実習生は経過措置により従前の在留資格で継続できます。新規受入を技能実習で行う窓口は施行と同時に閉じるため、2026年中の新規受入計画は技能実習で進めるか、育成就労施行を待って受け入れるかの判断が必要です。詳しくは育成就労制度と建設業のCCUS義務化|2027年スタートで建設業者が今すべき4つの準備を参照してください。

Q4. CCUS技能者登録は外国人技能者でも必須ですか?

特定技能の建設分野では実質的に必須、育成就労施行後も必須化される見込みです。技能実習生についても、元請が現場入場に際してCCUSカード提示を求めるケースが多く、実務上は登録が前提になります。詳しくは建設業の外国人技能者CCUS登録ガイドをご覧ください。

Q5. 登録支援機関と監理団体の違いは何ですか?

登録支援機関は特定技能の受入企業を支援する民間機関で、義務的支援10項目の代行が中心です。監理団体は技能実習を監督・指導する公的に近い性格の団体で、3カ月に1度の定期監査が義務付けられています。育成就労では「監理支援機関」として両者の機能が再編される見込みです。

Q6. 建設業の外国人受入で行政書士に依頼すべき業務範囲は?

在留資格認定証明書交付申請、建設特定技能受入計画認定申請、CCUS事業者・技能者登録、雇用契約書・支援計画書の作成が中心です。労務トラブル対応は社会保険労務士、寮の賃貸契約・労災事故は弁護士の領域になります。窓口を一本化したい場合は、提携先を持つ行政書士事務所を選ぶのが現実解です。

外国人材受入は「コスト」で見るか「投資」で見るか

3年累計で1人600万円規模のキャッシュアウトが伴う外国人受入は、「安い労働力の確保」ではなく「中長期の戦力化への投資」と捉えるべきです。資材高騰・職人不足・元請のコンプライアンス強化という構造変化の中で、外国人材を雇わずに事業継続できる中小建設業者は限られてきました。一方で、コスト試算を甘く見積もって受け入れ、3年目に資金繰りで詰まる事業者も増えています。

当事務所は埼玉県朝霞市・志木市・新座市・富士見市・ふじみ野市・三芳町・和光市を中心に、建設業許可の取得から建設特定技能受入計画認定、CCUS登録、経審までワンストップでサポートしています。外国人材の受入コストを「採用費」ではなく「経営判断」として正確に試算したい方は、まずはご相談ください。

建設業のIT化・データ管理は、業界全体で見ても明らかに遅れています。だからこそ、外国人材の受入をきっかけに勤怠・労務・CCUSの仕組みをまとめて整える事業者が、5年後の競争で頭一つ抜けることになります。やる気ではなく仕組みで人手不足を解く——これが2027年以降の建設業の現実解です。

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